思春期の少年の心情描写
B-第01話:沈む夕陽に想いをよせて
窓から入る夕陽が瞳に映る。今日といういう日が過ぎ去っていく。今という時間が過去に飲まれ、未来と言う希望が今という現実に置き換わっていく。今日、僕は何ができたのであろうか?
これから空は夜が支配していく、空は闇に飲まれていく。そして僕の一日も、過去と言う闇にのまれていく。僕は、心の中で、今日起きたことと気持ちをぽつりぽつりとつぶやき始める。
でも、それが何の意味を持つかはわからない。それが何に
砂漠で遭難した旅人は、ただ漠然とオアシスを求めて
僕は、僕の心は苦しいという悲鳴をあげる。僕は明日に進むため、大丈夫、ただ大丈夫と心の中で繰り返す。でも、僕は、それが大丈夫でないことを知っている。でも、そう思わないと生きていくことができないことも知っている。明日という現実は、僕にその生き方しか許してくれないのだから。
目の前で起こる残酷な日々、ただ笑って過ごすだけの日々、心の痛みを失っていくだけの無機質な日々。そんな僕の毎日に何の意味が残っているのだろうか?
世の中すべてのことに意味なんてないかもしれない。意味は造るだけのものかもしれない。でもそんな造られた意味という
僕が心の中でぽつりぽつりと紡ぐ言葉は、ぽつりぽつりとした涙に変わり、僕の頬を
でも、僕の心は、この現実に痛みを感じることができない。鈍いナイフで僕の心は切りつけられているのに、僕の心は痛みを感じることができない。そう、これが大人になるということなのだ。
僕は、これから、多くの大人がそうするように、この
夕陽は地平線に沈み、空を覆うのはかすかな残照のみ。この先、僕の心に希望という残照はいつまで残っていてくれるのだろうか? このかすかな残照がなくなった時、僕はちゃんと前を向けているのだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます