第4話 旅路

2人で行動を共にすると決めた ディラスとクレナ。

何かしらの手がかりを探す為に2人が目指す場所は 「大都市 ハーミルト」。


ディラスが記録を見る中でハーミルトが1番大きな都市であると書かれていた為、まずはそこで情報を集めることにした。


お互い誰かと一緒に外に出るという事は初めての体験で、どこまでも続く大草原、青い空や白い雲。

今まではどれも濁っていた景色だったが、2人で見ることによって、全くの別の物と言っていいほど素敵に見えた。


周りには草を食べている馬の家族。

この光景を見ることによって 何故かディラスの胸の中の痛みは和らいでいく。


クレナも同じ様な事を思ったのか、目から涙が溢れていた。


ハーミルトには歩いて2日かかる距離で、2人は自分達の身体が腐る恐れを持ちながら早歩きで街を目指していく。


その旅路は何にもない道だったが、2人にとっては凄く刺激的な光景ばかりだった。



1日歩き疲れた2人は森の中で野宿をする事にする。


この世界では森の中は神秘的な土地とされ、争いやパーツの奪い合いなどは禁止にされていると記録に書かれていたからだ。


一応、交代で見張りをつけ休息をとることにした2人。


寒さから火をつけ焚き火をしていると、周りから色々な動物達が集まってくる。


シカの親子、馬の群れ、鳥達。

ディラスとクレナから見たこの動物達は何故かすごく羨ましく、綺麗に見えていたがそれが何でかは分からない。


「この胸が安らぐ感覚はなんだ…?」


1つの疑問を残したまま疲れから ディラスは動物達に囲まれて眠りにつく。


朝の日差しの眩しさで2人は目覚める。


夜にいた動物達はどうやら森の中に帰っていったみたいだ。


家から持ってきていたパンを食べ2人は街に向け森の中を進む事にする。


森の中は外の世界とは違う雰囲気だった。


綺麗な川や鳥のさえずり、木の実を食べている小動物達。


これら全て2人の目には輝いて見えた。


森の中はとても長い道のりだったのが、新しい風景に感銘を受けていた2人には短い時間と感じる程あっという間に森を抜ける。


森をぬけてすぐ目に入ったのは所々から煙がたち昇っている大きな都市。


そう、2人はようやく「大都市 ハーミルト」に到着したのだ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る