第4話 全部ユニクロで揃える気?
そしてやってきたのは、多数のお店が集うアウトレットである。
「……まずはユニクロに行っていいか?」
「……ん」
先に俺の下着やTシャツなんかを揃えてしまいたい。
と、そんな俺に澄火が半目になる。
「もしかして、全部ユニクロで揃える気?」
「…………」
俺は目を逸らす。そんなこと言われても、それ以外のブランドは全く知らないし……
「……ん。もう少しおしゃれする。行こ。下着は後ででいいから」
「……了解」
澄火はそう言うと。俺の手を引いて歩き出す。なんだか今日は……というより昨日から、たよりがいのあるお姉さんと言った感じだ。
そして連れてこられたのは、澄火が着ているLightning Crashの姉妹……兄妹?ブランドの、Living Batteryである。
いつのまに澄火はここの情報を手に入れたのだろうか……
Lightning Crashはレディース、Living Batteryはメンズを取り扱っている。一応、できたのはLiving Batteryの方が早いらしい。
女性の買い物は長いという話はあるが……俺の服を選ぶのには、ものすごい時間がかかった。
あれもこれも取り出しては無言で首を振る澄火を前に俺は何もできず、澄火の横でただぼーっとしている他なかった。
周りからはさぞ情けない人に見えていたことだろう。
その後は特に何もなく他の買い物を進め、気がつけばお昼になった。
「戦利品は……俺たちの服……と、コンパクトカメラ、それから……結構な数の食器やキッチン用品……か。いい買い物だったな」
「……ん。だね」
「お昼にするか。どこがいい?」
「……トンカツとか?」
……とんかつ?
なんだかとても意外な選択である……が、とても美味しそうだ。俺もなんだか食べたくなってきた。
「ん。いこ」
澄火はそういうと、俺の手を取ってレストランフロアへと歩いていく。
「……そんなことしなくても着いていくから」
俺はとりあえずそう言って手を離し、澄火の横へと進んだ。
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