「本当にごめんね、これ、ちゃんと私がクリーニングに出して返すね？」

しゅん、と眉が垂れて今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。返答する間も与えずに私は湿った制服を彼の手からそっと持ち上げた。

「じゃ…私はそろそろお暇するね。本当にいろいろと…ごめんなさい。」

小さく頭を下げると何か言われる前にさっさとその場を後にした。

***

パタン、と静かな音を立てて扉が閉まる。その音を聞くが早いか、私の口角は無意識に妖しく吊りあがる。

私がキレて殴りかかるとか思ったでしょ？思っちゃったでしょ？違うんだなぁこれが！

男にこんな扱いうけたのは初めてだけど、だてにいじめられっこしてないよ私は。

そしてただのいじめられっこで終わるような女じゃないのよ、私は！！！

殴っちゃいかん。それじゃ女という生き物への復讐ができない。

あんだけおおっぴらに近付いて、軽くあしらわれて終わりましたじゃ逆に女を喜ばせてしまう。

だ・か・ら！あいつらをメロメロにして、それからこっぴどくフッてやる！！！

「見てろよＨ2Ｏ…」

絶対に許さないんだから！！

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