第45話 列車だよ ★改稿


 信仰ポイントがかなり溜まったことで、俺の世界樹レベルが14から15に上がった。

 すると、メニューに今までになかった項目が追加されているのに気が付いた。



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メニュー


 建築

 購入

 売却

 創造

 設置

 通販

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「つう……はん……?」


 新しく、通販という項目が追加されている。

 これは、購入とはどう違うのだろうか……?

 どうやら、レベルが15になったことで、新しく使えるようになったようだ。

 そういえば、信仰ポイントの説明のとき、最初に、世界樹レベルがあがると、やれることが増えるってエルフが言ってたな。

 だけど、どういう項目なのだろうか。


 とりあえず、使ってみるしかないか。

 俺は通販のメニューを開いた。

 すると、そこにはまるでAmazinのようなサイトUIで、さまざまな商品が並んでいた。

 醤油からエナジードリンク、果てはパソコンやゲーム機。

 どれも信仰ポイントで買えるようになっているようだ。


「どれ、試しに買ってみるか」


 俺は試しに、最初に表示されているエナジードリンクをぽちってみる。

 すると、信仰ポイントが消費され、俺の手元に、一瞬でエナジードリンクが現れた。


「おお……! これは……! 便利だ……!」


 文字通り、通販というわけか。

 しかも、こっちの異世界にはない、現代的なものまでとりそろえられている。

 それが、一瞬で手に入るというわけだな。

 これはすごく便利だぞ。


 一見、創造メニューと大差ないように思えるだろう。

 創造メニューからなら、同じようになんだって手に入るからな。

 だが、その実態は違う。


 まず、創造メニューから創造すると、俺がかなり神経を使って、想像し、創造する必要があるのだ。

 だから、俺の記憶に深く刻まれていないものはつくれない。

 それに、新しいものを作ろうと思えば、それなりに時間がかかる。

 そして、なにより信仰ポイントをかなり消費するのだ。

 だがこの通販メニューからなら、一瞬でほしいものを買えるし、考える必要もない。

 信仰ポイントも、あまりかからない。


 これは創造メニューとはまた違った便利さがある。

 これからは食料などはこの通販メニューからいろいろ買えて便利だな。

 それに、創造する暇がないときなんかにも便利だ。

 さらに、俺があまり知らないものまで買うことができるのもいい。

 中には、創造しようにも、そもそも思いつかなかったものもあるからな。


 さて、レベルアップの確認も済んだことだし。

 次に俺がとりかかるのは――。


「電車だ……!」


 俺は、創造メニューから、列車を作り出すことにした。

 今のままだと、グリエンダ帝国まで移動するのには、かなり時間がかかる。

 ラック商会との取引にも、やはり毎回馬車で移動していては、非効率だ。

 だから、俺はせっかくだから列車をひこうと思った。

 この世界にも、一応蒸気機関車はあるようだ。


 だから、列車もすんなり受け入れられるだろう。

 俺は創造メニューから、線路と列車を作り出した。

 そして、線路をゴブリンたちに、グリエンダ帝国までひいてもらった。

 これでユグドラシル交通が開通だ。

 列車を使って、グリエンダまですぐにいけるようになった。


 これからはラック商会との物資交換も、列車を使った輸送に頼れる。

 さらには、観光客の大量輸送も可能だ。


 ユグドラシル王国は、ますます発展することだろう。


 そして、列車が開通してからしばらく――。


 俺たちの国に、うれしい知らせが舞い込んできた。


 エルフのエルとエラに、子供が生まれたのだ。


「セカイさま、ご覧ください。私たちエルフに新たに子供ができましたよ……!」

「おお、それはおめでとう……!」


 エルフは女性しかいない、だから不思議に思うかもしれない。

 だけれど、どうやらこの世界のエルフはそういうものらしい。

 エルフはなぜか女性同士でも妊娠ができる生き物なのだそうだ。


 新しく生まれた子供は、エリーゼと名付けられた。


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