第8話 Let’s 弁明タイム
ん?
わざわざ人の家の窓を割ってまで入ってきた男の第一声が謝罪?
いやまあ、1番当然の第一声なんだけど、それならわざわざ窓とか割らなくても良くない?
そこで私の片足に未だしぶとくしがみついていた山田がここでようやく男の存在に気付くと、我に返ったような表情をする。
「わ、渡邉…」
「え?知り合いなの?」
男。渡辺というらしいが、ふぅ〜っと息を吐いて
「や・ま・だ・さ・んんんん?一体全体どういう経緯でこんな一般人と関わっているんですかねぇ?なーんか帰りが遅いなとは思っていたけど、それがいつもみたいにしょうもない寄り道ならまだしもと思っていたけど、よりによってこんなよく分からない状況に陥っていることを僕に納得できるような説明をしてもらえませんかねぇ?」
玄関前を含めてさっきまでのおとなしそうな雰囲気はどこへ。
一気に捲し立てるような言葉の羅列。
ばぶばぶしていた山田もいつの間にかその場に正座を決め込み、ここに来た時みたいなビジネスウーマンみ溢れる表情へと戻っていた。
「いや、その…。でも、私はむしろ人としてやるべきことをやった訳で…」
「ただの一般人をこんな状況に巻き込んでおいてやるべきことをやったと。そう言える訳ですか?」
なんかさっきまでの私と山田のやりとりを見てるみたいだ。
なんか一方的にいい感じにまとめられてる感。
あ、やばい。まだバブみの香りが残ってるからか山田がもう泣きそうだ。
もうやめて!山田の
「あのー」
流石にこんな山田を見ていて黙っているのも気が引けるというもの。
「山田さんが言ってることは本当でむしろ迷惑をかけてのは私の方で…」
渡邉は私の声に耳を傾ける。
「なるほど?それでは詳しくお話し聞かせてもらってもいいですか?」
私と山田はかくかくしかじかを渡邉に話した。
「つまり、笹宮さんは無意識のうちに飛び降りをしていてそれに気づいた山田が救助に向かったと」
「はい。なので、出来れば山田さんにはお手柔らk」
「それが一体全体どうなったらこんなはっちゃけパラダイス状態になるんです?」
「いやあのそれは…」
「2人とも正座」
「「はい」」
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