第7話 眼球と銃と剣
アイテム合成?の儀式がが執り行われる中、澄火は次のアイテムに手を伸ばす。
選ばれたのは、謎の液体にふよふよと浮いている眼球である。澄火はそれを興味深そうに眺めると、部屋にある棚に置いた。
「観賞用なのか?」
「……ん」
俺が質問すると、澄火は首肯した。
まあ、澄火の好きにしたらいいんじゃないだろうか。流石に俺たちの寝室とかダイニングとかに飾り出したら全力で止めるが。
澄火は最後に、銃と剣を取り出しててくてくと別の部屋へ歩いて行く。
こういう時、部屋が多い家は便利である。
下に汚れてもいいようにブルーシートを引き(帰り際に買ってきたらしい)、澄火はぐっと剣に手をかける。
「はあ!」
そして、強化された力を生かしてメキメキメキと剣を叩き割った。
ちなみに、この剣のお値段は三億円である。
躊躇なく破壊を続ける澄火は、ある程度まで叩き割ったところで、破片を取り除く作業に入る。
すると、ガラクタに似つかわしくない白銀の何かの一部が露出した。
「……なるほど」
澄火は再びどんどんと叩き割っていく。
最終的に、鞘に収まった白銀の短剣が出現した。
「……ん」
「よく分かったな」
「……ん。何かあるとは思ってた。……何があるのかはわからなかったけど」
「どんな能力があるのか……楽しみだな」
「ん」
今度ダンジョンに行った時に試してみよう。
「それで、その銃は?」
「……ん……多分、MPで弾丸を作れる……と思う」
「それだけだと鑑定不能にならなくないか?」
「……ん」
なんだか危険な匂いがする。
「……まあ、とりあえずダンジョンで確かめてみるか。危なかったら捨てるなり封印するなりすればいいだろ」
「……ん」
澄火は短剣と共に銃をリュックへとしまう。
「あとオークションで落札したのは……鍵だけ?」
「そうだな。エルヴィーラ王女が落札した方がいいっていうから落札してみたけど……多分、アーティファクトの何かなんだろうな」
「……ん。鍵穴はいつか見つかる」
「だといいけど」
いざ使う時に手元にないなんてことが怒らないように、当分は持ち歩くことにしよう。
「……ん。収穫あったね」
「……85億使ったからな」
装備品がアップグレードされ、俺はスキル、澄火は武器を得た。
将来的な期待値も含めて、俺たちの戦力は大きく向上しただろう。
「次はプレゼント開封。動画でも回す?」
「いや、いいから」
動画投稿者でもあるまいし、そんなことはやり必要はない。
「……ん、冗談。プレゼントは別の部屋にまとめてあるから」
澄火はそういうと、俺の手を引いて、ダイニングに併設されている大きな部屋へと誘導してくれる。
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