第4話 春は別れの季節?
1月になり、年の瀬を越えられず亡くなる人が多くデイサービスの利用者数は減っていた。そのため、少し落ち着いて働くことができていた。
珍しく館長さんが私のことを呼んだ。怒られることしたかな?と思いながら相談室に行くと「正社員になるとか考えてない?」と言われた。びっくりしたが、自分でも、どこかで正社員で働いた方がいいかもしれないなー。と漠然には考えていた。他の正社員の方が「久野さん正社員にとかどうですかね?」とミーティングで話が出たらしい。すごく嬉しい話だなと思った。館長さんには、「この場所で正社員になるというよりは、どこかで正社員として就活しようかなと考えていました。」と答えた。「この場所が嫌でっていうなら、引き止めれないんだけど、そうじゃないなら次を探すのは待ってほしい」と言われた。ありがたい話なので、そのまま了承してその日は、終わった。
2週間くらい経ち、出勤時に申し送りノートを1人で見ていると館長さんが話しかけてきた。「4月から地域密着型のデイサービスで正社員として働くのは、どうかな?」と。地域密着型というは、小規模のデイサービスで定員は18名以下、市内の人しか通うことのできないデイサービスだ。
私は、この場所で正社員になるのかなと思っていたので、驚いた。「資格を持っていて、経験がある久野さんに生活相談員として働いてほしい。人数も少ないし、ここよりも家から近くなるから、どう?」と館長さんが言った。
私は、少し考え、ここだと忙しくてつらい時もあったから人数少なくなるのは、良いかと思い、館長さんの申し出を受けることにした。
スタッフの方々と離れるのも寂しいし柴田さんと毎週会えなくなるのは、ツラいが勤務が移動なだけで人数足りない時は、たまにヘルプで呼ばれるから一生会えないことはない。
残りの2ヶ月半大事に過ごそうと思った。タイムリミットが決まってしまうと、あっという間に時間は過ぎていった。
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