作者
線香花火
設定
ある晴れた日の・・・夜。
「やぁ、聞こえるかい?」
コロナ禍で誰も歩いていない大通りを歩いていたら、急にこんな声が聞こえてきた。
「ん?びっくりさせちゃったかな?おーい、返事してくれー!」
「ひ、ひゃい!」
「? あっハッハッハ!面白いねーキミ!」
こ、こいつ…笑ってやがる
俺は少し恥ずかしくなった。
「誰だ?おまえ」
少し強気に出てみる。しかし、返ってきたのは、実に呑気な声だった。
「お、ちゃんと喋れるじゃないか。名前かい?えーっと、じゃあ、君たち風に、神様とでもよんでくれ。」
「か、神様!?神様がなんの用で・・・」
「ちょっと暇つぶしに漂っててね。いつの間にかここに来ていたから、暇つぶしに君と話そうと思って。」
コイツ・・・なんて暇人なんだ・・・ん?人じゃないから、暇神?
「で、話って?君からしたらちっぽけな存在である俺に、なんかすごい知識でもくれるのでしょうかね?」
思いっきり皮肉っぽく話しかけでみる。でも、また呑気な声が返ってきただけだった。
「んとね、ちょっと自分の作った星の自慢話をしようかと。」
どっちかって言うと、今の言葉のほうが、俺の言った言葉よりも苛つく。自慢話って、自慢話って!その単語、ムカつく!!
「ふ~ん」
「じゃあ、どれから話そうかな〜。」
どこまでも興味のなさそうな声で言ったはずなのに、また呑気な声しか返ってこなかった。マジで呑気過ぎじゃね?この暇神。
「あのね、まずはその星のことを紹介してもらわないと、理解が進まないんだけど?」
「へ?あ、ごめんごめん!ついついうっかりしてた。 (*ノω・*)テヘ///」
(*ノω・*)テヘ、じゃねぇこの暇神。
あと恥ずかしがるなちょっとキモい。
「ボクの作った星は、惑星B−288アニモス。気軽にアニモスって呼んで。」
そこから暇神による長ったらしい説明が続いた。
要約するとこう。
アニモスは、この宇宙とは別の並行世界の太陽系の、地球の反対の方向に作った惑星とのことだ。5つの大陸と無数の島が海に点在している、地球のような環境らしい。
5つの大陸は、それぞれ
アルファルト大陸
オルファルト大陸
エルファン大陸
ヘレモスト大陸
極極大陸
となっている。それぞれの大陸で、世界観がまるで違うらしい。あまりにも長かったので、簡潔にまとめると、
アルファルト大陸→「剣と魔法」の世界
オルファルト大陸→「龍と妖精」の世界
エルファン大陸→「科学と技術」の世界
ヘレモスト大陸→「天使と悪魔」の世界
極極大陸→「氷と無」の世界
だ。正直、昨今のファンタジー小説の設定を全部詰め込んだように思えた。
「でね、ボクが主に話すのはアルファルト大陸だよ。」
訂正。完全にファンタジー要素だけだった。
「アルファルト大陸はね、この地球で言うところの、ユーラシア大陸みたいなものだよ。たくさんの種類の人型がいるんだ。」
はい説明省略〜。
ヒト、獣人、エルフ、ドワーフ、甲人、人魚、魔族。
はいファンタジー。
「この大陸には、五神柱と十英雄の神話があるんだ。」
この世界で伝説となった者達のことらしい。人間だけでなく、魔物も神や英雄になったそうだ。
「それじゃ、その15人の物語を話そうかな。」
・・・・・・・・。
「あのさ、」
「ん?」
「もう眠いんだけど?」
「へ?あ、ああ!ごめん!もう午前3時だね。明日大丈夫?」
「明日は休日だから大丈夫。」
「そっか、じゃあおやすみ。」
それっきり、暇神は話しかけてこなかった。俺は、真っ直ぐ家に帰り、支度をして寝た。
「おやすみ」
夜→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→朝
「・・・て・・・きて・・・・・・・・・起きて!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ッ!?・・・うるさいなあ、朝から大声出さないでよ。」
だれ!誰だ!?俺は一人暮らし!誰もいないはず・・・まさか不審者!?
「ふぅ、やっと起きた。さぁ、昨日の続きだ。」
・・・・・・・・・ヱ?誰この美少女?昨日の続き?昨日は仕事して家に帰って17時頃に外出してブラブラ歩いて・・・そしたら暇神が話しかけてきて・・・今思うと、17時から3時まで喋ってたのか。長っ!・・・・・・・・・・・・・・・って!
「うぇぇぇぇぇぇ!まさかお前、暇神か!?」
「む?暇神?」
あ、ヤッベ、間違って心のなかで呼んでたほうで呼んでしまった。
「お前、昨日話しかけてきた神様か?」
「うんうん。そうだよ。」
「お前・・・女だったのか?」
「へ?あー、いや、ボクに性別はないよ。」
「いや・・・その姿は完全にこの世界で言う美少女なのだが?」
説明すると、銀髪、整った顔、細い体、白いワンピース、背は小学生くらい。完全なる美少女である。
「この姿は、君が認識できるように実体化した姿なんだよ。」
「そ、そうか・・・」
「うん!じゃ、昨日の続きからね。」
くっ、昨日と変わらず呑気すぎる・・・ドキドキしたのがめちゃくちゃ悔しい。
「続き・・・続き・・・ええと、何だっけ?」
「おいっ!思い出せよ!五神柱と十英雄についてだったろ!」
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ。
大声を出した直後、唸るような音が響いた。
「そういえば、朝ごはんまだだったな。話はその後だ。」
「分かった〜」
ふぅ、やっとベッドから下りれる。
部屋を出た俺は、冷蔵庫の中を漁る。
「あ、昨日夕飯食べてなかった。仕方ない。作るか。」
日本人の朝ごはんの定番といえば・・・ご飯だろ!
幸い、ご飯は昨日のうちに炊いておいたから、すぐに食べられる。おかずは・・・
「あれ、生鮭がある。」
あ、そういえば、一昨日セールで売ってて買ってきたんだった。
「ちょうどいい。」
生鮭に塩をまぶし、味噌を塗る!
「あ、スープスープ。」
小鍋に水を入れて、コンロにセット!沸騰するまで放置。
「え、どこ行くの?僕のどこが悪かったの?ねぇ、あったのなら治すから、戻ってきてよ。ねぇ。」
「・・・あのさ、神様。アフレコ入れないでくれない?」
鍋がメンヘラになってるよ・・・。
「(*ノω・*)テヘ」
クッ、かわいい。
おっと、暇神の戯言を気にしている暇は俺には無かったんだった。
味噌を塗った鮭をフライパンに入れて焼く。蓋をして3分、終わったらひっくり返して、また蓋をする。3分経ったら、皿に上げる。
お、沸いてる沸いてる。味の元をてきとーに入れて、火を止める。
「よし、できた。」
ご飯を盛りつけてスープをよそって、並べて、
「いただきます。」
鮭はいい感じだ。・・・うん。味噌も効いている。スープは・・・うん。てきとーに入れた割には美味しい。
モグモグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。
「じーっ」
「・・・」
食べづらい。この暇神、ずーっとこっちを見てきて、よだれたれてるし。くっ、かわいい。
「・・・食べるか?」
「っ! うん!」
クソ、満面の笑みを浮かべやがって。
味噌鮭を与えると、美味しそうに食べた。
・・・・・・食べるか。
モグモグ・・・・・・・・・。
あ、ご飯なくなった。おかわりはしないし、余った味噌鮭は、スープにイン!味噌を溶かして即席みそ汁の完成!
ズズズ。うまい。
「じーっ」
「・・・さっき鮭少しあげただろ?」
まったく、
「ほらよ。」
みそ汁を一口だけあたえ・・・ガシッ。
ヱ?
ズズズズズズズズズズズ、。ゴックン。
「ぷはー。美味しかった。」
「あー!全部食いやがった!」
しかも物凄い音を立てて飲みやがった!我が家のマナー違反だ!
「もうないの?」
「お前のせいだろうが!ごちそうさま!」
全部片付けてしまうと、暇神と目があった。ウルウルだった。クッ、かわいい。
「昼飯のときはお前の分も作ってやる。」
「わーい(^o^)」
こんちくしょう。
「じゃあ、続きからね・・・」
ここからは、後に話そうと思う。
それから、俺と暇神の共同(?)生活が始まった。
彼女(???)は俺の暇があるときに、色々な話をしてくれた。偶に脱線して、違う人物が主人公になってたりもしたが、基本的に、全部面白かった。
俺は彼女(????)のごはんを作ったり、身の回りの世話をした。彼女(?????)が来てから、光熱費やらが何故か3倍にまで膨れ上がったので、仕方なくバイトを増やした。服がほしいって言われたときはまじで焦った。女の服なんて買ったことないし、買いに行ってくれるような都合のいい女もいない。基本的にボッチだし。
・・・・・・・・・かの・・・もう?つけんの疲れた。暇神でいいや。
俺の仕事多すぎじゃね!?なんで暇神の世話までせにゃならんのさ!?めんどくせーな!!!
そんな日々がかれこれ2年位続いた。
「・・・・・・はい、これでおしまい。どう?面白かったかな?」
「あぁ。面白かったよ。」
「そっか。 良かった。 これでつまらなかったとか言われたら、どうしようかと思ったよ。」
「・・・実はつまんなかった」
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
うるさっ!
「じ、冗談だよ。冗談だってば。」
「ゔぅ、ホント?」
「ホント。」
「えへへ。そっかそっか。じゃあそろそろ行くね。」
「どこに?」
「決まってるでしょ。アニモスにだよ。」
「あぁ、そうか、お前一応神様だったな。」
「むぅ~一応じゃなくて、本物の神様だよ!」
「はいはい。わかったよ。」
「ほんとにわかってるの?」
「あぁ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「それじゃ、ね。」
「あぁ。じゃあな。」
「うん。」
暇神は俺に背を向けて、窓に向かった。
「・・・またどこかであえるといいな。」
「・・・ヱ?」
一言呟いて、暇神は消えていった。
「あぁ、俺もそう思うよ。だから・・・」
また、いつか。
その日から一年たった今、俺はこうして小説を書いている。あいつが残していった、面白い話を書き留めておくために。本当は、書かないでいようかとも思ったんだが、何となく、この物語たちを俺だけが知っているというのが嫌だったから、書こうと思った次第だ。
俺の嘘も交えた超大作。とくとご覧あれ。
________________________
これが大設定です。フィクションです。虚構です。
とてつもなく稚拙な文章ですが、楽しく読んでいただけると幸いです。
これからゆっくりと書いていこうと思います。
よろしくです。
作者 線香花火 @enter
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます