第2話 悪魔
「神の忠実なる執行者、熾天使ミカエルだ。今日は神からの天罰を伝えるために来た」
なん何だこいつは。今はできるだけ目立ちたくないのだが。
「すまん、冗談に付き合っている場合じゃないんだ。帰らせてくれ」
ほら、ひとが集まってきたじゃねえか。
「冗談などではない、お主にはこの羽が見えないのか」
そう言ってミカエルが羽を動かす。面倒くさいから天使ってのは理解してやろう。
「天使ってのはわかったが、天罰ってのは何だ?」
「貴様が倒した中央ダンジョンのラスボスは不完全な神だったのだ。不完全な神でも神を殺したことには変わらないからそれに対する罰だ」
「神ってのは一柱じゃねえのか?神が倒された以上天罰はくだせないはずでしょ」
「神殿に二柱の像があるだろう?元々神は二柱いたのだが一柱は忘れられてしまい不完全な神になってダンジョンボスとなったわけだ。つまり神はもう一柱残っているわけだ」
なるほど、分からん。
「さて、そんなくだらないことなどどうでもいい。お主への天罰はもう既に『無間ダンジョン』と決まっているからな」
ミカエルがそういうと俺の周りが光りだした。
ちょっと待って、無間ダンジョンってなに?
「さらばだ、カイルよ」
一段と光が明るくなると俺の体が光りだして地面に飲み込まれていく。同時に意識も闇に飲み込まられる。
目が覚めると、俺は床に寝ていた。
起き上がって周囲を見回すが、家の前の道ではなさそうだ。ここは何処だろうか。天井は見えないほど高く、地面はきれいな花崗岩でできていて、そこから白い柱が何本も突き出している。
「ここはダンジョンの深層なのか?」
どう見たってこの光景はダンジョンの500層以上通称『深層』でしかみられない特殊な地形だ。
流石の俺でも何も準備していないから攻略などできるはずがない。家に戻ろうと思いあるき回ると大きな黒い扉が見えた。出口かと思い開けてみる。
大きな扉なだけあってなかなか開かない。仕方がないので身体強化魔法を使いこじ開ける。
「おらっ!」
なんとか開けた扉の先にいたのは黒い鱗に紫色の眼、そして鋭い牙を持つ龍。
『古代龍』
その名を思い浮かべる。それは一体だけで世界の九割を消し飛ばしたと言われる正真正銘の化け物だ。
まるで眠りを邪魔されたことに対して苛ついているかのように俺を睨みつけてくる。まったく持って俺は不運だな。
『ギギギッ...ドン』
入ってきた扉が閉じてしまった。
ダンジョンの深層には一度入ると勝つまで出られないトラップがある。この部屋もそういうたぐいのものだとしたら。
「まずいな」
開かなかったら古代龍と戦うしかなくなってしまう。もし開いたとしても開けようとして背中を見せたら殺されてしまう。俺には戦う選択肢しかないのか。
戦うなら最初から本気でいかないと戦いにすらならないだろう。しかも、まだ攻撃してこないからいいがきっと攻撃してきたら俺には防御しかできないだろう。攻撃するなら今が最初で最後のチャンスだろう。
「いくぞ、『メテオ』」
俺はすべての魔力をつぎ込んだ魔法を古代龍に叩きつける。この威力なら1000層以上のボスでも倒せるだろう。
そう思い見てみると俺の目に映ったのはそんなのもの屁でもないかのように尻尾を使いすべて打ち砕いている様子だ。
古代龍は怒ったのかこちらを睨みつけ、神級魔法『バースト』のようなものを放つ。
いや、あれはそんなものじゃない。もっとやばいものだ。
魔法は俺に着実に向かってくる。
「俺は卒業するまで死ぬわけに行かないんだ」
そして俺に当た、らなかった。
「はぁっ?とまった?」
あたりを見回すと時が止まっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
どうもainaseraです
すいません、早速サボタージュしてしまいました。
ですが、次からは頑張るつもりです!
どうかフォローと★お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます