第6話 ノーは言えない
「変な考えはしない方がいいよ」
自分の右側のこめかみに何か固い物が当てられると同時に、別の女の子の声がした。
俺は今日は別の意味でのモテる日なのかと思い、顔を横に向けた。
「それ以上動いちゃ、ダメ」
俺が横に向くと目の前にあったのは銃口だった。
そして俺に向かって構えているのは今、平田と呼ばれた女の子と同じ制服を来たまた見知らぬ女の子だった。
別の女の子は眼鏡をかけていて少しショートカット気味の髪型。
俺はそこまで目に入ると、そのまま女の子が言った理由に気が付き、すぐさまハンズアップということを人生初めて行った。
女の子は無表情で俺にハンドガンをむけながら言った。
「美怜は本気だから、私の言うことに素直に従って」
美怜って、今、聞こえたがそれが目の前で戦闘をくり広げている金髪の女の子の名前なのだろうか?
そして素直に従えというが、従うしか選択肢がない気がする。
そんな事を俺は思いながら、二つ返事をする。「はい……」
つーか、銃をむけられた状態でノーと言える勇気はない。
銃口をむけた女の子はゆっくりとうなづき、口を再度開いた。
「一旦、この場を離れるわよ」
そういい、女の子は銃を持つ手と反対の手でジェスチャーをする。
ついてこいというのだろうか?
俺は取りあえず、目の前の女の子の指示に
従い銃口を突きつけられたまま、自販機の側を離れる。
そしてそのまま、金髪の女の子と平田の側から距離をとる。
ある程度、距離をとるとショートカット眼鏡の女の子の足取りがとまる。
「これくらい離れていれば大丈夫」
そういって彼女は止まり、言った。
「まだ、美怜と平田の戦い気になるでしょ?」
そう言って彼女は銃を突きつけながら、俺にもう少し観戦したらというニュアンスで言った
確かに気にはなるけど、スポーツじゃねぇし、正直どんな気持ちで見続けたら正解なの?
俺はそんなことを思い頷き、さっきの金髪の女の子達のいる方を向いた。
金髪の女の子と平田は未だに戦闘が続いていた。
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