第187話 巨獣対決!!!

 多くの猛者達が黒崎達のもとへと駆け付け『災厄』との戦いもいよいよ最終ラウンドへと突入する!


 そんな中! 全ての瘴気を吸収し巨大化した『災厄』がいよいよ本格的に牙をむく!


「ふっ どれだけ束になったところで結果は同じだが、精々足掻いて見せるがいい!」


「アアアアアアアアアアアアア!!!!」


 右手にドス黒い瘴気のエネルギーを集約させていく『災厄』!!


「! いかん! 全員散れええええ!!!」


「!っ やべっ!」

「! くっ!」

「! ちっ!」

「! おっと♪」

「!」

「! ちょっと!」

「! 洒落になってないですよ!」

「! ふん!」

「!」


 次の瞬間!


 その一撃は放たれる!


 グライプスの声と共に皆! 四方へと飛び上がって全力でその一撃を回避する!


 ズガアアアアアアアアアアアアン!!!!


 強烈な爆烈音と共に辺り一帯の大地が粉々に粉砕されていく!


 加えて強烈な爆風で全員がその身体を煽られながらも、なんとか各々、空中で自身の体勢を整えていく!


 だが!!!



「ちぃっ! 化け物野郎が! なんて威力だ!」

「――遅いな」

「!?っ」

バゴオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

「!!!っ がっ!!」


 ズガアアアアアアアアアアアン!!!!!

「!!!っ  かはっ! くぅっ!!」


 一瞬で背後に回り込まれ、地に叩き伏せられるセシリア!


 だがまだ終わらない!


「セシリアさん!」

「次――」

「!!!っ」

 ドゴオオオオオオオオオオオ!!!!!!

「ぐううっ!!!!」


 バガアアアアアアアアアアアアアン!!!

「~~~っ ごふっ! ごふっ!」


「! 野郎! さっきもそうだが、あれだけの巨体になっても!!!」


「全くスピードが落ちていないな……」


「となると…… これはちょっとやばいかもね♪」


「全員! 今後不用意には飛び上がるな! 身動きが制限される空中は危険だ!」


『災厄』のスピードに驚かされながらも高速で思考を巡らせ対策を練りつつ、敵を観察、分析する黒崎、アルセルシア、リーズレット、大王!


「セシリアさん! ケインさん!」


 くっ! なんてスピード! そしてパワー!


 二人を心配するリリィをよそに、『災厄』は彼女の視界からも姿を消す!


 !? 消えっ! !!っ いや!


 既にリリィの背後へと回り込み、その凶刃ともいえる右腕を振りおろしにかかっている『災厄』!


 くっ! 間に合わない!!!


「次は貴様――」

「させるわけなかろう…… クズが!」

 ドゴオオオオオオオオオオオ!!!!!!

「!!!っ ぐううおおおおおお!!!!」


「! グーちゃん!」


 間一髪! 障壁を展開しつつ、敢えて高くは跳躍しなかったグライプスが『災厄』の動きを見極め、特攻を仕掛け! そして吹き飛ばす!


 ズガアアアアアアアアアアアアン!!!!


 逆に今度は自身が地に叩き伏せられる結果となった『災厄』!!!


 だが、まるで何事もなかったかの様に立ち上がり、その視線をグライプスの方へと向ける!



「―― 我の動きについてこれる輩がまだいようとはな――」


「やはりやるな! 神獣! 中々楽しませてくれる!」


「そうか…… では楽しむ間もなく! 我が貴様を塵と変えてやろう!」


「皆! 一旦距離をとって下がっておれ! まずはこの我が奴の相手をする!」


「コオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 自身の霊圧を最大値まで解放するグライプス!


「すっ! 凄い!!!!」


「とっ! とんでもなさ過ぎる霊圧だ!」


 先に着地し、そして力を解放したグライプスの霊圧に度肝を抜かれる霧島とカエラ!



 そして――



「カアアアアアアアアアアア!!!!!!」


 闘気を纏い! 大きく口を開け! その牙を以って『災厄』へと飛び込んでいくグライプス!!!


 まるで光の矢とでも言える超スピードの閃光と化して、その標的へと襲い掛かる!!!


「!!!っ 速い!!!」


 次の瞬間!


 バキャシャアアアアアアアアアア!!!!


『災厄』の左腕!!!


 その骨は砕かれ!! そして鮮血に染まる!!!


「!!っ ちいいいいい!!!!!」


「! 肩ごと消し飛ばすつもりが…… やはり相当硬いな!」


「〜〜っ! やってくれるな! だが!」


 すぐさま傷を再生する『災厄』!


「この程度の傷! 我にとってはどうとでもないわ!」


「ふん! たった一太刀で滅する事ができるとは最初から思ってはおらぬわ!」


「百でも千でも! 貴様が死ぬまで牙を突き立てるのみだ!」


「ハアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「オオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 今度は互いに身体ごとぶつかり合い!! 力比べの様な体を成す二人の巨獣!!!


「ぬうううううううううううん!!!!!」

「ガアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 現時点ではパワーも互角!!!



「ふふ♪ 流石はモッフンだ♪ 相変わらずとんでもない速さとパワーだね♪! まあ敵もだけど♪」


「ああ、神獣の存在自体は聞いてはいたが、まさかこれ程までとは…… 大したもんだな」


「でしょ♪ レオン♪」


「ああ、だがこいつは……」



「これが神獣殿の真の力か。 彼の実力はわかっていたつもりだったが…… これは想像以上だな!」


「ああ、実際、付き合いの長い俺ですら初めて見るぜ…… ぐの丸のガチのフルパワーをな!」


「本当にすげえぜ! ぐの丸!」


 確かに凄え……


 たった一人であの『災厄』相手に互角以上に渡りあっているんだからな――



 だが……



「こりゃ、急がねえとまずいな……」


「…… そうだね……」


「……」

「……」

「……」


 グライプスの善戦に喜びつつも、それでも尚、厳しい視線を向ける黒崎達……


 戦いは続く!!!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る