第2話 葵屋のうどん
斎藤「ったく。これやるからその辺で昼飯でも食ってこいバカ」
暁子「アタシはバカではないです」
斎藤「じゃあ俺が今どんな仕事をしているかわかるか?」
暁子「て、てんしゅつと・・・と・・・」
斎藤「はいバカ。うどんでも食って腹満たしてろ」
暁子「ちくしょーっアタシがバカじゃないことをいつか絶対みせしめてやる」
斎藤(その時点でバカなんだよなあ)
斎藤に追い出された暁子は、沖田からもほっぽり出されたことをなげくひまもなく
うどん屋へ向かった。
葵屋のうどんは、池田屋周辺では絶品らしい。
暁子(一体どんな味なんだろう)
手のひらの中にあるみたこともない大金(うどん一杯ぶんの金)を持ち、
暁子は葵屋に向かった。
そこには女装をした男子が、精を出してうどんを作っていた。
女装家が経営するうどん屋というわけだ。
もちろん暁子にはそれがわかるわけもなく。
暁子「かわいい女の子だね。うどんを一杯くれないか」
うどん屋の少年の心をひとつかみしていくたらしが誕生した。
明治のカリスマの誕生だ。
いわゆる、逆ナンというやつだろうか。
葵屋の葵は、うどん屋では一、弐を争う美男子女装家だ。
暁子に心を奪われてから、
暁子にアタックするように精を出すようになったが、
暁子にはまだまだ伝わらない。
葵屋の葵には、ツッパリ専門の女装家「錦」という女装家がいるが、
金髪ロングヘアの花魁もやっており、
明治一番のライバルだ。
暁子はその錦にも目をつけられており、葵はライバル心を燃やしているというわけだ。
そんな葵屋とのはちゃめちゃな出会いから数日後。
斎藤から、「暁子、三条塾の及川には気をつけろ」
とのお達しを受けた。
三条塾の警備に当たり始めた暁子は、年齢も年齢なのでそこで
塾の子たちと一緒に勉強を始めたのだ。
新撰組からの寄付で。
及川の様子を一緒にみている暁子を疑いはじめた塾生徒も現れ始めた。
その名は貴族の息子「門前晴太郎」。
塾のみんなからは晴太(はれた)と呼ばれている。
沖田「斎藤さん、及川さんに気をつけろとはどういう意味ですか?」
斎藤「・・・。あの大会の「警備漏れ「生 き 残 り」」の一人かもしれないんだ」
沖田「ということは今年も刀を狙う恐れがありますね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます