第4話 ダンジョン到着
一時間ほどして、俺たちは石狩ダンジョンへと到着した。
他のダンジョンと同じように、警察と自衛隊がダンジョンの周りをかっちりと守っている。
ジープは検問を抜けると、自衛隊基地内の駐車場で止まった。
「それじゃあ、これからダンジョンの入り口へとご案内しますね〜」
そういうと、自衛隊員のうち2人が歩き出す。もう2人は残って車両整備を行うようだ。
相変わらずの大量の隔壁を抜け、俺たちはダンジョンの入り口に到着した。
ざっと入り口から見る限り、特に他のダンジョンと変わったところはなさそうだ。
俺は刀袋を解いて刀を取り出し、リュックから取り出した剣帯を腰に取り付け、そこに両方とも刺す。
「こちら、預かっていたポーションです」
と、いつのまに受け取っていたのか、自衛隊員さんがポーションを5つ差し出してくる。確か、前回ダンジョンから戻ったときに、ポーションを5つ預けたんだった。
俺はそれらを受け取り、「いってきます」といって澄火とダンジョンの中に入る。
自衛隊員さんは敬礼をして返してくれた。
……そういえば名前を聞いていない。まあ、また会った時でいいか。
「さて」
俺は入り口から十分離れ、入り口が見えなくなったところでリュックから羅針盤を取り出す。
ぱかっと蓋を開けると、羅針盤の針がぐるぐるぐるぐると回転を始める。
多分、石狩ダンジョンに到着したので目的地を再検索しているのだろう。
「……お」
回転していた針が止まり、そしてきちきちきちと針の形が縦に長い二等辺三角形へと変化する。
そして、針の先端から一方向に向けて光線が出現した。
どうも光線はダンジョンの遥か下へと続いているようだ。
「澄火、とりあえず下に潜っていこう」
「……ん。了解」
俺は次にステータスを呼び出す。
若槻 翔
レベル59
HP 1432/1432
MP 2510/3022
SP 0
筋力 1123
魔力 1031
敏捷 1031
耐久 1121
器用 1151
MPの表示が減っているのを初めてみた。
自分から使った覚えはないので、この羅針盤によって吸い取られたのだろう。
俺は羅針盤を片手に、ダンジョンの中を進む。
低階層では澄火が全ての魔物を出会い頭に潰してしまうため、俺の出番はほぼない。
最初にエンカウントしたのは、一体のぼろっちいロボットだった。
俺と同じくらいの身長の人型一眼で、元々は赤かったのだろう装甲があちこち禿げ、わずかに残った部分も色がくすんでしまっている。
体のあちこちが壊れているようで、どこか動きもぎこちない。
「紫電」
澄火の一撃によって容赦なくロボットは破壊された。
考えてみれば、機械に雷というのは弱点攻撃(この言い方が正しいのかはわからないが)だ。
いつにも増して、澄火が無双する展開になりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます