第17話

「組織?」

「そうだ。 ここは【ニューノーマル】と呼ばれる組織の建物の中だ」

「【ニューノーマル】?」

また新たな名前が出てきた。

正直、みんな格好いい名前が好きなんだと、俺はどうでも良いことを考えた。

「我々の組織は世界で発現する変態した人間の収監、およびテロに荷担した者たちの抹殺が目的になっている」

軍人さんはかなり冷たく、低い声でいう。

まじで尿が漏れてしまうのではないかと思うようなほど威圧感を感じる。

「完全に世間には公表されてはいない組織のため、存在はごく一部の者にしか存在は知られてはいない」

軍人さんは俺の方を見ながらいう。

どうやら俺は大変なことに巻き込まれのだと思った。

「今回、あの場所に君がいたことがイレギュラーだった。たまたま平田の存在を調査員が出現場所を予測でき我々がそこへいき、平田のみを生け捕りに出来たかもしれないと思ったからだ。 しかし、むかった先に君がいたことで事態は変わってしまった。おかげで、【デスヌード】の面々がこの国いることは間違いない事は確定した」

軍人さんは続けて言い切ると、これからが君にとって大変なことになると続けた。

いやもう既に大変な目に遭って仕舞っているのは確かなんですが、より一層、大変な渦中に入って仕舞ったということは実感している。「我々は一般市民に被害が及ばないように、普段から変態たちの同行を探っている。今回は君のようにイレギュラーな存在はきわめてまれではある」

軍人さんは言った。

「はぁ・・・・・・。そういえば、そこにいる美怜と呼ばれた女の子も【変態】なんですよね?」

俺が聞くと美怜はまたさらに眉間に皺をよせて、口を開く。

「今、なんて言ったの? 変態って言わなかった?」

メンチを切りすぎてもはや、睨みを通り越してすごみになっているような気もするがなんでそこまで変態と毛嫌いするんでしょうかね

俺は黙ってはいたがやはり気になることはおおくなる。

「美怜」

彼女を止めるように軍人さんは低い声でいう。また彼女は渋々、諦めて俺を睨みながら、後ろで立ち続ける。

「たしかに彼女たちは変態ではあるが、毛色が違う」

「違う?」

「そうだ。変態【メタモルフォーシス】をした人間は利己的な欲求に走りたがる。だが彼女たちは自制心を持っている。そのため、集団行動にも問題ない。普通の一般人とかわりなく行動できる」

俺はちらりと美怜と隣でスマホをいじる葛道と呼ばれた女の子を見る。

確かにこう見てみると普通に変わらない気がする。

だが普通ってどういうことだ?

一瞬、俺の頭の中に欲わからないつっかかりのような疑問が生まれた。

だが、今はそんな事を気にしている余裕はない。

俺は邪念と呼べるものを振り払うかのように集中してきこうと思った。

「だからこそ、【ニューノーマル】では変態した人間も作戦の中で行動している」

軍人さんは笑うことなく、隻眼を見ながら、言った。

「わかりました。 でも、今回、説明して貰ってよく理解のようなことはできましたが、正直、なんで俺は連れてこられなきゃ行けなかったんです?」

俺はささやかな抗議を再開することにした。

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