第4話 新しい生活とマッパ

「そこの男子、死にたくないならそこをどいて!」

今、はっきりと【男子】と言ったが俺の事で間違いはないだろうか?

俺は訳がわからず、自分を指さした。

金髪の女の子は俺の様子を確認し、叫んだ。

「そうよ。 このうすらボケ」

うすらボケって……。

俺は取りあえず、女の子が言ったように自転車ごと道の片道に寄せた。

するとサラリーマン風の男が口を開いた。

「ちっ、もう来たのですか? まさか貴方は【ニューノーマル】の仲間ですか?」

サラリーマン風の男は眼鏡を治し、眉間に皺をよせながら女の子に言った。

金髪の女の子は微動だにせず口を開いた。

「平田マサムネで間違いないわね」

「答えなければならない義務でもあるのですか?」

「答えなくてもいいわ。 ただ正体を表せ、この変態」

女の子は口が悪いのだろうか?

俺がそう思っていると、急にサラリーマン風の男は笑い出した。

「ふっふっふっふっ。 隠してなどいませんよ。 まだ外気温が寒いから着ていただけですよぉ!」

サラリーマン風の男はニヤリと笑い、トレンチコートを脱ぎ捨て叫んだ。

トレンチコートの下から現れたのは彼の身体にフィットしたピンク色のレオタードだった。しかも、腰回りには可愛いヒラヒラした物がついていた。

悲しきかな、お腹がぽっこりしているのがどうしても目に入ってしまう。

そしてその姿を眼にしたとき俺は思った。やぱっり変態じゃんと。

「今、変態と思ったでしょう! 否、私の正装にして本当の姿」

平田と呼ばれた男は金髪の女の子に向かって、言った。

正直、俺も思いました。

俺は口にせず、その光景を見ているだけ。

平田はヒラリとターンをし、そのまま構える。「我ら【デスヌード】には隠し事は不要」

平田はドヤ顔をしながら目の前のライフルをかまえる女の子に向かって言った。

「お嬢さん、貴方のお名前は?」

平田は、まるで紳士のような声で問いかけた。「答える必要ある?」

女の子は淡淡と言い、ライフルをかまえる。

「強情なお嬢さんだ」

平田は眼鏡をくいっと直す。

「強情って……、あんた達変態達には言われたくない」

女の子はそう一言言うと、指をかけていた引き金を躊躇なく引いた。

バンという激しい音がし、俺は驚いた。

「おわっ!」

驚きすぎてただ呆然とその光景を呆然と見つめるだけ。

俺は急なこと過ぎて、平田の方を見る。

平田は撃たれたのか、上半身をだらりと後ろに反っていた。

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