第3話 漢字
時が止まっていることが信じられなくて歩き回る。古代龍に近づいて鱗をツンツンしてみても1ミリも動かない。
この状態なら古代龍を倒せるのではと思った俺は早速メテオを放つ。
今回は尻尾に破壊されることなくしっかり当たる。だが古代龍に一切傷をつけることはできなかった。
「やっぱりだめか」
そう言ってため息をつく。古代龍の反応が良くて当たらないのではなくて根本的に俺の威力が足りないから倒せないのだ。これでも一応世界最強の魔法使いと言われている男なのだから、抵抗されなくてもかすり傷一つつけられないのは正直言って凹む。
しかも根本的な火力が足りないから時が止まっているにしろ帰れない。どうしたものか。
『力が欲しいか?』
誰かに声をかけられた気がしてあたりを見まわすが誰もいない。ついに幻聴が聞こえるようになったか。
『幻聴などではない!貴様の心に直接語りかけているのだ!』
なんなんだその設定。
ってか幻聴酷すぎね?
そう思ったとき床一面が一気に光った。
光の中に人影らしきものが見える。ここから出られないストレスで幻聴だけじゃなく幻覚までみえるようになったか。
うっ、眩しい。
光が消えて俺の目に映ったのは...金髪赤目の身長150cmくらいの女の子だった。
「ワシは幻覚でも幻聴でもない。頬をつねってたしかめてやるはっ!」
そう言って女の子は俺に近づいてきて方を掴んで、ひねる。
「痛い痛い!!」
絶対込める力間違えてる、頬がちぎれちまう。
「もう一度問う、力が欲しいか?」
「まあもらえるなら?」
「なんでそうやる気が無いのだ!」
世界一の魔法使いだから他の人に学べるものがないと思うからだけど...
「きっと自分に自信があるのだろう?ならばその実力を見せてみてくれ」
この人さっきからなんなの?時々俺の心を読んだかのように核心的な質問してくるんだけど。
「まあいいよ」
見せる魔法はやっぱりメテオしかないだろう
『メテオ』
いつもどうりいい感じだな。
「プフっ」
「人の魔法見て笑うとはなんだ!」
「いや弱いなって思って」
「そういうお前はどうなんだよ!」
「わしか?まあいいだろう、
この世でメテオは俺しか使えないぞ?
『
そう唱えると俺のメテオとおんなじ、いや数百倍のサイズの隕石が降ってくる。
そんなはずはない。なぜなら神級魔法より上の階級の魔法はないからだ
「何なんだその魔法は、おかしいだろ」
俺がそういうと指パッチンをして女は先生っぽい服に変え、ホワイトボードを魔法でぽんっと出す。
「良い質問だ。お前は魔法の基本である魔法文字を知っているか?」
なんでそんな初歩的な質問をしてくるのだろうか
「魔法文字は『カタカナ』ひとつしかないだろう」
「ブッブー、違います。魔法文字には下級文字である『カタカナ』とその上に上級文字である『漢字』が存在する。そしてさっきわしが使ったのは漢字だ」
えっ?何を言っているのだこいつは。
魔王 ミズシマイマイ @ainasera
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