第18話

「「「失礼します。」」」


 室内には、お父様とお母様、国王夫妻がいらっしゃいました。


「「シャーリー!!」」


「っ、」


 国王陛下の御前にも関わらず、不敬も不作法もかなぐり捨てて、お父様とお母様が勢いよく抱きついてきました。

 うぅー、く、苦しいです………。


「侯爵、夫人、シャーリーが潰れてしまいます。」


「あぁ、すみません殿下、あれだけもがき苦しんでいるのを見たのは初めてでしたので、どうしてもはやる気持ちを抑えられず………。」


「………ごめんなさい。お父様、お母様。私はもう大丈夫です。少し、精神的に不安定になってしまっていたようです。」


 やっと離してもらえた私は、微笑みを浮かべて安心させるように言いました。ここまで心配させてしまうなんて、私は親不孝な娘です。


「今日はしっかりと休みましょう。そうだ、お茶なんてどう?気分が紛れるわ!!」


「いいえ、今日もお仕事に行きます。ニックの許可も得ていますし、彼と一緒に禁書庫に行こうと思います。」


 お母様はニックの方に視線を向けました。


「………すまない、夫人。負けた………。」


 またもやなんの勝ち負けなのか分からない勝負の負けを宣言したニックに、お母様は思いっきり溜め息をつきました。


「この子はそこそこおねだり上手です。そんなことでは、手のひらの上でコロンコロン転がされますわよ。」


「うっ、肝に銘じておきます。」


「そうしてください。」


 なにか失礼なことを言われた気がしますが、無視です無視。ここで相手をしては負けな気がします。いえ、勝ち負けとかはないんですけれど………。


「それでは、急がなければシャーロット嬢が遅刻してしまうな。食事にしよう。」


 国王陛下のお言葉に、皆が疲れたように頷きました。私がお仕事に行こうとするのはそんなに想定外の出来事だったのでしょうか?私としては、私の性格上なんら突飛な出来事ではないかと思うのですが………。


「シャーリーはどんなことについて読んでみたいんだい?」


「聖属性魔法についてかな。あぁ、あと、古代遺跡から出土される魔道具などについても読んでみたいわ!!知りたいこと、見てみたいことがいっぱいなの!!」


 思わず満面の笑みを浮かべた私に、ニックは頬を赤く染めました。

 私、何かしましたか?


 食事がつつがなく終わった後、皆それぞれ自分の仕事場に向けて足を進めました。お父様とお母様を筆頭として食事中皆がずっと心配してくるので、朝食は居心地の悪さ満載の空間となってしまいました。


「楽しそうだね、シャーリー。」


「うん、楽しみなのっ!!」


 反応がちょっと幼くなってしまったことに恥ずかしくなりながらも、私はこれからの読書三昧に思いを馳せ、うっとりと頬を緩めました。だってだって、見たことのない書物を紐解けるのですわよ!?本好きにとって、これ以上にない至福です。


「お、ローゼンベルクじゃないか。死にかけたって聞いたから心配してたけれど、こんな様子だったらデマだったみたいだな。」


 図書館の前で出会った先輩が、顎に手を当ててふむふむと私を観察してきました。分かってはいたことですが、彼ってつくづく失礼ですわよね。


「………死にかけて弱っているのにも関わらず、仕事に行きたいとうるっと強請られて落ちた………。」


「あぁー………、ご愁傷様で、殿下。」


「もっと労って………。」


 バシバシと先輩に背中を叩かれたニックは、とほほ………と聞こえそうなほどにがっくりしました。


「ま、事情はあらかた分かりました。では、禁書庫に行きましょうか。」


「君の中でも今日は金書庫決定なんだね………。」


 ニックの疲れたような言葉に、先輩はカラッとした清々しい笑みを浮かべました。見事なまでの罪悪感のなさです。


「先輩もそう言ってることだし、早く行きましょう、ニック。」


「あぁ、そうだな。もう僕は色々と諦めるよ。」


 ニックは立ち止まった状態で、肩をすくめて溜め息をつきました。今もなお手を繋いでいることもあり、ぐいぐいと引っ張ってみますが、一向に動こうとするような気配が見られません。


「俺、ローゼンベルクにまんまと踊らされてる殿下がなんか不憫に思えてきましたよ。」


「…………なら、君は僕のことをこき使わないでくれるかな?」


「それは無理なお願いですね。俺、本のためならなんでもするタチの人間なんで!!」


「うわぁー………、シャーリー2号発見……………。」


 ニックは失礼なことを言った後、私の手を握る力を強めました。殴られるの防止でしょうか?それなら関節技の方が良さそうですわね。


「悪いのですが殿下、コレとは一緒にしないでください。いくらなんでも、こんなに世間知らずのお花畑ちゃんではありませんし、常識知らずの型破りでもございません。俺は、ちょっと剣の扱いに心得のある、凡人です。」


「歴代最高とまで言われる桁外れの強さを持つ規格外な聖騎士パラディン様が何言ってんの…………?」


 ニックは異常なまでに真面目な表情で首を傾げました。


「ふふふ、あはははは、ふふ、面白っ、我慢、ふふふ、できない、あはははっははははっはは!!」


「正真正銘の俺よりも圧倒的な規格外を誇るお前がなんで爆笑してんだ。」


「いや、こんなに面白いことなんてなかなかありませんもの。だってだって、いっつも老害相手に一歩も引かずに意見を述べるニックが、こんなに困り果ててるんですよ?笑わずにいてどうしろというのですか!!」


 またまた失礼なことをおっしゃる先輩に向けて、私は爆笑の理由を述べました。本当に笑いすぎてお腹が痛いです。じゃあ笑わなければいいって?それは無理なお話ですわね。だって面白いんですもの。


「シャーリー、君いくらなんでもそれは言い過ぎなんじゃない?」


 胸元を押さえた彼は、涙ながらに呟きました。美形はいいですわよね。男でも泣いてもちゃんと絵になるのですから。私みたいに、きつい顔立ちじゃないのが本当に羨ましいです。


「シャーリーはいつでも月の精霊、いや、女神の如く綺麗で、愛玩動物のように愛らしいよ。」


「それっていっつも思うのだけれど、褒められているのかしら?」


「え?それ以外に何があるっているの?」


「新手の嫌がらせ?」


 お馬鹿サイテークソ野郎のせいで私は自分がどう見られているのかなんて、全くもって分かりません。ただ、わかることといえば、目つきがきついことと、髪や瞳の色合いが冷たくて冷酷な印象を与えるくらいなものです。


「えっと…………。」


「シャーリーはお馬鹿でサイテーなドクズの僕の従兄弟にして元婚約者せいで、自分の容姿の価値が全然分かっていないし、自信もないだ。それどころか、悪印象を与えると思っている。」


「それは、…………なんというか気苦労が絶えないですね。ご愁傷様です。」


 2人が私を放って異世界のお話をしているのを見て、私はとりあえず無言を貫くことにしました。こういう時に口を挟むとろくな目に会いません。


「最近は害虫退治が大変になってしまってね…………。」


「あぁー、婚約破棄騒動の最中に見た目麗しい本当の容姿を見せたっていうアレのせいですか?」


「うん、アレのせいもあるけれど、1番はローゼんベルクの才姫だっていうことが大きいかな。婚約破棄もあって彼女は絶賛フリーだからね。」


 ニックは疲れたように呟きましたが、『ローゼンベルクの才姫』っていう大層なお名前をお持ちなのは誰でしょうか?まさか私だなんて突拍子もないことなんて言いませんよね?


「勤め始めてまだ2日ですが、仕事場でも下心満載に見ている輩がいるので、俺が教育係についてるんですけど、それらの輩はもしかしなくても潰していいんですかね?」


「あぁ、頼むよ。君ならば簡単だろう?」


「言質をとって書面にさせます。」


 どうしてでしょうか、笑顔で話しているのに、どす黒いオーラが見えて鳥肌が立ちます。ぶるぶるって。


「頼もしい限りだ。僕はね、どうしても手に入れたいんだ。だからもう取られないように、今度は先手を指しておかないとね。」


 にっこりと微笑んだ綺麗な笑顔のニックに、私は柄にもなく見事に見惚れてしまいました。うぅ、最近ニックも変ですが、十分私も挙動不審です。気づかれていませんように。


「そろそろローゼンベルクが焦れてきたようなので、金書庫に向かいましょう。」


「そうだね。つまらない話をして悪かったね、シャーリー。」


「そうよ!!私が分かんないことばっかりお話しするし、1人だけ蚊帳の外で仲間はずれなんて酷いわ!!」


 そう言ってほっぺを膨らませたまま横を向くと、2人は苦笑して困ったような表情をしました。私、こういうのは苦手なのですが………。


「うん、僕は徹底して君の敵を排除しすぎたようだね。」


「?」


 敵?私に敵がいたのでしょうか?さっきの虫といい敵といい、何のことを喩えているのでしょうか?


「ローゼンベルク、世の中知らない方が幸せなことも沢山ある。さっきの会話は忘れろ。」


「?」


 やっぱり私は蚊帳の外というわけですか。


 禁書庫といっても、その内装はさして図書館と変わりませんでした。いや、変わらなすぎてびっくりしてガッカリはしましたけれど!?


「シャーリー、一体君は禁書庫がどんなところだと思っていたんだい?」


「もっと、えっと、そのー、………おどろおどろしいところ?」


 私は必死に語彙力を総動員させて最も近い言葉であろう言葉を選択してみましたが、なんか違うのですよね………。


「あぁー、なるほどね。確かに僕も小さい頃はそんな感じなんじゃないかって思ってたよ。なんか髑髏ドクロがあったり、紫や緑の液体があったり、ネズミの死体があったりとか。」


「殿下、それは物語に出てくる魔女の棲家ではありませんか?」


「そうかもねー、」


 私は先輩の言葉に苦笑しました。確かニックは小さい頃、アルお兄様と同じで冒険譚などのファンタジックな本を好んで読んでいたはずですから、その発想はそこからきているのかもしれませんね。


「先輩は初めて来た時どうだったのですか?」


「ん?静かでいいなーって。」


 私は先輩らしい返答にくすりと笑いました。


「確かに人が少ないので、普段から静かな図書館よりも圧倒的に静かですね。読書に最適です。」


「あぁー、数人で来るといいけれど、1人でくると不気味に感じるよ?」


 ニックは私の言葉に、身震いしました。1人で来た時に何かあったのでしょうか?まぁなかったらこんな反応しませんよね。


「俺は好きですよ?」


「えぇー、物好きだねー。ここってお化けが出そうじゃない?」


「!?」


 私は自分の顔から血の気が引いていくのを感じました。お化け………、私がこの世で1番嫌いな存在です。だって怖いじゃないですか!!


「えー、もしかしなくてもローゼンベルク怖いのー。」


「ひぃっ!!」


 私は半泣き半べそで先輩とニックを睨みつけました。


「ニック、あなた私がお化けが嫌いだって知っているのにどうしてあんなこと言ったの!?」


「まだ治ってなかったんだね、お化け嫌い。っていうか、怖がり。」


「うっ、だってだって!!」


 ニックは人並みにお化けのことを怖がりますが、私を見ていると安心するそうで、心霊なんちゃらとか、お化けスポットとかいうところには必ず私を連れて行くのです。だからからか、私はお化けが大の苦手なのです。


「今日は聖騎士パラディンがいるんだし、何かあっても大丈夫だよ!!」


「え、俺は護衛要員ですか?」


「うん、そうだよ。」


 涙目でプルプル震える子犬のようになってしまった私を、ニックは片腕でひょいっと抱き上げてお尻をその上に乗せさせ、もう片方の腕で身体を支えながら、優しげに微笑んで頷きました。ニックは細身ですが、そこそこ鍛えているので力持ちです。


「シャーリー、大丈夫だから。ここにはお化けなんていないし、いたとしても、本を破ったりするとか罰当たりじゃないと出てこないから。」


「出てこない?」


「あぁ、出ないよ。出たとしても聖騎士パラディンが身を張って守ってくれるって!!」


 先輩が引き攣った笑みを浮かべて『お2人が倒せないものは俺にも倒せませんよ。』と言っていたのは無視します。というか、私はお化けと戦うなんて無理です。怖いです。死にます。というか、戦う前に気を失うと思います。


「シャーリーは本当に、こういう時はとことん甘えてくるよね。」


「………ニックだけだもん。」


「え?」


 ニックは不思議そうに首を傾げました。


「こういう風に甘えられるのは、………ニックだけだもん!!絶対お父様はきっつい訓練内容を増やしてくるし、お母様にはころころ笑われるだろうし、アルお兄様には馬鹿にされるもん!!」


 切実にいうと、ニックは顔を、というか首まで真っ赤に染めました。急なお熱でしょうか?それなら休んでもらいませんと!!


「ニック、体調悪いの?」


「いや、大丈夫。うん、シャーリーが可愛いだけだから。うん、可愛い、可愛いは正義、うん、うん、うん………。」


「?」


 よく分からないことを譫言のように早口で言った彼に、私はこてんと首を傾げました。最近彼のことが理解不能です。まぁでも、体調が悪いってわけではなさそうですね。


「これで気づかないとかお前の鈍感さはどっからきてんだ?」


「どんかん?」


 どんかんとはなんのことでしょうか?私の知らない単語です。というか、先輩は早く本が読みたくないのでしょうか?私はお化けさえなければうずうずして仕方がありませんのに!!


「ニック、ニックはここの本棚についてどのくらい知っているの?」


「ん?簡単な案内くらいならできるよ。」


 私の背中につーっと人差し指を這わせたニックは、びくりと身体を揺らした私にご機嫌そうに笑いかけた後、どこに行きたい?と視線で問いかけてきました。


「じゃあ、聖属性魔法についての文献の棚に行きたい。」


「じゃあ聖騎士パラディン君、うちのお姫様のお望みのところについてきてくれるかな?」


「………承知いたしました。」


 先輩は苦笑いしたあと、なんの迷いもなくすいすい歩くニックの後に続きました。


「ローゼンベルク、お前その格好恥ずかしくないのか?」


「………………………恥ずかしいと思うから恥ずかしいのよ。」


 私の恥ずかしさを堪えた必死の返答に、先輩は苦笑いをして曖昧に頷きました。もっと分かりにくい反応をして欲しいものですね!!


「シャーリーのことは小さい頃からよく抱き上げてるけれど、分かりやすく恥ずかしがってはくれないんだよね………。あぁ、ちょっと前のお姫様抱っこは赤くなってくれたよ?」


「ローゼンベルク、お前流石に王太子殿下のことが可哀想に思えてくるぞ?」


「? 何故ニックが可哀想なのでしょうか?私には理解しかねます。」


 私はニックの腕の上から先輩を見下ろしながら言いました。ニックの腕の上からだと先輩がちっちゃく見えますわね。いい眺めです。


「なんかお前に見下ろされるのムカつく。」


「そうですか。というか、はぐらかさないでくれます?」


「王太子殿下が、成功したら教えてやるよ。」


「ニックが何を成功させるのですか?」


 私は首を傾げると、ニックはむすっとした表情をしました。え、何に怒っているのですか?怒る要素がどこにあったのですか?


「殿下、ローゼンベルクが困ってますよ。」


「え、あ、」


「ニック、教えて?」


「うぐぐっ、だ、だめ。」


 珍しく陥落してくれない彼に、私はむぅっと唇を尖らせました。教えてくれたっていいと思いますのに、なんで教えてくれないのでしょうか。

 こんなに頑ななニックは私の10歳の誕生日プレゼントを聞いた時以来です。


「ニックの意地悪。」


 顰めっ面をすると、ニックは泣きそうな表情をしました。言いすぎたようです。


「……………ごめんニック。言いすぎた。教えられるようになったら教えて。」


「うん、ごめんね、シャーリー。ちゃんと堕とすから。」


 ものすごくいい笑顔に、私の背筋に冷たいものが伝いました。なんでしょうか、この感覚は。なんというか、命の危機を感じました。本能が逃げろと言ったのです。


「シャーリー?」


「な、なんでもない。」


 えぇ、なんでもありませんわ。さっきの感覚はきっと、そう、きっと感じ間違いですわ。だから気にする必要なんてありませんわ。


「ニック、本棚にはまだ到着しないの?」


 話を転換した私は、15の本棚を超えて歩いているのにも関わらず到着しない状況に、文句を言いました。


「もすぐだよ、それともこのまま走ってあげようか?」


「無駄な労力の消費になるわ。それに、私は何故抱き上げられているの?」


「ん?気が向いたから。」


 気が向いたからという単純明快に感じるにも関わらず、よく分からない理由で抱き上げられている私は、先輩からの生優しい視線も相まって、ちょっと複雑な気分になりました。


「気が向いたから降ろしてね?」


「ん、気が向いたらね。」


 あぁ、これは降ろすつもりなんてないなと分かっても、私にはどうすることもできません。だってもう捕まっていますもの。私は読書中も膝の上に座らせるのでしょうか。


「………イチャイチャは他所でやってくれよ。」


聖騎士パラディン王家から婚約者を紹介してあげようか?」


「いえ、結構です。俺、女嫌いなんで。」


「残念。」


 全くもって残念に思っていなさそうなニックに、私は冷めた目を向けました。口外に嘘つきと告げれば、いいじゃんいいじゃんと返されました。


「目線だけで会話するのやめてくれません?仲間はずれで悲しいんで。」


「私の味わった寂しさを、しっかりと味わえばいいですわ!!」


 これ見よがしに高笑いを浮かべながらいうと、妙に迫力があるなと冷めた風に返されました。………思っていた反応と違います。もうちょっとは、あとちょっとは突っ込んでくださると思いましたのに。というか、ニックまで生やさしい視線をしてません!?

 私、ガッツリとしょげますよ?無視しますよ?


「ほらほらお姫様、到着ですよー!!」


「お姫様じゃないわ!!」


「はいはい。」


 適当なニックの返答に、私は眉を顰めました。


「そんなこと言ってたら、お膝の上に乗ってあげないわよ。」


「えっ!!」


 ニックは顔から血の気をひいてあたふたと慌て始めました。


「落とさないでね?」


「あ、はい。」


 最近転がされてばかりですので、転がすことができてちょっとだけ、ほんのちょっとだけ嬉しかったです。やっぱり、彼が慌てる姿は見ていて楽しいですし、可愛いです。


「ここだよ。」


「ん、ありがとう。椅子に座ってて。好きな本、選んでくるから。」


「分かった。………お膝の上に乗ってくれるよね?」


「ふふふ、どうだろうね?」


 発作が起きやすく不安定な状態の彼を揶揄うのはあんまりよろしくありませんが、ちょっとだけなら構いませんよね?


「そういえば、ローゼンベルクの命が危機に陥るほどの発作ってなんなんだ?昨日言っていたようなら、お前は発作持ちじゃないんだろう?」


 私はにっこり微笑みを浮かべて、唇に指を添えました。


「さぁ、なんでしょうね?」

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