ある星のアストロノマー

ジャックコスモ将軍

第1話 プロローグ

2060年 ロシア 極東


「ただいまインベーダーと交戦中」


「現在の状況は?」


「依然として攻撃の効果はありません」


「無駄玉を撃つのを辞めさせろ!!」


「しかし」


「効くはずも無いものを撃つな」


「もうそろそろ用意が出来ている頃だ」


「まさか」


「早く独立兵科に指示を出すんだ!!」


「そしてスプートニク5号を起動させろ!!」


「スプートニク5号!?まさか計画を早めるのですか?」


「そうだ有人型スプートニクによる攻撃は有効だからなそれは2057年に証明されている!!」


「しかしその際パイロットも犠牲になっています!!先月も犠牲者が出ています。」


「ここで出さずしていつ出すんだ」


「大統領閣下から攻撃せよとの事です。」


「5号はもう起動しております」


「分かった」


インベーダーから1km地点


「やっと出撃命令か」


「さぁかかってきな化け物」


「スプートニク5号起動!!」


 スプートニク5号は眼光を宿し4本の脚が起動し胴体を持ち上げた。白いボディは太陽光で反射していた。


「さぁ行くよストレルカ」


独立兵科司令部


「パイロットは誰が?」


「ベルカ上級中尉が操縦士、ストレルカ上級中尉が武装オペレーターです。」


「そうかアリビーナなるほどあの二人は優秀だからな。」


「ベルカ!!」


「はっ!!」


 次の瞬間スプートニク5号の前方の建物が破壊されインベーダーが突進してきた。あたりは煙に包まれた。


「残骸を使ったな」


「目くらましか」


「別に問題ない」


「サーモグラフィー起動!!」


「サーモグラフィー起動しました。」


「熱源は1つ!!」


「やはり龍のような形をしているな。」


「龍型か」


「あぁ大きい」


「来るっ」


「来たか!!」


「クローR-7起動!!」


 スプートニク5号の脚部から鉤爪が展開された。


「来るぞ」


「いや避けろ!!熱反応あり!!」


「避けるぞ!!掴まれ!!」


「避けろぉぉぉぉ!!」


 インベーダーが炎を放つあたりは光と熱風に包まれ炎が当たった場所は全て全焼していた。炎は街を覆い尽くした。


「どうなっている」


「映像が映らないぞ!!」


「映像乱れました!!」


「4ブロックが熱により一瞬で貫通し全焼しました。」


「恐ろしい」


 インベーダーが放った炎は、コンクリートで作られた建物4ブロックを突き抜けていた。炎によってコンクリートの建物は黒に染っていた。


「まぁそんなものでこの機体の耐熱シールドを溶かせるかな」


「いや無理ですよベルカ」


「それもそうかストレルカ」


「おりゃぁぁぁぁ」


 スプートニク5号は飛びかかり鉤爪でインベーダーを引っ掻いた。インベーダーは血を噴出させインベーダーは仰け反った。


「今だ追い込みをかけろ!!」


「わかってるトドメだ!!」


 足蹴りを入れようとしたが。


「インベーダーから熱反応」


「まずい」


「避けろベルカ!!」


「わかってる!!」


 次の瞬間炎が放たれる。


 スプートニク5号はインベーダーを蹴って後ろに飛んで炎を回避した。


「危なかったな」


「あぁあのままだとメインカメラがやられていた。」


「反撃といこうか」


「暫くは撃てないだろう。」


「あぁ建物を焼き払ってから暫く動いてない。」


「炎を放つのに大きなエネルギーが必要だから機動性が落ちるのか。」


「行くぞ!!」


「あぁ!!」


「おりゃぁぁぁぁ!!!!!」


 インベーダーに爪を押し付け切り裂いた。


 インベーダーから大量の血が噴き出した。


 血は辺りいっぱいを埋めつくした。


「倒したか」


「よくやったベルカ!ストレルカ!」


「どのくらいで降りれるかな」


「機体の除染作業が終わらないと無理だと思います。」


「そうかまぁこの機体の装甲板が汚染物質を通さないがな。」


 スプートニク5号は放射能、熱線、化学兵器、細菌兵器などから搭乗員を守るため何枚もの金属板、断熱材が重ねられている。コラブリスプートニク計画で産み出された有人ロボット兵器である。


 2061年には人型のロボットが制作されるそうだ。我々が乗るスプートニク5号は、犬に似た形態をしている。技術的な問題から四足歩行の形態に落ち着いたようだ。


モスクワ クレムリン

  

「我々はスプートニク5号の初実戦を成功した!!」


「なんだと!!」


「もし本当ならこれは人類の希望となるのでは!?」


 このニュースはすぐに世界中に広まった。


「スプートニク5号の電波などは受信しておりました大統領。」


「なんだと!なんで早く進めなかったんだ!!対インベーダー兵器の開発に我々が遅れてしまうでは無いか!!」


「我々合衆国の威信にかけて!!対インベーダー兵器の開発をより一層進めろ!!金に糸目などつけぬ国民の命と合衆国の威信のために!!」


「分かりました大統領開発に特別な予算案を提出します」


独立兵科 本部


「アメリカが動き出したようだね。」


「あぁ」


「我々も新型機の開発を進めなければ」


「あぁ我々にはボストークがある」


「あぁ兵器更新も行って行かなければならない。」


「旧式化したR-1型の置き換え新型無人機計画"ルナ"を進めて行かなければな。」


「有人型の6号機、9号機、10号機の計画は計画通り進んでおります。」


「6号機にはプチョールカ、ムーシュカ」


「9号機にはチェルヌーシュカ」


「10号機にはズヴョズダチカ」


「を操縦者、武装オペレーターに命ずる」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある星のアストロノマー ジャックコスモ将軍 @0ren0m0n0gatari

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ