第186話 まさかあの世に来てまで仕事をするとは…… こうなりゃとことんやってやる!
「つーかオメーはやりすぎなんだよ! マジでビビったわ!」
「ふん! この決戦の場に辿り着けている程の連中だ。 この程度の事、対処できんわけがないし、万が一できなければどのみちその命は二秒と持たん」
「普段なら話は別だが今回ばかりは遠慮はなしだ!」
「それ程の相手だという事だからな!」
「! ああ…… まあな」
「もう! グーちゃん! そんな言い方ないでしょう! 全く!」
「お久しぶりです。 シリウスさん。 私の事、覚えていますか? リリィです!」
「! おお! リリィか! でかくなったなあ! 覚えてるに決まってんだろ! 元気そうじゃねえか!」
「よかった! 覚えてて下さったんですね!」
「はは、当たり前だろ! お前さんが子供の頃からの付き合いだったし、それに昔から何でも気が利くし飲み込みも早かったからな!」
「正直、我儘極まりない、ぐの丸のパートナーには勿体無い位だったしな!」
「なんだと! シリウス! 貴様! もう一度言ってみろ!」
「グーちゃん! 怒らないの! 我儘なのは本当の事でしょ!」
「うぐっ!」
「そういやお前も零番隊に入ったんだってな! 元々センスはあったし流石だな!」
「いえ、そんな。 これもシリウスさん含め多くの方々のご指導の賜物です」
「それも含めてお前さんが努力で掴み取った結果だよ! 自信をもちな!」
「シリウスさん…… はい! ありがとうございます!」
「ふふ、またこうしてシリウスさんにお会いできて本当に嬉しいです!」
「はは! 俺もだ! ありがとよ!」
昔、相当よくしてもらってたのか、リリィもまたシリウスと再会できて嬉しそうである。
「それと…… 今は黒崎修二さん、でしたか…… 申し訳ないですが今は戦闘中。 落ち着くまでは昔と同じで慣れた呼び方、シリウスさんとお呼びしてもいいでしょうか?」
「ああ、今はやりやすい方で頼む!」
「ありがとうございます!」
「ぐの太郎ーーーーーー!!!」
「ぐの太郎さん!!!」
「モッフーーーーーン♪!!!」
「例の神獣とその相方か!?」
怒鳴りこんでくるセシリアとケイン!
横にリーズレットとレオンもいる。
それぞれ好き勝手につけたあだ名を叫びながら駆けつけてきた!
どうやら全員無事に着地できた様である。
「あぶねえだろ! 死ぬかと思ったわ!」
「勘弁して下さいよ! ぐの太郎さん!」
「やあ♪ よく来てくれたね♪ モッフン♪」
遅れて大王、アルセルシア、霧島、カエラも集まってくる。
「神獣殿! よく来て下さいました!」
「戦力が足りてなかったとこだ。 よく来たモフ男!」
「だから何なんですか!? この獣は!?」
「凄い大きさですよ! 霧島君! あっ でもちょっと可愛いかも♡」
「えぇ!? そうですかね!?」
「あのモフモフした毛並みにつぶらな瞳…… 良い!! 凄く良いかも♡」
「!!!っ 誰がぐのっ! モフっ! お前ら我を誰だとっ!!! いや! 大王はともかく!! ええい!!! せめて呼び方を統一せんか! ツッコミづらいわあ!!」
「うっせー! マスコット枠がえらそーにたれてんじゃねえ! まず謝れ! 馬鹿野郎! マジでビビったわ!」
「セシリア! 貴様! 神獣の我に対してその態度! 喧嘩を売っているのか!」
「上等だ! かかってこいや! このワン公が!」
「グーちゃん! もう! 皆さんごめんなさい! セシリアさんも怒りを抑えて! この子の性格はもう病気だと思って下さい! じゃないとキリがないですから!」
「お前もお前で失礼だな! リリィ!」
「お小遣いカットしますよ!」
「! ひっ! 卑怯だぞ! リリィ!」
「それから皆さん! 公式は私です! グーちゃん一択です! 可愛くなかったり馬鹿みたいな呼び方はダメ! 認めません!」
「いや! そのあだ名も我は認めてはいないのだが――」
「三か月間、四割カット――」
「好きに呼ぶがいいぞ! リリィ! 我は心が広いからな!」
二人のやり取りに半ば呆れる一同。
「また一段と扱いが慣れてきてんな…… やっぱ油断ならねー女だ」
「ふふ、流石リリィさんですね!」
「初対面の方がいますね。 私はリリィ・カートレット。 この子はグーちゃん。 二人共、零番隊所属です! このまま加勢させていただきます!」
「! そうなんですか! よろしくお願いします! 霧島達也です!」
「カエラ・ミルスティンです! ご助力! 感謝致します!」
「! やはり貴方達が! ふふ、恭弥さん達から伺っています! よろしくお願いしますね」
「はい!」
「はい!」
更なる援軍が来て活気がみなぎっていたところ――
ズガアアアアアアアアアア!!!!!!
凄まじい瘴気を放ちながら、地の底から飛び上がってきた『災厄』!
だが『災厄』が巨大化して、これが始めて入ったまともなダメージであった!
それなりの傷を浴びせる事に成功したリリィとグライプス!
だがそれも既に再生済みであった!
「そうか! 貴様が例の神獣とそのパートナーか! 我に傷を負わせるとは…… どうやら報告に上がっていた以上の強さの様だな」
「面白くなってきた…… 折角、我がこの様な姿にまでなったのにすぐにケリがついても興ざめだからな」
「精々、我を楽しませてみせろ!」
「ほう。 リリィの全力の霊弾を浴びてその程度の傷とは――」
「話には聞いてはいましたが想像以上の硬さと再生能力ですね」
「その様だな」
今のリリィのレベル…… 本気の一撃は貫通力だけなら戦艦の霊子砲の三倍近くの破壊力がある筈……
それでこの程度の傷とは……
これは骨が折れそうだな。 だがっ!!!
「ふっ! 誰に向かって吠えている! 千年以上にも渡って散々天界で舐めた動きをしてくれたみたいだが――」
「天界は我の庭も同然! それに我の創造主の姉君の借りも含めて! その罪は万死に値する!」
「それら諸々の借り! 我が今! ここで! まとめて返してくれるわ!」
「ぐの丸! 奴は本当に底が知れねえぞ!」
「そうです! グーちゃん! ここは皆で協力しましょう!」
「ふん! わかっておるわ!」
「だったら我が奴をバラバラにする前に知恵を絞るのだな! シリウスよ!」
「これ程の面子が揃っているのだ! 精々、我等を上手く活用してみよ!」
「ぐの丸……」
グライプス…… リリィ……
彼等だけではない。
その他のメンバーも全員!
黒崎に視線と共に、その信頼を送る!
「へっ…… やれやれ…… ほんっと買いかぶってくれるというか、無茶ぶりしてくれるというか……」
「九十年前にくたばって暫くしてから人間に生まれ変わったかと思えば、ガキンチョ庇ってあっさりおっ死んで――」
「かと思えば天界なんてものが存在して、遠路はるばるこんなとこまで来て解決業務までやらされて――」
「昔の記憶がもどったと思ったら、更にこき使ってくれやがって――」
「そして気付けばあの世もこの世も存続の危機ときたもんだ――」
「面倒くせえ事この上ねえが…… ここまで来たんだ! 依頼を途中で放棄するのも、解決屋としての俺のポリシーに反するしな!」
「まさかあの世に来てまでこんな仕事をするはめになるとはね…… まあいい!」
「こうなりゃとことんやってやらあ!」
「そんかわし! テメーらもこき使いまくってやるからな! 覚悟しとけ!」
「いくぞ! テメーら! どんな手を使ってでも! ここで奴をぶっ潰すぞ!!!!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます