第3話 アウトレットへ

「……ふう」

「……ん。美味しかった。ご馳走様」


ホットケーキを食べ終わり(澄火はクリームまで残さず食べていた)、俺たちは一息ついていた。


「……澄火、今日はどうする?」


今の時刻は10:00。仕事に出かけるには少し遅い時間だ。

近場にあるダンジョンなら軽く潜るくらいはできそうだが……


「ん。おやすみ」

「だな」


昨日の件もあり結構疲れが溜まっている。そうでなくとも、ここ最近働きっぱなしな気もする。今日は久々に休日にすることにしよう。


「どこか2人で出かけるか?」

「……ん。翔が行きたいなら」

「そうか。どこがいいかな……」


今は六月。そろそろ夏だ。

澄火が今来ている服には春物が多いため、衣替えに備えて服を買っておく必要がある。もちろん俺の服も然りだ。

……というか、戦闘に巻き込まれて結構な服が失われているような気がするので、単純に買い足す必要もありそうである。


他には……コンパクトカメラとかか?報告書にいちいちモンスターの外見を描写するのはもうやめたいところである。


「買い物に行くか……場所は……」


今日は平日なため、どこもある程度空いているだろう。


「……ん。アウトレットとか?」


アウトレット。

なんでも安く買えると噂のアレか。


実際に行ったことはないので、どんな場所かいまいち知らないが……これを機会に、行ってみるのもいいかもしれない。


「……いいな。じゃあ、早速出発しよう」

「……ん。着替えてくる」


澄火はそういうとてってってーっと俺たちの寝室へと消えていった。

そのうちに俺は食器とかを片付け、荷物の準備をする。


……とは言っても、準備するものは少ない。タブレットをリュックに入れ、財布と念の為の上着を持ったらもう完了である。

いつものように、物騒な装備品のチェックをしなくていいのでとても楽だ。


「……ん、お待たせ」


と、素早く身支度を整えた澄火がやってきた。早い。まだ十分も経ってない。


今日のコーディネートは、俺がLightning Crashで買ってきた制服風ファッションである。

見ようによっては、学校帰りの女子高生のようにも見える服装だ。


「んじゃ、行くか」

「……ん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る