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張り詰めた空気。



無表情な冷たい顔がまだ私を刺している。


「…へー…。その割には聖に制服洗わせといて?何もせずでくのぼうのように目の前でぼーっと座って?ただの目障りでしかなかったんだけど?」


たんたんたん、とどこで息継ぎしてんのか聞きたいくらいの台詞の羅列。


いや、だってへらへらがササッと制服持ってどっか行っちゃうしさ、かといって帰るのもどうかと思ってさ、せめて反省してる素振りだけでもと思ってさ。


…………。

…うん、その件に関しては素直にごめんねと言っておこうか。


黒髪の隣で「りょーちゃんすご~い」なんて言ってまばらな拍手をしているへらへら。

私の方を見て「そうだそうだ」、とブスを連呼する金髪。


とりあえず、金髪は黙ってろ。



あー、なんか怒りが揺り戻ってきた。

こう、ふつふつぐつぐつっとね。


私はゆっくりと立ち上がって、ソファへと歩み寄る。ゆらりゆらりと歩いてくるさまに、失礼にも金髪がヒッと息を飲むのが聞こえた。


ホントにね、もうあんたらの愚行には我慢の限界なのよ。


ぷっつんきちゃったのよ。



「――近江君」


そっと囁くように奴の名を呼ぶ。

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