第4話 またうどんを食べる
夜勤明け、私が住む地域では店が開いてない
コンビニ、牛丼チェーン、ハンバーガー、あとほか弁ぐらいか
牛丼チェーンやハンバーガーばかりじゃ飽きもする
悩ましい限りだ
しかし、つい最近になって、朝八時から営業しているうどん屋があることを知った
この店、パチンコ屋のすぐ近くで営業している。つまり、朝から並ぶパチンコ客を当てにしてのことだろう
パチンコを打つかどうかは別にして、朝から開いているのは有り難い
Y製麺
五月の朝九時過ぎ
10台ぐらい止められる店の奥の駐車場に車を入れると、出入り業者のトラックが一台だけ
その横の店の勝手口で業者と白いエプロンを付けた店主と思しき男の人が立ち話をしている
私の車を少し見ただけで気にする様子もなく話をしている
もうマスクをする必要はないが、一応マスクをして車から降りて店に入る
若い女の店員さんが三人程いて、私が入ると「いらっしゃいませ」と声が聞こえた
ここはうどんの大手チェーン店と同じくセルフ仕様で、トレイを手にして好みでトッピングを取り、レジで注文という大手チェーン店とは順番が少し違う形だ
トレイにトッピングの揚げ物をとるための皿を乗せる
数は少なく三、四個だけど、全てのトッピングメニューが行儀よく並べてある
朝で客数がまだ少ないから、メニューが少ないです……などということがない、その心が嬉しい
舞茸とちくわを取る
指輪物語が好きな私は実はホビット族で、きのこのが好きなのだ。だから舞茸を選ぶのに迷いはない
ちくわも練り物好きなので外せない
というわけで簡単に決まる、というより大手チェーン店でもこんな感じだ
大手チェーン店の場合は舞茸がないことが多いので、そこはイモ天だったりアジフライになったりするのだけど
そして主役のうどん
実は、何を頼むかは最初から決めていたのだが、大きさだけ決めていなかったので少し考える
「ぶっかけの冷たいのを大きいのでお願いします」
キョドるぼっちは、どこへ行っても変わることはなく小声気味に言う
「ぶっかけの大のヒヤですね。ありごとうございます」
別段愛想が良いというわけではないが、キチンとした丁寧な対応
私は、すぐにキョドる性格なので、妙に気を使われると、むしろ対応できないのだから、変なお愛想がないこの対応が有り難い
料金を払うと、トレイを席に置いて、お冷を取りに行く
季節的なものは分からないが、グラスを使ってレバーを押すと、氷水が出るものが一つだけ
冬はどうするのだろう?そんなことを思いながら、グラスを持って席に着く
少しすると、店員さんが、丼を持ってきた
きれいに盛り付けてあるうどん
冷やしてあるのか触ると冷たく、丼に乗っているのはネギ、大根おろし、その大根おろしの上に生姜、そしてかつお節
うどんは具材の下に隠れていて殆ど見えない
いただきます
まず最初に、うどんを一本だけ下の方から取って食べる
しっかりと締めてあって冷たくて美味しい
そして、名前はわからないが柑橘系のを箸で取り出して絞る
正しくは皮を下にして搾るとかなにかの動画で見たような記憶があるが、気にせずに搾る
そういえば持ってくる時に女の店員さんが
「よくかき混ぜてお召し上がり下さい」
と言っていたが、今回は、我が道を行く
ネギの部分を落とさないようにうどんを取ってすすれば、口の中にネギとダシの香りが広がる
少し細いけど歯ごたえがある硬めで腰のある麺が口の中で踊る
次に大根おろしと生姜の部分の下からうどんを取ってすする
大根の味こそ弱いが、生姜の香りが良い
そしてかつお節の部分のうどんを取る
口の中でかつお節の香りが広がり、かつお節の一枚が口の中、上の部分に張り付く
で、気になることが一つ
実はこのうどん、快活クラブのうどんに似ている気がする
太さ、歯応え、喉越し、まぁ、ぶっかけうどんということで余計に似ているように感じるのだろうけど、どうだろうか?
もしかしたら、駐車場にいた業者さんが持ってきたのかも知れないと思う
快活クラブのうどん自体が好きなのだから、全く問題ないのだが
うどんを一通り楽しんだら、今度は天ぷらの番だ
舞茸の天ぷらを取り、ぶっかけツユの中に入れる
私の口はあまり大きくないが、大きく開けて一口ガブリといく
ああっ、ぶっかけツユと舞茸の香りと味が口の中で広がる
きのこが持つ独特の味がたまらなく好きだ
一口では足りない
もう一口、一口といってしまう
食べきってしまった
うん、舞茸最高!きのこ万歳!
そして、残ったうどんを一気にたべきってしまう
最後に残しておいたちくわの天ぷらを一口だけかじり、ちくわで丼に残った薬味を丁寧に寄せ集めて食べる
最後にちくわの天ぷらを食べて完了
ごちそうさまでした
こうやってうどんを食べ続けていくなら、やっぱり、有名チェーンとかにも行ったほうが良いかな?
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