第124話 検証の続き
出張に行く前に能力の確認を終えておきたいので検証を進めた。
品質操作はすぐに分かった。
これは言葉通り錬金する際に品質をこちらである程度弄れるようになるというものだ。
ただし可能なのは品質を下げることだけ。
作製したアイテムの品質が20なら0~19までの好きな数値に設定できるということだ。
品質を下げるという点では探索者としてはあまり使えない能力かもしれないが、社外に出すアイテムの効果をこちらで任意に操作できるので商売的にはかなり有難い能力である。
これがあればウチの販売する回復薬は品質を20辺りにして、他に提供するのを10とか差別化が図れる訳だし。
(複製錬金は条件を満たせば錬金素材などを使って持っているのと同じアイテムを複製できる能力か)
条件はそのアイテムのレシピを入手しており、一度でもいいからその錬金アイテムを自分で作り出していること。
後者の条件がなければ中位回復薬やスキルオーブなども作れたのに惜しいものである。
条件を満たしている
なお回復薬は素材を必要としなかったが、貴重なアイテムの場合は複製するのに錬金素材や錬金結晶が必要になるみたいだ。
ともかくこれがあれば一度でも作れたアイテムは量産が可能になることが確定した瞬間である。
仮に素材が貴重過ぎて一つしか作れないアイテムが今後に出てきても、これがあれば複製できるのも有難い。
(早くスキルオーブを作れるようになりてえ)
それらを量産できるようになれば戦闘の幅がこれまでとは雲泥の差となる。
現状でもやれることが死ぬほど浮かんできているくらいだし。
もっともこれにデメリットが全くない訳ではない。
まず複製なので出来上がるのはアイテムの品質や効果が元よりも落ちることがある。
また品質操作などもできない。
それにこれはそのアイテムを作っている判定ではないためか、幾ら複製しても熟練度は増えないみたいだった。
「完全錬金は現状だと使えないか」
どうやら完全錬金はアイテムを作る際に、品質が最高のである100の素材だけを使った際に効果を発揮するもののようだ。
圧縮錬金に励んで素材の品質を高めているが、品質は数値が上になればなるほど上がり難くなっているので、まだそれらの素材を用意できていない。
それでも圧縮錬金を繰り返せば品質は徐々に上がっているので、そう遠くない内にその効果を確かめられる日が来るだろう。
最後は錬金釜と錬金モノクルだ。
まず簡易でなくなったことで作れるのとレシピが得られる種類が増えた。
具体的には中位回復薬のレシピも外崎さんなどが習得出来た形である。
これで素材さえあればあとは中位回復薬も量産できる態勢は整った形だ。
またモノクルの方は装着時に俺が見えるようなったフレーバーテキストや熟練度、更には各種スロットも見えるようになっていた。
そして釜の方ではスロットが見えていればそこに錬金することが可能となっている。それはその気になれば俺以外が錬金武器などにアイテムを込めることも可能になったということでもある。
もっともスロットに錬金するのは大量のMPを必要とするようで、そう簡単に作成できる訳ではないが。
(とりあえず今は中位回復薬を作れるようするのがいいか)
中位回復薬の素材で必要なのは品質がD級以上の魔物の魔石、品質70以上の体力や魔力の回復効果などがある薬草、錬金水、錬金草、霊薬の素の五つだ。
これらの中でまだ手元にないのは品質が70以上の薬草のみである。
魔石については会社の伝手で仕入れているので。
だから完全錬金の効果を確かめるためにも素材の品質上げは必要なので、今は圧縮錬金に重点を置くのが最善だろう。
複製錬金でも錬金スキルの経験値は稼げるのでスキル上げにはなるし。
(一度でも作れれば複製錬金で同じ物は作れる。まあそれだと熟練度が上がらないから、より良い物を作るためには普通に素材を集めて錬金するべきなんだろうけど)
品質と同じでこの熟練度とやらもきっと今後の錬金に必要な要素だろうし。
でなければこうして新たに見えるようになる訳がない。
なので今の内から上げておくに越したこしたことはないだろう。
「さてと、休憩は終わりにしますか」
本日のボス周回もクイーンスパイダーを選択したのだが、これにはランクアップのため以外にも理由があった。
それは
(パッシブ系のスキルの場合を錬金武器に込めた場合の使用回数がどうなるか確認したいしな。それに
そのためにもクイーンスパイダーは最適の相手なのだった。
なお
そんなこともあって俺はしばらくの間は見るのも嫌になるほどの虫の群れを虐殺しまくっていくのだった。
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