第5話 コメダ珈琲で食べる

 今日は、お休み

 たっぷりと惰眠を貪った後、ようやくボンヤリ頭で起きる

 昼過ぎて病院へ行き、長い時間を待ってからの短い診察時間を経て、ようやく薬を貰う

 既に夕方五時前

 本当なら、もう少し前に終わる目算だったけど、まぁ、来院する患者数で病院の待ち時間が安定しないのは仕方ない

 朝は当然、昼も何も食べていないのでお腹が空く

 食べに行く事になる

 最初は、とんかつチェーンの期間限定メニューを食べた後、ゆっくりとコーヒーでも楽しもうと思っていたけど、計画変更

 コメダ珈琲に直行することにする

 荷物が入ったリュックを持って入店

 入ると「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」レジの向こう、厨房を向いていた店員の男性が声を掛けてくる

 私は、頷きながら人差し指を一本立てて一人アピール

 いつもキョドる安定のぼっちたる私は、この瞬間いつも少し緊張する

「空いている席へどうぞ」

 店員さんの声を聞いて、店の奥へ進む

 田舎の店なせいか一人用の半ボックスみたいな席がないので、両隣が空いている二人席へと座る

 すると、すぐに男性店員さんがお冷とおしぼりを持ってきた

 あれ?違う店員さんだ

 厨房の前にいた店員さんは、坊主頭だったけど、この店員さんは短髪だ

 別にいいけど

 さて、メニュー表を見る

 飲み物は、通を気取ってホットコーヒー

 ブレンドとコメ黒というのがあるが???何が違うのか説明文を読んでも分からない

 ブレンドは文字通りだとしても、黒の説明のブラジル産って、ブラジルは世界最大の産地じゃなかったっけ?それに他のを混ぜたらブレンドになるのでは?よく分からない

 それにエチオピアの方が、なんか美味しいイメージがある。偏見か?

 迷って結局ブレンドにする

 こういう時に必ず思い出すのは、人間は迷ったらいつもの通りのものを選ぶという話

 本当だと思う

 食べ物は、カツパン、みそカツパンにしてみるか?ただ、とんかつは食べてるから、エビカツパンにしよう

 いや、ホットドッグかたまごサンドにコメチキもアリか?

 うーん、やめておこう

 実は、後でシロノワールのセットを追加して少し長い時間粘るつもりだから、ここで本気で食べずにいよう

 あ、そうだ、コーヒーはたっぷりにしておこう

 よし、決定

 ボタンを押して店員さんに来て貰い、注文をする

「ホットのブレンド、あ、すみません、たっぷりでお願いします。あと、カツパン、以上でお願いします」

 さっきコーヒーを多い方で頼むつもりだったのに、店員さんが来ると伝えることに意識を持っていかれて忘れかけて動揺する

 サイゼリヤだったら紙に書くだけだし、タブレットとか食券の店だったら話をしなくていいから楽なのになぁ

 などと思いながら、注文を終える

 ここで、荷物の中からイヤホンを取り出して装着

 聞くのはマッサージの叩打法ASMR

 そして、少し力を抜いているとホットコーヒーが来た

 あ、さっき厨房の方にいた坊主頭の店員さんだ

 必要はないのかもしれないが、慌ててイヤホンを外して軽く頭を下げる

 本当は「ありがとうございます」と言いたい気持ちはあるのだが、気を抜いているので咄嗟に声が出ない、出せない

 そして、コーヒーに口をつける


 熱っ!!


 カップが熱くて飲めなかった

 息を吹きかけて、改めて一口

 熱いが、なんとか口を濡らすぐらいは飲めた

 うん、あまりにも少量だったので味がよく分からない

 少し、厨房の方へ目をやる

 中の様子は見えないが、フロアを三人の店員さんが動き回っているのが分かる

 にしても、体格がいい人ばかりだな

 などと周囲の様子をうかがっているうちにエビカツパンが来る

 また、頭を下げて、結局、口をモゴモゴさせて何も言えない

 さて、この3つに切ってあるエビカツパンを見て「この大きさなら、4つに切って貰えばよかったなぁ。たぶん伝えられないけど」などと考えながら、手を伸ばす

 野菜のシャキシャキ感、エビの甲殻類感、ドレッシングの味

 個人的にはもう少しドレッシング多くても良いかも?でも、多かったらドレッシングの味ばかりになるかかも?などと考えながら、食べる

 コーヒーに手を伸ばす

 うん、この熱さなら飲める、あーでも、やっぱり砂糖が欲しい

 スティックシュガーを一本入れて、改めて一口

 うん、いいね

 ここでリュックの中からファイルを取り出す

 唯一の趣味?のシミュレーションボードゲームの説明書をコピーしたものをリュックから取り出す

 わざわざコピーなのは、扱いが悪くても傷まないようにというのと、重要な説明にはペンでラインを引くので、ミスしてもいいようにだ

 今日、わざわざコメダ珈琲などとぼっちなおっさんには不似合いな場所に来たのも、少しでも説明書を読み進めてペンを引くためである

 などとしつつ、2つ目に手を伸ばしながら、スマホの時計を見る

 え?意外と時間が過ぎて40分

 意外とエビカツパンが重い

 これは、後でシロノワールのセットを頼んで追加で1時間粘ろうと思ったけど、どうやら無理そうだ

 3つ食べ終わる頃には、お腹いっぱいになる

 すると、唇が少し痺れたように感じる

 これは?アレルギー?

 元々、明太子にアレルギーがあるのだけど、とある回転寿司チェーンの甲殻類を食べたときにも、少し痺れたような反応をすることがある

 最初のうちは良かったけど、一食分食べて体が反応したかな?

 これは、コメダ珈琲に罪はないけど、逆にコメダ珈琲に迷惑をかけないためにも、エビカツパンは今後は食べないほうがいいな

 ぬるくなったコーヒーを飲み干す

 さて、お腹いっぱいなったし、粘る理由もなくなったから、帰るか

 ごちそうさまでした

 

 

 

 

 


 

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