第7話 チルドレン・ラストレコード
子どもたちは憤っていた。いつまで経っても子ども扱い、自分たちだって大人だと言われたかった。
大人たちはだらけ切っていた。長い時間をダラダラと貪っていた。
子どもたちは決めた。大人たちが大事にしている機械を壊そうと。
そうすれば必死になって働くだろうと。怒られても自分たちを見てもらえると。
子どもたちは破壊した。永遠を生きるための装置を。
子どもたちは年をとらない。人造人間、年も取らない子どもも作れなくなった人類の愛玩動物ならぬ愛玩ホムンクルス。
大人たちは加齢していく。長い時間にかまけて彼らは生命延長装置の直し方も作り方もわからなくなっていた。
忘れかけていた死の恐怖に大人たちが悲鳴を上げる。木霊する絶叫の不協和音は歌のようでもあった。
殴り蹴られ罵られても、構ってくれる大人に子どもたちは顔を綻ばせる。子どもたちは最後まで笑顔だった。
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