三人目『親友』 四人目『先生』

 三人目はセーラー服?を来た人だった。二人一緒に歩いていて楽しそうに会話していた。その二人もわたしを見つけると「あ、猫!」と言って触った。でも一人しか触ってくれなかった。触ってくれた子が「触らないの?」と言うと「猫アレルギーなんだ」と言っていた。わたしには猫アレルギーが何にか分からないけどなんとなく触らない人なんだなと思うようにした。

 その子供達も引き返し、また次の日に来ては、撫でてくれる。

 それが三年続いた。ある日、引き返さないでそのままわたしを越して行った。またまた彼女らは言う。

 「あの噂本当だったんだ。」

 「夢なんだから猫。触っていれば良かった・・・」

と。それ以来彼女らは来なかった。


それから誰も通らない日が何年も続いた。わたしの周りにあったもいつのまにかあとだけ残して消えて行った。でもいまだにあの鉄の匂いは鼻に残っているし何か虫が飛んでいる。


 久しぶりに来た人は大人の人でメガネをかけていた。彼はわたしの目の前に来てピタリと止まった。

 「何か用か?(にゃ、にゃ?)」

 わたしは尋ねる。当然猫なので通じない。すると

 「か、」

 「か?(にゃ?)」

 「可愛い~」

 わたしはびっくり。まさかこんな大の大人が猫ごときにこんなにも豹変するとはわたしでさえも思っていないかった。

 「お前さん、お名前は?」

 「首輪に書いてある。(にゃ、にゃ~)」

 首元に手を置いてここだと合図する。

 「・・・リールドアルトリア?長ッ。短く『リル』としよう。」

 そんなわけでわたしは短く『リル』となった。

 男の人は毎日のようにデレデレで餌も猫じゃらしも必ず持ってくる。

 「リルは本当に可愛いなぁ。」

 「ふん、どこがだ。お世辞はほどほどにしろよ。(にゃ、にゃにゃ。)」

 「じゃ、リルまた明日来るから。」


 次の日

 「なぁリル聞いておくれ。」

 「何だ?(にゃ?)」

 「生徒がな、二人死んでしまった。俺が不甲斐ないからかな?二人とも交通事故だそうだ。俺がもっと事故には気をつけろと言うべきだったんだろうか?」

 「・・・」

 わたしは何も言わずに彼の頭に手をポンと置いた。

 「そうかぁ、リルありがとう。」

 彼は泣き止むまでわたしのそばにいた。


またまた次の日、彼は感謝の気持ちとして高級猫缶を持って来てくれた。

 「生徒達のお葬式、無事で来たよ!リルのお陰で心から見送ることができた!ありがとう。」

 そう言ってわたしを撫でた。そして今日。彼は引き返すことなくわたしを通り過ぎる。

 「リルに会えて良かった。ありがとう。ここで待っててくれて」

と。


 そうかわたしは・・・

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