第8話 K市 変死体と記者の行方
記者のメモ帳より、推敲前の記事が見つかる。
以下推敲前の記事。
5/6 K市で男性の変死体が見つかる。
Fの山奥にて。
身体的に際立って特徴はないが、目尻が不自然に吊り上がっており、不気味な相貌となっている。
口元はどうしようも無いほど歪んでおり、左右の口端に泡が溜まっている。
顔は能面のような無表情を感じさせる。
山奥だが、水死体ということだった。死因は溺死。
当時その変死体を見つけた小学生の女の子が言うには、「お狐さんの祟り」とのこと。
その少女は何度も
まるで知り合いのような素振りでもあったし、憎んでいるようにも見えたと少女の関係者は語る。
しかしその遺体は年齢三十路に入るか入らないかくらいの見立てとのこと。
髪も多く、決して
引き続き情報を集める。
5/9 遺体の謎は解けず。警察も首を捻っているとのこと。捜査は難航しそうだ。いよいよ記事にできると思われる。S県でようやく掴んだ手がかりのひとつだ。必ず謎を解く。
5/11 古枝の駐車場。
5/20 高熱が出て下がらず。耳元で、ケーン、ケーンと赤ん坊の泣くような声が聞こえる。頭痛もひどい。
5/29 帰れない。
5/30 次お前 とのこと。K神社にて。
以上。続きは一向に見当たらず、何かを書こうとしたであろう筆記だけ見つかる。以降この人物と連絡取れず。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます