第3話◆十日後にやらかすグラン&巻き込まれるアベル――三日目

 昨日冒険者ギルドの図書室で読んだ本によると、植物を溶かす生物は思ったよりも存在した。

 その中には俺の知っている生物も含まれており、答えは意外と身近にあるかもしれない。


 近場で手に入りそうなのは虫やキノコがあるな。虫は微妙そうだからキノコか?

 そんな感じで昨日はピエモンの冒険者ギルドの図書室で調べ事をした後は、森に入ってキノコを集めに励んだ。


 今の季節は初夏だが、初夏でも美味しいキノコはたくさんあるぞぉ。

 キノコを集めていると毛玉ちゃんがやって来て手伝ってくれた。

 途中からラトもフラリとやってきて、キノコならたくさんあると色々分けてくれたが、ヴァーミリオンファンガスだのホホエミノダケだの危険なキノコが混ざりまくりだった。

 どうしてラトはいつもそんな変なキノコを持っているんだ。

 ん? イルミネーションファンガス? 七色に光るキノコ? 食べたら体毛が七色に光る?

 何だその珍妙なキノコ!? そんなキノコ、初めて聞いたぞ!!

 偉大な森の神秘? なるほど? まぁいいや、くれるなら貰うよ。きっといつか何かにに使うかもしれない。

 そんなわけで昨日は普通のキノコの他に、怪しいキノコもたくさん持ち帰ることができた。




 そして今日!

 昨日キノコはたくさん手に入れたのが、やはり実験というのは一つが失敗してもいいように多方面からアプローチをしたい。

 昨日読んだ資料によると、貝類にもそういう性質のものが多いみたいだな。

 貝というと海か……。


 海……海に行きたいな。


 ああ、いやこれは俺の高尚なスライム研究のためである。決して海で遊びたいわけではない。

 ちょうど森で集めたキノコもあるし、次は海で潮干狩りかな?

 そうだな、色々な貝を採取して試してみる価値はあるだろう。

 そう、色々な貝をたくさん。使わないやつや余ったやつは、美味しく召し上がればいい。


 そうだ、海へ行こう!!


 といってもうちは山の中なので、ここはアベルを買収するしかない。

 お、ちょうどリビングで暇そうにプリンを食っているな。


 ヘイ! タクシー!!


 間違えた。って、タクシーって何だ!?


 ヘイ! アベル!!

 俺と一緒に海行かない?


 え? 何その俺を疑うような目は?

 何も変なことはやってないよー。

 そうそう、潮干狩り! 貝掘り! 浜焼き! バーベキュー!!



 そんなわけでアベルを仲間に加え、植物を溶かす貝を求めルチャルトラへと向かった。

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