第4話 スノー 探索者ギルドデビューする
次の日の朝早くに俺はスノーを連れて探索者ギルドに向かった。
何故朝早くかって? それには事情がある。 それはと言うと、今日は2限目から大学の講義が入っているからだ。
ギルドに行く道中、スノーは物凄く楽しそうに周りをキョロキョロしながら俺の後を付いてきていた。 スノーの少し短い尻尾も左右にユラユラと楽しそうに揺れている。
スノーは見た目ポメラニアンみたいな感じだ。 一般的なコボルトはどちらかと言うとハスキーみたいな見た目をしている。
街の人々は俺とスノーを見て何か言っている。
" 見てあのワンコ! 滅茶苦茶可愛い❤️ 二足歩行してるから魔物かしら "
" 真っ白な毛並みと少し短い尻尾がキュート♥️ "
" あのワンコ雌? それとも雄? 顔立ち可愛いからきっと雌ね♥️ "
" 珍しいな。コボルトで白い毛は。稀少種かな? 見た目ポメラニアンだし "
街行く人達のスノーを見た反応がこれだ。
テイムしている俺が誉められているみたいで何だかちょっと嬉しい。
一方誉められているスノーはというと
「キャンキャン!! キャウン~!!」(鉄の馬が走ってます!! 滅茶苦茶早いです!!)
「キャンキャン。キャイン」(何だか良い匂いがします。お腹空きました)
と少し興奮気味に鳴いていた。 スノーの言っている言葉が解れば良いんだけどな。 解んないから基本的にスルーで。
まもなくして探索者ギルドに到着した俺とスノー。
ギルドの扉を開けて中に入る。
「いらっしゃいませ。探索者ギルドにようこそ。今日はどんな御用事でしょうか?」
ギルドの奥にあるカウンターから受付嬢さんの明るい声がする。 俺はカウンターまで移動し受付嬢さんに話しかけた。
「テイムした魔物の申請に来ました」
「はい承りました。申請される魔物は?」
「コボルトです。 こいつがそうです。 名前はスノーと付けました」
俺が受付嬢さんと話をしている間にスノーはカウンターによじ登り、受付嬢さんの顔をじっと見詰めていた。
「コボルトですね。……って、えっ? この子ですか? ……この子、真っ白じゃありませんか?」
受付嬢さんはスノーの姿を見ると、物凄くびっくりした顔をする。そしてスノーの毛の色を確認してきた。
「はい。スノーの毛の色は白です。 びっくりしますよね。普通コボルトの毛の色は茶色ですから」
「はい。受付をしだして2年経ちましたが、白いコボルトは初めて見ました。 もしかして稀少種かも知れませんね」
「じゃあ、早速ですが、時間があまり無いのでテイム申請をお願い出来ますか?」
「は、はい。では申請用紙に記入をお願いします」
俺は受付嬢さんから渡された申請用紙の必要項目を記入していく。
俺がその作業をしていると、スノーが受付嬢さんに
「キャンキャン。キャンキャンキャウン」(初めまして。スノーと申します。宜しくお願い致します)
と鳴きながら自分の毛をスカートに見立てて見事なカーテシーを披露していた。
それを見た受付嬢さんは物凄くびっくりしていた。
「魔物で挨拶をしてくる子は初めて見ました。しかも見事なカーテシーをしてくるなんて……」
申請用紙に記入し終わった俺は、あんぐりと口を開けている受付嬢さんに声を掛ける。
「記入終わりました。宜しくお願いします」
俺の言葉にハッと我に返る受付嬢さん。
「う、承りました。申請受理には半日程掛かりますので御了承下さい」
「分かりました。じゃあこれで失礼します。スノー、行くぞ」
俺はスノーに声を掛けてギルドを後にする事にした。
スノーは受付嬢さんに頭を下げた後、急いでカウンターから降りて俺の後を追ってきた。
さて、申請も終わったし、大学の講義を受けに行きますか。
……大学にスノーも連れて行っても大丈夫かな?
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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