第231話 武の頂き ①
女神と剣神!
互いの剣が激しく火花を散らしながらぶつかり合う!
ガキィィィィィィィィィィン!!!!!!
と同時にお互いの纏い! 放つ! その大きすぎる霊圧が周囲の地形を抉り取る!!!
あぶなっ!!!
咄嗟に障壁をかけ、こらえる黒崎!
そんな事には目もくれず二人はいうと――
ギィギィギシギシギシギシ!!!!!!
両者一歩も引かずに鍔迫り合いに興じていた!!!
「ふふ! 良い一撃だ! どうやらもう大丈夫な様だな」
「その節はご心配をおかけしました♪ というわけで…… 今日はとことん楽しもうか!♪」
「ああ!」
ガキィンと剣を弾きながら、お互いに超速で動きながら無数の剣撃を放ち合う!!!
「ハアアアアアアアア!!!!!!!!!」
「アアアアアアアアア!!!!!!!!!」
辺りは炸裂音にも似た激しい音をまき散らしながら、目にも映らない速度でただただ音だけが周りに鳴り響いていく状況が続く!!
「ふふ♪ 楽しいね♪」
「ああ! そうだな!」
そう言って今度はリーズレットの姿が現れ、アルセルシアを囲い始める!
―― それも大量にっ!!!!!
「! これは――」
残像…… 七十…… いや、八十はいるか……
この技は――
「極神流一刀術――」
「疾風…… 閃嵐撃!!!」
数十体ものリーズレットが一斉にアルセルシアに襲い掛かる!
「大した速さだが――」
ガ! ガ! ガ! ガ! ガキィ!
ガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
その全ての残像! そしてそこから繰り出されるあらゆる型の斬撃に難なく対応し捌くアルセルシア!
そして本物のリーズレットをも捉える!
ガキィィィィィィィィィィィィン!!!!
「遊びの段階とはいえ、これでは物足らん―― もう少しギアを上げてきていいぞ」
「そう? じゃあさっそく……」
更に速度を上げ、今度は倍近くの残像を発生させながら動き回るリーズレット!
一方、二人の闘いを見守っているレティ達はというと――
「ふむ。 序盤の探り合いは互角か…… リーズも中々やるのう――」
「そうね。 しかしいきなり互いが先制攻撃を仕掛け合うとは……」
「ええ。 正直お互いのレベルがレベルだけに最初の一撃がそのまま最後の一撃になってもおかしくない位の破壊力とスピードを誇っているから、もっと慎重に仕掛け合う事になる可能性も考慮してたけど――」
少し予想外といった様子の雫とサアラ。
そこに恭弥とセシリア、イステリアにマクエルが割って入る。
「はは! そりゃねえよ! 雫にサアラ!」
「え?」
「え?」
「そうっすよ! 総長にとっては今日! この日は待ちに待った最高の日だ!」
「ええ。 そしてそれは姉様にとっても同じ事――」
「そうですね。 だからこそ、そんな一気に勝負をつけたら勿体無いと思う事でしょうね。 ねえ? 大王様?」
「ふふ、その通り。 だからこそ、これはお互いにまだ探り合い…… というよりもただの無邪気な子供同士のじゃれ合いとかに近いものなのかもしれないな」
「なるほどね」
「というか、いくつになっても落ち着かないお二人ですね」
「まあ、あの二人ですから……」
「つか、じゃれ合いでこのレベルってのもイカレてるけどな!」
「はは! 確かにそうですね。 しかもこれは――」
この二人にとってのただのじゃれ合いが、異常な程のハイレベルな駆け引きが展開されている事に気付くマクエル。
そんな彼の言葉を同じく気付き、そのまま代弁する恭弥とサアラ。
「ああ、それだけじゃねえ…… お互い、あれだけ超スピードで斬り合ってるにもかかわらず、まるで息を切らせねえ上にその全ての動きに殺気や疑似の攻撃の気配、視線によるフェイント等、有り得ない程に極めて高いレベルで交差させ、そして互いにそれら全てに難なく対応してやがる」
「そう―― まるで鏡合わせの様にね――」
「ふふ、まさに武の極みといったところか…… どうじゃユリウス。 二人のあの姿を見てお主も疼かんのか?」
「妹に続いてお主も王者に挑んでみては?」
「はは! まさか! よく同格の剣腕と言われる事が多いですが、僕は妹程に武を探求してるわけではないですしね」
「ここ百五十年は天界の立て直しで忙しかったし…… もう妹の遊び相手は卒業ですよ」
「ふっ 謙遜を…… 慧眼の類ならばお主の方がリーズよりも上じゃろうし、剣にしても妾の見立てではお主もまだまだ負けてない様にも思うがの――」
「買いかぶり過ぎですよ。 それに今は家族の時間も大事にしたいですしね♪」
「ふふ、お主らしいな…… ! おっ! この気配……」
「! 何か仕掛けるか?」
リーズレットの気配に僅かに! そして一瞬だが変化が起きた事に気付くレティとユリウス。
アルセルシアも何らかの違和感を感じつつも冷静に対処する。
「その技は私がお前に教えたもの…… いかに練度を磨いたところで、ただそのまま使っただけでは私には通用せんぞ――」
ガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!
妙だな…… この程度…… 目くらまし程度にしかならん事は承知の筈……
一体何を狙ってる?
襲い掛かる無数の斬撃を全て返し、対処するアルセルシアに死角から一体のリーズレットが襲い掛かる!
ふん、だから気付いておるわ――
振り向きざま斬りかかろうとするアルセルシア。
しかし!
ん? この気配――
! 残像ではない! 土遁で作った分身体!? だが……
「!!!っ まさか!?」
くっ! ここで無理に止めたら隙が生じる!
振り切るしかない!
「
大きく金色の気を発しながら土遁分身に斬り掛かるアルセルシア!
次の瞬間!
バリバリバリバリバリバリリ!!!!!!
分身が崩れ! アルセルシアの剣を伝って極めて激しい電撃が彼女を襲う!
「!!!!!!っ」
! これは…… やはりさっきの気配は!
リーズレットと同じく、超速で動きまわりながら状況を分析する黒崎。
無数の残像と剣撃で注意を反らし、ありえねえ程の超スピードで印を結んで土遁の分身体の中に超高密度の雷のチャクラを忍ばせたか!
アルセルシア相手じゃ一瞬も良いとこだがそれでも電撃だったら痺れて動きを止められる!
リーズ相手に一瞬でも隙を作るのは……
どうする!? アルセルシア!
雷に覆われ、動きを止めたアルセルシアの背後に回り込み抜刀術で斬りかかろうとするリーズレット!
だが!
「―― 隙あり♪」
「―― どこがだ?」
「!!!!!っ」
「はああああああああ!!!!!!」
! やばいっ!!!
ガキィィィィィィィィィィィィン!!!!
「ぐっ!!!!!!!!」
まるで何事もなかったかの様にカウンターの一撃をお見舞いするアルセルシア!
咄嗟に剣でガードするもののリーズレットの身体は大きく吹き飛ばされ、その方向にあった岩山を三つ程貫く程に遠くへと弾き飛ばされる!
ズドオオオオン! ズドオオオオン! ズドオオオオン!
ガラガラガラガラ……
「かゆいな―― 今…… 何かしたのか?」
! あれは…… 神気! そうか!
リーズの雷のチャクラが襲い掛かる寸前に神の気を纏って自身の身体に電撃が伝う前に弾き返したのか!
あの一瞬で…… 化け物か!?
「―― やれやれ。 そう上手くはいかないか♪」
瓦礫から出てきて
って、こっちはこっちでノーダメージかよ! こいつも変わらず規格外だな!
「ふう♪ って、ん?」
リーズレットが瓦礫から出てきたところ、既にアルセルシアは攻撃態勢に入っていた!
自身の剣に極めて強力な金色のオーラを纏わせる!
「ふふ、せめてこの位の一撃程度は放ってほしいもの――」
「だがな!!!!!」
そう言って離れたリーズレットに向かってその神気を帯びた巨大かつ強大な一撃を放つアルセルシア!
襲い掛かる斬撃!!!
そしてその斬撃がリーズレットに当たる瞬間!!!
「はああああああああああ!!!!!!!」
ガィィィィィィィィィィィィィン!!!!
超速の抜刀術で難なく右側へと斬り返すリーズレット!
その斬撃は止まる事を知らずにその先の岩山等を両断していく。
「軽いね―― 今、何かしたかな?
「! ふふ! そうこなくてはな!」
改めてぶつかり合う二人の猛者達!!!
またもや超スピードの剣撃を交わし合う!
そして――
ガキィィィィィィィィィィィン!!!!!
強烈な一撃をぶつけ合い、一旦下がる両者――
「ふふ♪ 本当はもっともっと楽しみたいところだけど――」
「ああ、 大分しっかりめに
「うん♪ そろそろ真面目にいこうか…… お互いに♪!!!」
そう言って両手で剣を握ったまま額に構え、自身の気を練り上げるリーズレット――
「コオオオオオオオオオオオオ……」
そして構えを中段に振り下ろすと同時に彼女は『あの技』を発動させる!!!
「奥義―― 神格憑依の術!!!!!!」
ズドオオオオオオオ!!!!!!!!!!
激しい闘気を放ちながら奥の手を解放するリーズレット!
「! ほう! 『災厄』との戦いの最後に見せたアレか! まあ当然そう来るわな――」
「どれ…… 『その状態のお前』がどの程度のものか、少し味見をしてやろう―― はああああああああ!!!!!」
今度はアルセルシアがギアを上げ! 神気を全開で解放する!
ズオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
両者、凄まじい爆風の様な霊圧を辺りにまき散らしながらもその闘気を鎮め、自身の身体へと集約させていく――
「来いよ♪ リーズレット!」
「ふふ、いくよ♪ 師匠♪」
アルセルシアに飛び掛かるリーズレット!
遊びはここまで――
二人の達人が! 遂に全力同士で衝突する!!!!
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