第六章 対策!準備!そして潜入!
第28話 翌朝、そして
激動の一日が終わり、翌朝。
夜遅くに寝た黒崎達だったが、七時までに前原さんと合流する為、そして昨日シャワーを浴びなかったので、朝起きてシャワーを浴びる事になった黒崎と霧島。
他の死神達も昨夜の処理に追われ、朝シャンで済まそうとシャワー室が混み合うと霧島は予想していた。
案の定そうだったわけだが……
その事を考慮して五時前に起床する事になり、正直ほとんど疲れがとれていない黒崎と霧島。
睡眠…… というか、ほぼ仮眠しかとれなかった二人だが、それは他の死神達も同様だった。
だが、今日もやらなければならない事は沢山ある。
黒崎達は準備を整え、事務所の車を借りて、前原さんの待つホテルへと向かった。
ちなみに運転は霧島がしている。
しばらく車を走らせた後、ホテルに到着して、受付を通して前原さんがロビーへ降りてくるのを待つ二人。
一〇分かからなかった位か。 前原さんがおりてきた。
「黒崎さん、霧島さん! おはようございます」
「おはようございます。 前原さん」
「おはよう。 前原さん。 今日はすまないな。 本当に」
「ええ。 本当にこんなに慌ただしくなってしまって申し訳ありません!」
「いえいえ、そんな! こちらは全然大丈夫ですよ。 霧島さんから軽く話は伺いましたがお二人共、昨日は本当に大変だったみたいですね。 黒崎さんも。 ご無事で何よりです」
「ええ、まあ」
「ありがとな、前原さん。 ったく、本当に盛りだくさんな濃い一日だったよ」
「もしあれでしたら、お二人とも忙しいと思いますので場所さえ教えていただければ、引継ぎの天使さんのいる場所へ自分一人で行こうかとも霧島さんとも話したのですが」
「もしくは通信で直接天使さんと引き継いでもらってここまで、その方々に来ていただくとか」
「いえいえ! 流石にそこまで甘えるわけにはいきませんから!」
「ああ。 受けた仕事は最後までが俺の流儀でもあるからな。 つれない事言わないで最後までお供させてくれよ。 前原さん」
「ええ。 そう言っていただけると幸いです」
「それに後者はともかく、場所をおしえてもらったり地図を渡されるなりしても、車の類がないとかなりきついぜ。 ここからまた三〇分位かかるからな」
「そうなんですか。 それは老体には厳しいですねえ」
「ええ。 ですので僕達と引継ぎ場所までドライブと行きましょう!」
「はは。 ではお言葉に甘えてよろしくお願いします。 お二人共」
こうして三人はホテルを出て、引継ぎ場所である施設へと車を走らせるのであった。
走行中、嫌でも目に着く目立つ建物が視界に入ってくる。
「あれだろ。 霧島。 例の要塞ってのは」
「ええ。 あれがグランゼウス要塞です」
「要塞! はあ~! 大きいですねえ! 私、要塞なんて初めて見ましたよ!」
子供の様にはしゃぐ前原。
「まあ、普通は見た事ねえよな」
「ここは天界だから元軍人とかだったら、生前似た様なもの見た事あるかもだけど」
「まあ、そういう方もいますけどね。 最も下界のそれとは色々な意味で比較にもなりませんけど」
「とりあえず、招集時間までにやる事全てやってしまいましょう。 黒崎さん」
「ああ。 そうだな。 前原さん。 しばらく物騒だから、なるべく夜間の外出は控えてくれな。 大分アグレッシブに好奇心旺盛で動き回りそうだからさ」
「はは! わかりました。 色々観光したいところですが、しばらくは控えておきます!」
「よろしく頼むぜ。 昨日の話じゃないが、色々片付いたら今度一杯飲みに行こうぜ」
「その時は僕も同席させてもらいますよ」
「ええ! ぜひぜひ!」
こうして雑談を交えながら、霧島達は車を走らせていくと引継ぎ場所の施設のビルへと着くのだった。
「―― では、後の事はよろしくお願いします」
「ええ。 任されました」
「ご苦労様でした」
引き継ぎを済ます霧島。
どうやら二人の天使が前原さんを引き継いで天国へ案内してくれるみたいだ。
「ご苦労様です」
「では、前原さん。 勿論しばらくは忙しくなりそうなので、頻繁にはちょっと無理ですけど、今後もなるべく様子を見に来ますから、何かあればいつでもご連絡下さい」
「じゃあな。 前原さん」
「ええ。 ありがとうございます。 お二人共。 大変だとは思いますが、あまり無茶しすぎないで下さいね。 それでは失礼します」
こうして黒崎と霧島は、天使達に前原を任せて別れるのであった。
「それでは僕達も次、行きましょうか」
「ああ。カエラのいる京子さんとこの施設だな」
「ええ。 行きましょう。 京子さん達のいる第七十八番治療院へ」
そして霧島達は次の目的地へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます