第六話 731部隊
「斬り込め! 斬り込め!」
日本軍は中国で次々と中国兵士を斬り殺していく。
が、もはや時代は剣ではなく銃である。
すぐに中国軍は回転式機関銃を撃ってくると、日本兵たちはやられていった。
いわゆる初期のガドリング砲は、大砲ほどの大きさがあった。
ガドリング砲の銃口が火を吹くたびに、日本軍兵士たちは撃たれて倒れていく。
「くそったれめ!」
谷中はガドリング砲を撃つ中国軍たちの背後から斬り込んだ。そして、ガドリング砲を使って中国軍たちを撃っていく。が、戦にはならない。次々と米国艦隊がやってきて砲撃してくる。谷中小将はひととおりガドリング砲を撃ったところで、日本軍車に飛び乗った。 ……中国への進出(侵略)は失敗したのだ。
日本軍は全速力で遁走した。
日本は原爆を二発もうけて、大ダメージを受けた。アジア侵略が失敗したのはいたかった。が、それよりも貴重な兵士たちを失ったのもまたいたかった。
東条は、
「こんなことなら戦争などしなければよかった」
と悔がった。
鈴木貫太郎は「なにをいまさらいっていやがるんだこの男は!」と怒りを覚えた。
とにかく原爆で損失を受け、大打撃であった。
雀之丞の弟・大塚浪次郎が戦死した。
「浪次郎!」
兄の大塚雀之丞は号泣し、遺体にすがった。
榎本中将がきた。
「君の弟は優秀な人材であった。惜しいことだ」
とってつけたように、榎本はいって労った。
涙で顔を濡らしながら、雀之丞は、
「弟の死は犬死にですか?! 中将!」と声を荒げた。
榎本は戸惑ってから、
「戦は殺しあいだ。連合軍があくまでもわれら日本帝国を認めないなら、戦うしかない。これは〝義〝の戦ぞ!」
「……しかし…日本が血に染まりまする!」
「〝義〝の戦では勝つのはわれらだ。米英には〝義〝がない。勝つのはわれらだ!」
榎本はどこまでも強気だった。
「……そうですか……」
雀之丞は涙を両手でふいて、いった。
「義の戦ですね? 弟の死は犬死にではなかったのですね」
「そうだ! 大塚雀之丞……励め!」
「はっ!」
大塚雀之丞は平伏した。
若く可愛い看護婦と、日本脱走軍の兵士の若者・英次郎は李春蘭とデートした。
「君、今好きなひととかいるの?」
英次郎は勇気をふりしぼってきいた。
是非とも答えがききたかった。
李春蘭は頬を赤らめ、
「えぇ」
といった。
純朴な少年の感傷と笑うかも知れないが、英次郎は李春蘭が自分のことを好きになっていると思った。
「それは誰?」
「…ある人です」李春蘭は顔を真っ赤にした。
そして「あのひとはもう治らないとやけになってるんです」と吐露した。
「………治らない? なんだ……俺のことじゃないのか」
「すいません」
「いや!」英次郎は逆に恐縮した。「いいんだよ! そのひと病気治るといいね」
「……はい」
李春蘭は可憐に去った。
「ふられたか? 英次郎」
兄・恒次郎はからかった。弟は「そんなんじゃねぇや!」といった。
ふたりは相撲を取り始めた。
兄が勝った。
「元気だせ。もっと可愛い娘がいっぱいいるって」
「だから! ……そんなんじゃねぇって」
ふたりは笑った。
まだ恋に恋する年頃である。
ダガルカナルの戦地では、若者たちが英雄をかこんでいた。
英雄とは、米国兵士を何百人と殺した男・今井信助である。
「今井さんは鬼畜米英を斬ったそうですね?!」
「…まぁな」
「斬ったときどんな気持ちでしたか?!」
若者たちは興奮して笑みを浮かべながらきいた。
「うれしかったよ。なんせ鬼畜だからな」
「鬼畜はどういってましたか? 死ぬとき…」
若者は興奮で顔をむけてくる。
「なんもいわなかったよ。でも連中は頭を斬られて死んだんだな」
「へぇ~っ」
若者たちが笑顔で頷いた。
かれらにとっては米兵は明らかな〝敵〝である。
木之内と伊庭八郎は、敗退を続ける隊員を尻目に、銃弾が飛び交う中を進軍した。森の中で、ふたりは「これは義の戦だ!」といいあった。
伊庭八郎は、「木之内! 日本にすごい武器がおとされたって知ってるか?」ときいた。 しかし、木之内は「知ってる。しかし、おれは最後まで戦う! お国のためだ」
「そうか」伊庭八郎はにやりとして、「まだサムライがいるんだな」
といった。
「その拳銃の弾はあと何発残ってる?」
「いっぱつ…」
「そうか」
そんな中砲撃があり、爆発が近くで起こった。木之内は額から出血した。
しかし、伊庭八郎は直撃を受けて血だらけで倒れていた。
「伊庭さん?! だいじょうぶですか?」
「………木之内…」
伊庭八郎は脇差しをもって切腹した。「かいしゃくを!」
木之内は動揺したが、「分かりました」といい銃口を伊庭八郎のこめかみに当てて引き金をひいた。
砲弾が飛び交う。
「やあああ~っ!」
木之内は進軍する米国軍に剣を抜いて叫んだ。
しかし、米軍はかれを射殺して進軍していった。
米軍絶対的優位で、ある。
長崎にも原爆投下され、日本大本栄は動揺した。すぐに閣僚会議が開かれた。軍部はポツダム宣言など受け入れれば国体が壊れる…と反発した。大和魂が死ぬ…とまでいう。 鈴木貫太郎首相は穏健派で知られた。御前会議にもっていく。そこで裕仁の聖断を受ける。昭和天皇は「本土決戦では日本国そのものが滅亡する。忍び堅きを忍び…世界のひとたちを不幸にするのは避け、この地の日本人たちがひとりでも多く生き残って繁栄の道を進んでほしい。武装解除で、朕は別によいが指導者たちが戦犯として裁かれるのは辛いが日本国が滅ぶよりいい」という。8月10日、日本は条件付き降伏をする。しかし陸軍がいきりたっていた。しきりにクーデターで軍による政権をつくり世界と戦うなどと馬鹿げたことをくりかえす。そんなだから空襲はますます激しくなる。日本中火の海だ。
8月12日、外務省は降伏状を訳していた。…〝サブジェクト トウ〝…『従属する』…陸軍や海軍ら軍部は「これでは天皇制が維持されず奴隷と同じである! 陛下のためにならない!」という。そこで鈴木首相は最後の懸けにでる。もう一度の天皇の聖断である。 御前会議が開かれる。天皇の前ではクーデターも文句もない。昭和天皇はいう。
「戦争はこれ以上は無理だと思う。ポツダム宣言を朕は受諾する。もう終戦である」という。こうしてすべて決まった。愚鈍だった天皇が、最後は役にたった訳である。
そして、一九四五年八月十五日敗戦……
〝耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び…〝
昭和天皇(裕仁)の声がラジオから流れてくる。日本軍敗戦、ポツダム宣言を受諾したのだ。やっと、泥沼のような戦争は終わった。
日本国中、焼け野原だった。
しかも、戦後は食料難がおそい餓死者まででた。
日本を占領するためにきたのがマッカーサー元帥だった。パイプをくわえながらプロペラ機のタラップをおりてくる。「アイル・ビー・バック」……の宣言通り彼は日本に戻ってきた。連合国総指令部(GHQ)は、さっそく日本を統治しはじめた。
憲法(いわゆる平和憲法)をわずか二週間でつくりあげる。
マルセル・ジュノー博士は荒廃した中国の町で、「広島と長崎に原爆が落とされ、一瞬にして何万人ものひとが犠牲になった」というニュースをラジオできいた。
ジュノーは思う。「広島へいかなければ…」
『戦争は悪で人殺しだ』……多くのひとたちはそう思っている。確かに、戦争は悪でありひと殺しである。ただし、その悪によってもっと強大な悪を叩き潰すこともできるのだ。 例えば、太平洋戦争で連合軍が帝国日本やナチス・ドイツを叩き潰さなければ今頃、ヨーロッパやアジア諸国はどうなっていただろう? 確かに広島長崎の原爆、東京大空襲、沖縄戦、シベリア抑留、学徒出陣、神風…それらは悲惨なことだ。しかし、被害者意識ばかりもってもらっては困るのだ。じゃあナチスや帝国日本はあの戦争で何をやったのか? 虐殺侵略したじゃないか! ヒトラーや帝国日本はなにをしたのか?
なぜ日本人は被害者意識だけしかもてないのだろう。なぜ靖国に参拝し続けるのだろう。反日デモがおきたとき著者はそう問いつづけた。だが、日本人からの反応はなかった。
改革を念じるしかない。ただこの拙著だけではかわらないかも知れない。しかし、信じるしかない。太平洋戦争が間違った、侵略戦争であったということを…日本人たちが誰もがわかるまで……。
9 昭和天皇崩御
ジュノー博士は、荒廃した中国の町で「広島に原爆が落とされ、一瞬にして数千万人が死亡した。これによって日本は降伏…」というラジオ・ニュースを聞くことになる。
つねに平和を願っていた彼は愕然となり、それからこう思う。「広島にいかねば…」と。 ジュノーは日本軍に頼み込んで飛行機に乗り、日本に向かう。千島列島に侵攻してきたソ連軍のミサイルをかいくぐって。しかし彼は東京でとめられ、頼んでも「広島」には連れていってもらえなかった。「軍の機密だから」というマッカーサー総司令官につめよった彼は、無惨な子供の死体や焼け野原となった写真をたたきつけていう。
「これが広島です。いまも多くの人々が何の治療もうけられず外部から見捨てられたまま苦しんでいるのです。軍の機密は、人の命より大事なのですか?!」
死体の山、砂漠のような瓦礫の町「広島」、薬は底をつき、人々はバタバタと死んでいく。そこに彼がやってくる。「薬がきましたよ」彼のはにかんだ表情がまたすごくいい。こうして何万トンもの薬が届けられ、多くの人々が救われていく。
去っていくジュノーと日本人医師の別れは、夕暮れの空がとても美しく印象的だ。
「センキュー・ベリーマッチ、ドクタージュノー」
「ザッツ・オーケー」
ジュノーは八時十五分でとまった駅の時計をみていう。「あれは新しい時代の始まりです。けして戦争をしてはならないという証しです」それはとても感動的な言葉だった。
しかし彼の意思に反して、世界は、朝鮮や、ベトナム、中東でも、同じ様な過ちを繰り返してしまう。それがとても哀れで仕方がない気持ちを覚えたりもする。……「もし不幸にも戦争がさけられないのなら、せめて治療方のない兵器は使わないで下さい」「戦争がもし不幸に起こっても戦う両者とは別に第三の戦士がいなければならない」
ジュノーは引退してミズリー州に引き籠もっていたトルーマンと接見した。
彼は、無惨な子供の死体や焼け野原となった写真をたたきつけていう。
「これが広島です。いまも多くの人々が何の治療もうけられず外部から見捨てられたまま苦しんでいるのです。軍の機密は、人の命より大事なのですか?!」
トルーマンは「この戦争の全責任は私にある。しかし、米国人の犠牲を最小限におさえるために、戦争を早くおわらせるために仕方のなかったのだ」と頭を下げた。
「それは詭弁でしょう?!」
ジュノーはトルーマンに迫った。
しかし、トルーマンは同じことを繰り返すばかりだった。
「……日本人たちをどうする気かね?」
ジュノーは迫った。
「裁判にかける」トルーマンはいった。
「殺す気かね?」
「……裁判次第だ」
ジュノーは声を荒げた。
「人材の浪費は駄目です! 今日本国を思えば……たとえ敵軍だったとしても貴重な人材は残すべきです! 違いますか? 閣下」
トルーマンは感銘をうけた。
……まさしくその通りだ!
「わかりました。ジュノー先生」
昭和二十五年九月、東篠らA級戦犯は巣鴨の牢獄の中にいた。
一番牢 東篠英機、木戸孝一、大島浩、武藤章、土肥原賢二、松岡洋石、永野修身
二番牢 岸信介、重光葵、広田弘毅、賀屋興宜、東郷茂徳、小磯国昭、白鳥敏夫、
岡敬純、南次郎、大川周明、佐藤賢了、星野直樹、橋本欣五郎、荒木貞夫、嶋田繁太郎、 畑俊六、鈴木貞一
三番牢 笹川良一、板垣征四郎、木村兵太郎、平沼騏一郎、梅津美治郎、松井石根
四番牢 児玉誉士夫………
「馬鹿野郎!」
東篠英機の前の首相、近衛文麿は電話を受けてそういい、そして服毒自殺した。
東篠英機は東京法廷で「自分には統帥権(軍の指揮権利)がなかった」という。つまり、天皇でも自分でもなく、陸軍がすべてを取り仕切っていたというのだ。
彼等らは『A級戦犯』と呼ばれて東京裁判で裁かれた。
しかし、A級戦犯とは『もっとも悪い戦争犯罪者』ではなく、『戦争を指揮した人間』で、BC級は戦争による虐待殺戮などをした戦犯だ。東篠英機らは死刑になった。
重光葵は戦後、副首相兼外務大臣になり、賀屋興宜は戦後、法務大臣になった。
岸信介は戦後、首相になったのは有名だ。あの安倍晋三の母方の祖父だ。
昭和天皇は戦争末期、防空壕内部で只、頭を低くして陸軍の暴挙を黙認していた。
1945(昭和20)年、昭和天皇はマッカーサーと会見した。場所はGHQ本部…
そして、例の写真を撮影した。戦争ではアジア人二千万人、日本人三十四万人が死んだ。マッカーサーはミス・インフォメーションを信じていた。〝天皇制を廃止すれば日本人は激怒して暴動になる〝というのだ。それで彼は天皇制を維持することになる。
たった数週間で「平和憲法」がつくられた。
極東裁判が開かれ、東条秀樹らは死刑となり、露と消えた。
昭和天皇は『人間宣言』をする。
「私は現人神ではない。ただの人間である」
日本は敗戦により、ほとんど焼け野原となり、浮浪者やホームレス、孤児、餓死者、食料難があり、またパンパンと呼ばれる売春婦たちがアメリカ兵たちに体を売り、外貨を稼いだ。疎開地でも餓死者が出た。GHQではそれでも無視した。
しかし、日本が破壊されたのは建物や工場や軍事施設といったいわばハードであり、ソフト……つまり人材は守られた。松下幸之助、本田宗一郎、井深大、盛田昭夫、田中角栄、吉田茂、岸信介、司馬遼太郎、山田風太郎、三島由紀夫、川端康成、美空ひばり、石原裕次郎、黒澤明、そして皇族たち……世界に冠たる人材は守られ、日本はパックス・アメリカーナ(米国の核の下の平和)により冷戦でも奇跡の経済成長を遂げることになる。
それは昭和天皇の願いでもあった。
「私は夢は、日本国が平和な、経済大国・技術立国になることである」
そして、昭和天皇は荒廃した地方を、日本全国を巡幸していった。どこでも歓迎と拍手の嵐である。しかし、沖縄にだけはいけなかった。巡行慰問予定の年に体調を崩し、そのまま崩御してしまったのである。ひめゆりの生き残った女性は悔しがる。「……昭和天皇には沖縄にきてひめゆりの塔におがんでほしかった……」
朝鮮戦争、JFK兄弟暗殺、ベトナム戦争の泥沼、日米安保による学生デモ、大阪万博、中東戦争、イラン革命、日米貿易対立、プラザ合意、ウォーターゲート事件……
昭和四十年には息子の現在の天皇(当時・皇太子明仁)と民間人・美智子との結婚の儀が行われた。孫も出来た。テレビも売れに売れ、日本経済は奇跡の発展を遂げた。
東京オリンピック、日本の高度経済成長、それにともなう南北貧富の格差…
田中角栄による中国国交正常化、電電公社、国鉄の民営化………
昭和の間、天皇はすこやかに静かに暮らした。そして、昭和の暮れ、ガキどもがメルトダウンしだし校内暴力、学力低下があいついでホームレスをリンチで殺したりいろいろ犯罪を犯した。バヴル経済でみんなが浮かれ、株価の意味もわからぬ主婦までもが「財テク」などと称して湯水のように金を遣った。アグリーに不良債権だけがふえた。
中東情勢が緊迫化して湾岸戦争が勃発、世界同時不況、株価下落……
石原祐次郎、美空ひばり、田中角栄が、松下幸之助、井深大、本田宗一郎が死んだ。
昭和天皇・裕仁は病に倒れた。
多年の苦労と不摂生がわざわいした。病気は進み、喀血は度重なった。
回復の望みはなかった。
……せめて世界が平和になるまで。
世界平和の業が成るのをこの目でみたい。それが願いだった。
肌はやつれ、痩せて、骨まで痛むようになった。
……沖縄にだけはいきたかった……
昭和天皇は病の床にあった。
一九八九年、一月九日、昭和天皇は死を迎える。
彼が愛してやまなかった日本赤十字委員会の医師たちは「俺がかわってやりたい」と泣いた。
昭和天皇の死は朝まで気付く者がいなかったという。
一進一退の病魔が昭和天皇の躰を襲った。
その夜、昭和天皇は目が覚めた。
不思議と躰が軽い。
……もうおわりだから最後に軽くなったか。
昭和天皇は気力をふりしぼってようやく起き上がり、負けじと気力を奮いたたせた。
……まだ死ぬ訳にはいかぬ。
……まだ世界平和をみてはおらぬ。みるまで死ねぬ。
昭和天皇は不敵な笑みを浮かべた。壁をつたって歩いた。
……私はまだ…死……ね…ない。まだやることがある…
……まだせめてもう一度平和活動をさ…せてください…被害者への謝罪がまだです…
窓を開けて夜空を見上げると満天の星空がみえた。
走馬燈のように懐かしい顔が浮かんだ。
大正天皇の顔。
マッカーサーの顔。息子の顔。妻の顔。孫の顔。虐殺した無辜なアジアの民…
その他の顔、顔……
裕仁なくして、日本の平和はあり得なかったはずだ…この私が…まだ謝罪してません… 昭和天皇は喀血し、倒れた。そして、その血により溺れ死んだ。
享年八十七歳……
元号は『昭和』から『平成』にかわった。故・小渕恵三が『平成』の文字をかかげる。ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊、冷戦終結、同時多発テロ、学力低下、イラク戦争……
時代は刻々と変わっていく。オゾン層の悪化で環境は破壊の一途を辿り、環境が悪化。 日本は深刻な不況にみまわれた。女性天皇も認められた。愛子ちゃんが天皇になる?
04年には孫でもあった皇太子が「雅子のキャリアを否定するような発言があった…」と異例の会見をし、また高松宮喜久子(最後の将軍・慶喜の孫で昭和天皇の弟の妻)が十二
月に他界した。また昭和天皇の孫娘にあたる清子は、05年黒田さんと結婚した。
中国は世界の工場としてめざましい経済発展を遂げていく……
イラクや中東、北朝鮮は『ベトナム化』していく、EU(欧州連合)拡大……
日本の改革も往々として進まない。子供がひとを殺し、自殺率も失業率も高くなる…
世界大恐慌で何百万人もの失業者が路頭に彷徨う…。平成(今上)天皇はよむ。
……〝戦なき 世を歩みきて 思い出づ かの難き日を 出きし人々〝……
太平洋戦争敗戦から七十年以上が過ぎた。すべてが終わった訳ではない。
しかし、昭和天皇はどんな悪人だったのだろう? どんな善人だったのだろう?
我々日本人にひとつに疑問をなげかけた。
陸軍防疫給水部参謀「731部隊作戦はやめるにやめられない作戦だった」
元・少年兵①「一週間で数千人死んだ。マルタは……みんな「くやしい」といいながら人体実験の道具にされて死んでいった。かわいそうだった。人体実験をした医学者達は戦後も何もしなかったかのようにしれ~として病院や医学界で要職に就いていた。刑に服した医学者なんて、敗戦で逃げ切れずソ連や中国に捕まっただけで…氷山の一角……悪い奴ほど長生きして誰よりも出世した。被害者からしたらバカヤローだろうね。」
元・少年兵②「囚人を〝人体実験の道具〝にした……悪いことをしたなあ。でも、生きて帰れただけましだった。」
そして、731部隊軍医 柄沢十三夫(がらさわ・とみお)はいった。
「自分は現在平凡人間といたしまして自分の実際の心の中に思っていることを少し申してみたいと思います。私には現在日本に……82歳になります母と……妻並びに二名の子どもがございます。なお私は自分の犯した罪の非常に大いなることを自覚しております。そうして終始懺悔(ざんげ)をし後悔しております。私は将来生まれ変わってもし余生がありましたら自分の行いました悪事に対しまして……生まれ変わった人間として人類のために尽くしたいと思っております。(号泣)」
この医学者は刑に服した後、帰国直前に自殺したと伝えられている……。
戦争はぜったいにやったらいけない。歴史とはまさにその刹那にさえ、葛藤と戦争と闘争の歴史である、という。これが戦慄の記録・731部隊の真実のすべて70年目の真実で、ある。歴史の狂気、731部隊……まさに、戦慄の記録、で、あった。
戦争犯罪者は時に「勝者の為に犠牲者」になる。彼らだっていい訳ぐらいあるだろう。が、だからと言って、被害者意識丸出しで世界に訴えてもかわらない。小林よしのりは「A級戦犯などいない」という。なら誰が戦争を始めたのであろうか?軍部か?天皇か?何はともあれ「いい訳」で歴史を改ざんされては堪らない。歴史から逃げるな!と言っておわりとしたい。「こうして最悪の泥沼の地獄の太平洋戦争はおわった。そして敗戦より70年あまり、この物語をすべての戦没者たちに捧げる」 大河小説 731部隊の真実 おわり
参考文献
この作品の参考文献一覧をご紹介します。
ちなみにこの作品の参考文献はウィキペディア、「ネタバレ」「昭和天皇」「明治天皇」「大正天皇」朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞、昭和天皇回顧録、司馬遼太郎著作、池波彰一郎著作、堺屋太一著作、童門冬二著作、藤沢周平著作、「虹色のトロツキー」安彦良和著作、「天皇論」「沖縄論」小林よしのり著作、映像文献「NHK番組 その時歴史が動いた」「歴史秘話ヒストリア」「ザ・プロファイラー」小学館SAPIO誌、漫画的資料「花の慶次」(原作・隆慶一郎、作画・原哲夫、新潮社)「義風堂々!!直江兼続 前田慶次月語り」(原作・原哲夫・堀江信彦、作画・武村勇治 新潮社)等の多数の文献である。 ちなみに「文章が似ている」=「盗作」ではありません。盗作ではなく引用です。
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『別冊歴史読本 江田島海軍兵学校 写真で綴る江田島教育史』(新人物往来社)、『今こそ知りたい江田島海軍兵学校 世界に通用する日本人を育てたエリート教育の原点』平間洋一・市来俊男・雨倉孝之・影山好一郎・北澤法隆・齋藤義朗・中村梯次・左近允尚敏・長田博・手塚正水(新人物往来社)、『中国大虐殺史なぜ中国人は人殺しが好きなのか』石平(ビジネス社)、『TPPが日本を壊す』廣宮孝信・青木文鷹・監修(扶桑社新書)、『自由貿易は、民主主義を滅ぼす』エマニュエル・トッド(藤原書店)
『原発と日本の未来 原子力は温暖化対策の切り札か』吉岡斉(岩波ブックレット)、『原発のウソ』小出裕章(扶桑社新書)、『福島第一原発「放射能の恐怖」全記録』(FRIDAY6・29増刊号)、『偽善エネルギー』武田邦彦(PHP新書)、『日本は原子爆弾をつくれるか』山田克哉(PHP新書)、『国土学再考「公」と新・日本人論』大石久和(毎日新聞社)、なおここから数行はウィキペディア、堺屋太一著作、落合信彦著作、藤子不二雄(A)著作、さいとう・たかを著作、小学館SAPIO誌などです。「文章が似ている」=「盗作」ではありません。盗作、無断転載ではなく「引用」です。『国防論』小林よしのり(小学館)と『いわゆるA級戦犯』小林よしのり(幻冬舎)から引用いたします。盗作ではなく引用です。あらかじめご容赦下さい。裁判とか勘弁してください。
大河小説 731部隊その真実~戦慄の記録~恐怖の人体実験エリート医学者の犯罪最期の真実 長尾景虎 @garyou999
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