第5話思い出の雫
魔法使いは混濁した意識の中で記憶の破片を飛び散らせる。
「エルフと言うものはね森に迷い込んだ人達を見かけたら自分達の村に案内したりするの、迷い込んだ人達が困らないようにね!」
魔法使いの胸の内から懐かしさが込み上げる飛び散った記憶の欠片の中にあったもう思い出すことも無い遠い昔の記憶、ふと魔法使いの意識は徐々に戻っていき一抹の冷静さを何とか取り戻す。だがしかし、事態は以前変わらず窮地この戦い魔法使いにとっては一つ一つの行動が自殺行為に等しくもはや生きて帰ることすら夢物語である。しばらくするとまたもや魔法使いに頭痛が走り古い記憶が滲み出る。
「、、、、は追いかけっこが大好きな暴れん坊な妖精さん!森でかけっこをして勝てたものは誰一人としていないでも木登りが苦手な不器用さん。ね、読んでいて面白いでしょ!」
動悸はおそまらず魔法使いは思考を張り巡らせひたすら起死回生の一手を考えるその間エルフはこの状況を楽しむかのように軽やかに歩みを進め魔法使いのもとにやって来る。リズミカルに鼻歌まじりの恐怖が海岸の波の用に押し寄せてきている。それはまるでこれから災害が起きる予兆なようなものであった。するとさっきの人間を見つけエルフは不思議に目を丸くしながら質問した。
「なぜ僕から醜く生にしがみつく様に逃げない?」
そんな問いに魔法使いは返事を返さなかった。
するとエルフは徐に手を前に掲げると問答無用で一瞬にしてとてつもない轟音と共に辺りは一面火の海に変わり果てる。エルフの前にいた人間はせめてもの抵抗で魔法で水の壁を作るも虚しく灼熱の炎で体を焼かれぐったりと転げ落ちた。戦いの決着がつき悠然と後ろに振り返り去ろうとした直前エルフは後頭部を氷柱で貫かれ不意打ちを喰らうすぐさま倒れた人間の方を振り返ると以前焼け焦げた肉塊があるだけ他の者の仕業かと思い辺りを警戒していると今度はエルフの喉を氷柱で貫かれる。一体何処から僕を攻撃しているとエルフは困惑したがふと下に目線をやると氷柱が全て真っ直ぐ地面に突き刺さっているのを見てふとまさかと思いエルフは上を見たらついさっき燃やしたはずの魔法使いが生きて自分を殺しに掛かろうとしていた。それを見た直後に氷柱でエルフは両眼を貫かれた。だがエルフは意に介さずまた同じように手を掲げた瞬間ドス!と言う音と共に焦げた肉塊が突如動き出しエルフの胸を氷剣で突き刺す。摩訶不思議なことが立て続けに起こる。エルフは二人の魔法使いの攻撃を捌かなくてはならなくなった。エルフは焦げた肉塊に触れる。そして肉塊は泥のように崩壊する。エルフはあざ笑う。
「ハハッ、君中々面白いね」
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