第11話 屋敷
数時間にも及ぶ激闘の末。
順位は、以下の通りになった。
一位 ヴァイオレット
二位 星野 澄火
三位 カストル(黒服の男の名前。ちなみに、もう1人の方はポルックスと言うらしい)
四位 若槻 翔
ヴァイオレットの強さはすごかった。盤面の全てが見えているんじゃないかというくらいの読みで、ほとんど間違えた手を打たない。
そして、澄火はというと、なんだかはちゃめちゃな手を打っているように見えていつのまにかいい手を作っている印象だ。
カストルさんは……なんというか、上手いのに、絶望的なまでにツキに見放されているといった感じだった。
俺?……聞かないでくれ。
ほどほどに場があったまったところで、ヘリコプターが着地する衝撃が俺を襲う。
どうやら、いつのまにか到着していたようだ。
ヴァイオレットさんはコックピッドを覗いて何事か話すと、そのままポチッとキャビンのドアを開く。
「さあ、どうぞ」
俺は促されるままに荷物を回収してキャビンから降りる。
「ここは一体?」
ヘリコプターが着地しているのは、おそらく大西洋上にあるのであろう島の一つ……その丘の上だった。
かなり広い島で、中央には見たこともないような広大な屋敷があり、そしてそれを取り囲むようにして四つの建物が立っていた。
どれも煉瓦づくり風の建物で、かなりオシャレに作られている。
今俺たちがいるのは、そんな四つの建物のうちの一つ……その名も「機械の塔」の頂上にあるヘリポートだ。
ちなみに残り三つは、それぞれ時計回りに「収穫の塔」「守護の塔」「叡智の塔」というらしい。前二つはなんとなく字面がからその機能を推測できるが、最後の「叡智の塔」の機能は謎である。
なんだろう。研究所があったりするのだろうか。
「それではあの屋敷へとご案内いたします……こちらへどうぞ」
ゴリゴリゴリゴリと、下からエレベーターの扉が迫り上がってきた。なかなかすごい仕掛けだ。
ヴァイオレットはぽちりとボタンを押して扉を開く。中は、円柱型であることを除けば普通のエレベーターと同じだった。
そのまま地上までエレベーターで移動し、屋敷の方へと歩く。
中は、落ち着いた雰囲気のよくドラマとか漫画とかで見るような、典型的なお屋敷といった感じだった。
屋敷の玄関から中へ入ると、まず大きなホールがある。
そして、奥の扉から廊下を抜け、2階に上がったところ……そこに、応接室があった。
どうやら、屋敷の主がそこで待っているらしい。
流石に武器の携帯は許されないらしく刀袋に入れた刀を没収されたのち、俺たちはようやく自分たちを呼び寄せた人と対面することになった。
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