第11話 オカルト版スレッドタイトル『前にS県のことでスレ立てしたやつだけど』より
オカルト版スレッドタイトル『前にS県のことでスレ立てしたやつだけど』より
久しぶり。
色々分かったことあるのと、前に言ってたU市のこととか書いていきたいからスレ立てした。
保守ありがとうお前ら。
まあ、ざっくり言えば死ぬ間際まで行ったんだけど、俺の住んでるとこで有名な霊媒師さんに祓ってもらえて今こうして書き込めてる。
っていっても完全には祓えなかったらしいから、俺はもう
とりあえずあの時の話からするか。
S県から持って帰ってきたものは、どうも動物霊だったらしいんだけど、お狐さんなんだってさ。
S県は
なんでかはよく知らん。稲荷神社が関係してそうな感じではあった。
で、あのスレでレス終わったあと、俺は意識を無くして家中のものを壊して、もう完全に意識をお狐さんに乗っ取られてたらしい。
何も覚えてないんだけどさ。
父親が必死に俺を羽交い締めにして、でも俺の力がものすごく強くて、父親は壁に叩きつけられたらしい。
背中から叩きつけられたみたいだけど、後で見せてもらったら痣が凄かったよ。ゾッとした。
とりあえず母親は精神科に連絡して、暴れ続ける俺を大の大人三人がかりくらいでどうにか救急車に乗せて救急搬送して、それから鎮静剤打たれたらしい。でももちろんそんなの効くわけもなく、俺は朝日が昇るまで暴れ続けて、母親も父親も泣きながら俺の行為を扉越しに見てたって。
二人ともオカルトなんて信じてないけど、ダメ元で霊媒師さん調べて、その人を呼んだんだって。
えーと、名前は確かK先生っていうお寺のお坊さんだった。
でさ、ここからがまた不思議なんだけど。
その人、丁度うちの近くのお寺に用事があって、あ、真言宗のお寺なんだけど、うちの近くまで来てただけで、元々S県の人なんだって。行脚? みたいなのとか、結構高名らしくて同派のお寺さんから呼ばれたりして日本津々浦々回ってるんだって。
その人の顔だけははっきり覚えてるんだよな。
なんかちょっと女性的なんだよ。
すごく柔らかい雰囲気で。
俺の様子を聞いて、病院に来てからもずっと微笑んでたんだ。
俺の吊り上がった目とか見ても、ずっと笑ってるんだよ。
しかも全然、嫌味な感じも怖い感じもなくて。
俺、初めてすごく空気の綺麗な場所に行ったような気になったんだ。
で、親も、その時必死に調べて出てきたK先生のホームページから電話したらしいんだけどさ、あれからお礼がしたくて電話しても出ないし、ホームページを見つけようとしても全く見つからないんだって。
あの時は一番上に表示されてたのにって不思議がってた。
K先生は俺が閉じ込められてる病室に、あ、閉鎖病棟に入れられてたからさ、看護師の許可取って入って、二人だけにさせてくださいね。って、看護師さんたちは部屋の扉から俺たちの様子を見ることはできたらしいんだけど、話してる内容は聞き取れなかったらしい。
そうそう、でも俺、K先生と二人っきりになった時、K先生が言ってきた「次、あなた」って言葉すごく覚えてるんだよな。
その後K先生は、俺に向かって? 多分俺っていうより、俺に憑いてたお狐さんに向かって、「お役目をお忘れなきよう」って言ってたんだ。
それからお経を唱えられたんだけど、そしたらみるみる間に身体が軽くなってさ。何か確かに抜けてったんだ。俺の中から。
でも俺、どっと疲れが出て、その場に倒れ込んじゃってさ。
その時、すごい吐き気がして、次の瞬間勢いよく水を吐き出したんだよ。
匂いもない、透明な液体でさ。普通胃液とかだったら酸っぱい匂いするじゃん?
でも、ほんとに何の匂いもしない大量の水を吐いたんだよ。
K先生はその様子をニコニコしながら眺めてて、「間に合って良かったです」って言ってた。
何が間に合ったのか、考えると怖いよな。
あのままお狐さんに憑かれてたら、多分あの水に溺れてたんじゃないかなって思ってる。
なんかそういえば、S県のK市ってとこで変死体が見つかったって。
それも溺死だったらしい。
S県の情報持ってたら教えてほしい。
ついでにK先生のことも知ってる人居たら教えてほしい。
恩返しもしたいし。
S県のことは、他のスレでも読んだけどチラホラいろんな話が飛び交ってるから、できるだけ信ぴょう性のある話だと助かる。
でもK先生がお狐さんに向かって言った、「次、あなた」って言葉、めっちゃゾッとしたんだよな。
感覚的には、
でも、絶対逃げられないし帰れない感覚だった。
ああ、でもあの時吐いた水、しょっぱかったんだよな。
海水みたいな。なまあたたかくて。
以下、レスポンス
それって羊水だったりすんのかな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます