第5話 スノー 大学で俺の幼馴染みに出会う

ギルドから路面電車に乗って約10分の距離に俺が通っている大学がある。


路面電車内でもスノーは大人気だ。 直接話し掛けてくる人は居なかったけど、路面電車内の乗客の視線は良い意味でスノーに釘付けだった。 乗客の視線を一人占めにしていたスノーはというと、路面電車の窓から流れる景色に首ったけになっていた。 余程景色が珍しかったのか夢中で窓から外を眺めている。 眺めている最中スノーの尻尾は千切れんばかりに左右にフリフリ。


最寄りの駅に着いた俺とスノーは路面電車を降りて大学まで歩いて行った。


「キャンキャン!!」(楽しかったです!!)


「何言ってるのか分かんねーけど、スノーが楽しそうで良かったよ」


大学に着いた俺とスノーは大学内のキャンパスに足を踏み入れた。


" あの人テイマーだ。可愛らしい魔物を連れてるわ "


" あれ、コボルト(?)かしら? コボルトって茶色じゃ無かったっけ? 白いコボルト初めて見たわ "


" あれコボルトじゃなくてポメラニアンだろ? でもポメラニアンは二足歩行しないし、やっぱりコボルトなのか? "


と周りからそんな声が聞こえてくる。 はい。スノーはコボルトです……多分。


そんな周りからの声を聞きながら歩いていると、俺の後から


「翔真~! おはよう~!」


と綺麗な鈴が鳴る様な声が聞こえてきた。 その声の持ち主の方に振り返り


「おう。おはよう藍音。お前は朝から元気だな」


と挨拶を交わした。 俺が挨拶を交わした相手の名前は 神宮寺藍音じんぐうじあいね 俺の幼馴染みである。 藍音は俺と同じ魔物学を選考している。 藍音とは幼稚園の頃からいつも一緒だ。 藍音は容姿端麗・成績優秀・スタイル抜群の女子で、何故いつも俺と一緒なのかが不思議な位なのだ。


藍音はなんとIQが200もあり超天才である。 藍音の頭脳なら某有名大学に余裕で通える筈なのに(実際その某有名大学からスカウトがあった位)自分から希望して俺と同じ大学に入学した所謂変人だ。 そして藍音は滅茶苦茶モテる。 が、1度も彼氏が出来た事がない。 何でも告白される度に片っ端から振っているらしいのだ。 理由は凄く簡単。 男子に興味が無いとの事らしい。 しかし男子に興味が無いわりには俺にずっと絡んでくる。 気付けば俺の隣にいつも居る。


やっぱり藍音は変わった奴だ。


「ねぇ翔真、あのさ、もし暇だったら、大学の講義が終わったら私と遊びに行かない? 今すっごく観たい映画が……ってあれ? 翔真、この子は?」


藍音は俺の隣にいるスノーに気付き、興味津々に俺に聞いてきた。


「ああ、スノーか。昨日ダンジョンでテイムしたんだよ。やっと俺にも獣魔が出来たよ」


「あや? そうなんだ。 おめでとう翔真♪ 翔真ずっと獣魔を欲しがってたもんね♪ この子コボルトだよね? 珍しいね真っ白なコボルト。初めて見たよ。名前はスノーちゃんかぁ。名前からして雌だね。ふあぁ♥️ スノーちゃん物凄く可愛い♥️ 見た目まんまポメラニアンじゃん♥️ ねね、翔真、スノーちゃん抱っこしても良い?」


食い付き気味に藍音がそう聞いてきた。


「本人に聞けば? 何となくだけど、スノーは俺の言葉が理解出来てるみたいだから、本人が良いって言ったら良いんじゃないか?」


俺がそう言うと、藍音はスノーに向かって


「スノーちゃん、私藍音って言うの。仲良くしてね♥️」


「キャンキャン。キャウンキャウン」(藍音様ですか。私スノーと申します)


「ねね、スノーちゃん、抱っこしても良い?」


「キャン。キャンキャン」(はい。優しくして下さいね)


スノーは藍音の問い掛けに対して首を縦に降った。


「スノーちゃんからお許しが出たから、遠慮無く抱っこするね♥️」


藍音はスノーを抱き抱え、スノーに頬擦りしだした。


「ふあぁ♥️ モフモフ♥️ 気持ちいい♥️」


「キャン💦 キャンキャウン」(藍音様💦 くすぐったいですぅ)


スノーから少しだけ抗議の鳴き声が聞こえたが、嫌がってはいないみたいだった。 藍音は気が済むまでスノーをモフモフした後、スノーを地面に下ろして


「ふ~。満足満足♪ 何かスノーちゃんが何か言ってたみたいだけど、何を言ってたのか分かったら楽しいだろうなぁ。 ……あっ、そうだ!」


藍音は自分の手をポンッと叩き


「翔真、2限目の講義の後私に少しだけ時間をくれないかな?」


「あ、ああ、良いけど。藍音、何をするつもりだ?」


「エヘヘ。良い事思い付いちゃったんだ~♪ 大丈夫。1時間もあれば終わるから。翔真、後で大学のラボに行こう♪」


「分かったよ」


「勿論スノーちゃんも一緒にね♥️」


「キャン」(はい)


藍音はラボで何をするつもりなのだろうか?







ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m


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