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というか“H2O”なんてだっさい通り名誰がつけたんだか。
だって水だよ?水。
水も滴るいい男ー、なんていうけど自分達が水になってちゃ世話ないわね。
あ、でもさっき滴ってたか。
コーヒーだけど。股間にだけど。めっちゃ染み込んでたけど。
「っふ」
やば、笑っちゃった。
ほぼ息のような私の笑い声に素早く反応した3人の視線が一瞬にして集まる。
自分で自分の首を絞めるとは、しくった。
「下手な泣きまねすんな」
低すぎない、冷たいながらもどこか色艶のある低音が響く。
それがあまりに威圧的で、それでいて……綺麗で。
笑いで震えていた腹筋ですらピタリと止まった。
そしてどうやら私の噛み殺した笑いは、俯いていたのと口許を覆っていたのとで表情がわからず泣き真似とみなされたらしい。
でも私泣き真似だけはしないって決めてるのよ。
なんか媚びてるみたいで嫌。まあ実際媚びてるんだけどさ。
「ごめんなさい…」
とはいえ「笑ってました」とも言えないので顔を上げて潮らしく謝ってみる。
もちろん上目遣いも忘れずに。
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