第2話
「前回は雷だったから怒られたが、小規模の放電なら大丈夫のはず!」
そう言って先輩は昨日の部活の時から徹夜でシステムを組んでいた。
そして放課後、サイエンス部の部室も兼ねている化学実験室に行くと、窓はカーテンで閉じられ部屋の中心にテスラコイルが2台おいてあった。
「今回はちゃんと先生からの許可を取った上で安全に実験をする!」
実際、今回の実験はサイエンス部の顧問でもある化学の先生(複数)が同席している。
いつもよりかは危険度が低い実験ではあるが、いつものことを考えるとどんなことが起こるかわからないので、先生たちが集まっている。
先輩が装置を起動する。
それと同時に、こちらでは撮影を開始する。
今回演奏するのは、少し前にアニメの主題歌として発表されて今では一種のネットミームとなっている曲だ。
撮影が完了し、サイエンス部の動画編集班に動画を渡す。
この学校のサイエンス部では日々の実験などを動画で記録し、それをとある動画投稿サイトで公開している。
最初のころは授業の中で流しても違和感のないまっとうな実験のものが多かったが、最近は部員の募集と部費の確保のために面白い実験を撮影して公開している。
そうしているうちに、なぜか放送部やパソコン部と手を組むようになり、動画編集班や近くの施設での公開実験のためのアナウンス班ができてきた。
今回の動画はうまく流行に乗れたようで、それなりに再生数が伸びた。
しかし、この動画のイメージが強くなりすぎてチャンネルの方向性がテスラコイルに向いてしまい、それを目的に入ってくる新入生が増えてしまった。
サイエンス部員の狂行 ミンイチ @DoTK
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます