4
“盗った”と言われても全く心当たりがないので、どういうことかと聞き返せば出てくるのは90%の確率で知らない男の名前。
ちなみに当時の私は毎日のように群がる男がどれもじゃがいもにしか見えず、クラスメイトですら顔と名前を全く記憶できていなかった。
あ、それは今もなんだけど。
それはさておき、そんなわけで被害者らしい子が友達に慰められながらさめざめと泣いているのを見ても、自分のしでかしたらしい事の重大さが全くわからず、ただ、
「はぁ…」
とだけ返したら、
「何その態度!」
と取り巻きがキレて掴みかかってきた。
…ので思わずぱかーんと思いっきり殴ったら、取っ組み合いのケンカになった。
とは言え1対複数だったために私は無罪放免。
おまけに男子にものすごーくかわいそがられ、面白くない女子たちにまた取り囲まれ、ケンカになるの繰り返し。悪循環である。
そんな血の気の多い小学校時代を切り抜け、中学生になった私は少し冷静になることを覚えた。
しかしながら、女の嫉妬は思春期ということもあり落ち着くどころか激しさを増すばかり。
「好きな人盗った」だの「××の彼氏横取りした」だの身に覚えのないことでいじめられる日々は続いた。
理不尽、あまりに理不尽すぎる。
確かに私の周りは常に男が取り巻いて下駄箱やロッカーは常にラブレターがぎっしり、週何回ってペースで告白はされるけども、だけどもだ。
私から男たちにどーこーした覚えはない。盗るも何も勝手にあっちから寄ってくるのだ。
そんなことが奴らには全く理解されず、私はただただフラストレーションを溜めに溜めて陰険ないじめに耐え続けていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます