第95話 剣神VS雷帝! 勝つのはどっちだ!!

「はああああああああ!」

「はああああああああ!」


 ガキイイイインという金属音と共に、両雄の刃が激しく激突する!


 あまりに激しい衝撃で発生したその風圧は地面と周辺のまだ残っている岩山をも形を変える!



「やるね♪」

「お前もな!」


 互いの初太刀の後、、互角の鍔迫り合いつばぜりあいを経て、お互いに一歩下がる剣神と雷帝!


 そして、間髪入れずにお互いの隙を伺いながら、超スピードで並走しながら、一撃必殺級の破壊力を帯びた剣撃を無数に高速で繰り出し合う!



「はああああああああ!」

「あああああああああ!」



 スピードでも、互いに譲らぬ両雄!


 そんな中、一瞬の隙を見つけレオンバルトが横薙ぎの一撃を仕掛ける!


 それを飛んで、縦に回転しながら躱しつつ、空中から後ろへ回りながら縦回転を利用しての一撃をレオンバルトの背中に繰り出そうとするリーズレット!



 ! 振り返ってたら間に合わねえ!


 レオンバルトはそのまま前方に思いっきり踏み込み、飛び出す事によってリーズレットの一撃を躱しつつ、距離をとる!


 最初の飛び出しで距離をとり、着地時に、更にもう一歩! 踏み込み距離をとるレオンバルト!


 一撃を躱されたリーズレットは、着地してすぐにレオンバルトに追い込みをかける!


 それを迎え撃つかの様に振り向き様に高速で斧槍を振り、カウンターで斬撃を飛ばすレオンバルト!


 真空の刃がリーズレットに迫る!


 だがリーズレットは意にも介さず一振りで斬撃を振り払う!


 そのまま構わず突っ込むリーズレット!


 相手を正面に構え、待ち構えるレオンバルトは、またも横薙ぎの一撃を繰り出す!


 その一撃は、リーズレットの胴体を真っ二つにした!


 ……かの様に見えたそれは、リーズレットの超スピードが起こした残像であった!


 その残像に隠れて、後ろから時間差でレオンの半径五メートルの距離で一旦止まり、そのままレオンの周りを円を描く様に走り回り、スピードで翻弄しようとするリーズレット!


 更にギアを上げ、周辺に彼女の残像体が次々と発生していく!



「! この技は……」


 十二…… いや、十七体か…… かなりの速さだ……



「極神流一刀術……」




「疾風閃嵐撃!」



 全ての残像体から無数の闘気を帯びた斬撃が、包囲したレオンバルトへと襲い掛かる!



「ふん!」


 素早く上空へ飛び上がり、全ての斬撃を躱すレオンバルト!


 だが避ける方向を予測していたリーズレットは、残像体と共に今度は上空のレオンへ向けて斬撃を再度飛ばす!


 身動きが上手くとれない空中に躱した所を狙う…… まあ、そうくるよな!



「おおおおおらああああああ!」


 躱すのは難易度が高いととったレオンバルトは闘気を纏い、自身の身体を竜巻の様に高速回転させながら、何とリーズレットの斬撃を全て弾き飛ばす!


 だが! それすら予測し殺気を消した状態で彼の背後にまわり、上段からの真向斬りを仕掛けるリーズレット!





あめえ!」



 しかし、レオンバルトは更に読み、背後にいるリーズレットの腹部を思いっきり蹴り飛ばす!



「ぐっ!」


 凄まじい勢いで、地に叩きつけられるリーズレット!


「おっと! まだだぜ!」


 着地待たずにそのまま斬撃を飛ばすレオンバルト!


「ちっ!」


 間一髪! それを上空へ飛び。躱すリーズレット!


 だがレオンバルトの追撃はまだ終わらない!


 着地後、彼は斧槍を両手でしっかりと強く握り、その先端を彼女に向ける!



「くらいな!」


 斧槍の先端から強力なエネルギー砲が発射される!


 今度はリーズレットが空中で回避不能の状況に陥っている!


 迫るエネルギー砲!


 回避できないなら迎撃するのみ!


 リーズレットは刀を鞘に納める!



「はあああああああああああああああ!」



 エネルギー砲に対して、神速の抜刀術をぶつけるリーズレット!


 その斬撃は、エネルギー砲を真っ二つにして尚、勢い止まらずにそのままレオンバルトへと襲い掛かる!


「! うおおっと!」


 身をずらし、間一髪躱すレオンバルト!


 地面には大きな斬撃痕が残される!


「っぶねえなあ! マジかよ! おい!」


 目線をリーズレットに再びもどしたレオンバルト。


 着地したリーズレットは既に次の動きに入っていた!


「我が血に眠る閻魔の力よ…… その猛き獄炎、我が一刀に宿りたまえ!」


 左手を刀に添える様にして、呪文の詠唱を始めるリーズレット!


 閻魔の炎の闘気が、彼女の刀に纏われる!


 次の瞬間!


 リーズレットの姿が一瞬、レオンバルトの視界から消える!


 それと同時に、レオンバルトの前まで一気に距離を詰め、渾身の袈裟斬りを振り下ろすリーズレット!

 


閻獄一刀えんごくいっとう!」



 ! 受けたらやべえ!



 受けるのではなく、受け流し、彼女の一撃を地面に反らすレオンバルト!


 凄まじい轟音と衝撃と共に、地面は底の見えない斬撃痕が残される!


「! メチャクチャしやがる!」


 距離が近すぎて斧槍の一撃が振るえないレオンバルトは彼女の顔を右手で鷲掴みにして思いっきりリーズレットを地面に叩きつける!


 クレーターの様な大きな跡が地面にできる程の衝撃だ!



「~~っ! いったいなあ~!」


 やられたらやり返す!


 仕返しと言わんばかりに、今度はリーズレットがレオンバルトの顔を掴み、同様に地面に叩きつける!


 そして同じ様に地面が抉れていく!


「! ~~! こっちの台詞だ!」


 同じくまた投げ飛ばすレオンバルト!


「~!っ 女性の顔をそんな風に掴む漢は…… モテないよ!」


 再度やり返すリーズレット!


「~!っ 余計なお世話だ!」


 キリがないと判断したのかレオンバルトは地面ではなく、離れた岩山にリーズレットを投げ飛ばす!


 岩山に叩きつけられるリーズレット!



 崩れ落ちる岩山……


 そんな中、土埃の中で不自然な形で揺れ動く崩れた岩山の一部……



「ん?」


 次の瞬間!


 なんとその岩山がレオンバルトの方へと超スピードで飛んで向かってくる!



「ったく…… お転婆すぎだろ!」



「おらあああああ!」


 飛んでくる岩山を、斧槍で粉々に砕くレオンバルト!



「剣神よお…… 岩山は投げる物ではねえぞ!」


「お前さんこそ、もうちっと、おしとやかにしとかねえとモテねえぞ!」


「そっちこそ余計なお世話だよ♪」


 土埃の中、埃を払い、乱れた銀髪をかき分けながら狂気じみた笑みをうかべるリーズレット。


「~~! たまんないねえ! すっっっっごく楽しいよ♪」


「こんなに暴れられるのは、久し振りだ♪」


「ふっ! そりゃあ何よりだ!」


 レオンバルトも同様の表情をうかべている。


「どうした! 剣神! 遠慮しねえで、もっと思いっきり来いよ!」


「ふふ♪ 勿論そのつもりさ♪」


「身体もあったまってきたし、準備運動はこれ位でいいよね♪」



「そろそろ本格的にろうか♪」


「そうこなくちゃな!」



 両雄、再び構えをとり、気を高め合う……



「はあああああああああ!」

「はあああああああああ!」




「やああああああああああ!」

「はああああああああああ!」



 そして再び両雄の刃は激突する!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る