第14話 第11階層

魔石×221

ポーション×18

剣×16

槍×10

矢尻×60

謎の羅針盤×1

剣帯×1

綺麗な指輪(なんと、MP回復量増加の機能がついてる)×1。


落品と宝箱品を合わせたリザルトがこちらだ。

魔石だけで300000くらいにはなりそうなので、今日の見入りとしては十分すぎるほどだ。

ちなみに指輪は澄火に装備してもらった。左の小指につけて、嬉しそうだ。


「先に進むか?」

「ん。もち」


声をかけると、澄火はテクテクと次の階層に歩いていく。


「ちょい待ち」


俺は澄火に追いついてぽんぽんと肩を叩く。


「……ん、なに?」


澄火はひょいっと振り向く。


「欲しいアイテムがある」

「ん、なに?」


先ほどとニュアンスは違うが全く同じ言葉を発する澄火。


「ダンジョンの入り口までワープできるようになるアイテム。高階層を探索するのに必須のアイテムだ」


さっき、羅針盤がデータベースにないか探している時に見つけたのだ。


「どんなの?」

「こんな感じのやつだ」


俺はスマートフォンの画面を見せる。

名称、「帰りの水晶」。


大きな水晶玉のような見た目のアイテムで、MPを階層×100込めると、瞬時にMPを込めた人間と、その人と接触している人間をダンジョンの入り口までテレポートさせる……という能力を持つ。

何回でも使えるため、とても有用なアイテムだ。


「すごい機能だよな」

「ん。綺麗な見た目」


……ん?


なんか会話が微妙に噛み合ってない気がするが、気にしないことにする。


「行くか」

「ん!」


第11階層は、だだっ広い平原だった。

こちらは第2階層にそっくりだ。


ダンジョンデータベースには、ここは「洞窟」という記載がある。


先ほどの魔法陣といい、迷宮の構造が前回誰かが入った時から変わっているのだろう。


「ん……どっちが出口?」


澄火が右と左をそれぞれ指差す。

第2階層では一つしかなかったはずの出口の位置を示すポールが、なぜか二つある。


「一つは幻……とかそういうことか?」

「……んー……とりあえず行こ」


澄火はくいくいと俺の袖を引っ張ると、ちょうどポールとポールの真ん中を目指して歩き始めた。


道中の魔物を処理しつつ行くこと30分。

なんと、そこには次の階層へと続く階段があった。


「……ウソだろ?」

「……ん。思った通り」


澄火はドヤ顔でそう言った。


「先へ進むか」

「ん」


次の第12階層は、推奨レベル60。さっきの戦闘によってレベルが上がった俺たちと同じくらいだ。


「今日はここまでかな……」


俺はそう呟いて、ダンジョン十三階へと足を踏み出した。

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