第2話          不自然な悪臭

「おい! お前の服やけに臭うぞ」

「臭い、臭い、臭い!」

森に帰る道中常に魔法使いの後ろにいた妖精の少女サチが鼻を強く握りしめる用につまみながら魔法使いに激しく訴えた。軽く草木が彼女の周りで揺らめき植物が少女の怒りに同調しているようだった。

それもこれもモンスターを荒く討伐してしまいそのせいで、近くにいる者ですら多少憤りながら訴えるほどの悪臭であり遠くに居ても軽くえずいてしまう。現に近くにいたサチとは別の妖精の少女ハナは鼻をつまんでいながらもその悪臭のせいで胃液が逆流してすぐそばに会った草木に勢いよく吐いていた。

その光景を見て魔法使いは何故そこまで苦しんでいるのか解らなかったそれは魔法使い自身その悪臭を感じ取れなかったのである。魔法使いは何故自分だけ感じ取れないのか理由だけでも解明しようと手に持っていた魔道書を開き命令をして発動させた

「我が、体に舞っている醜悪な香りを告白せよ!」

その言葉に反応して、魔道書の茶色く黄ばんだ紙が風に当たっているかの用に目にも止まらぬ速さで捲られていくと急にに止まりそこには、悪臭の事についての説明がありその悪臭が改めて常軌を逸していることが解ったのと同時に突如なんの前触れもなく森に異変が起きた。

それを察知したサチは生命の危機を感じ目を血走らせながら瞬時に発動させた魔法陣でいついかなる時も対応できる用に最大限の警戒体制に入ったその瞬間今までずっと緑の透き通った濁りの無い清廉潔白な空気だったのが血と臓物の匂いが蔓延し、そこには自然豊かな空気の面影は微塵も感じさせなくなりそこは生きている全ての物の命を吸いとる死の樹海に早変わりした。

「おいおい! 今度は一体何だよどんどん臭いが強くなってんじゃねーか!」

辺り一面汚物の臭いで充満した森でサチはイライラしながら困惑していた。魔法使いは何かを真っ直ぐとした視線で毅然とした面持ちで見つめた後に獅子の用な形相で地面に魔法陣を張っていたサチに落ち着いた声で魔法使いは、語りかける

「サチ君はハナ君を連れて全力で獣達から逃げるんだ」

そう言われサチは何故だ?と聞こうとしたが魔法使いはいつの間にか魔法でワープしており少女達は唖然としながら

サチ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

魔法使いの思わぬ行動にサチは困惑が際頂点に達してせっかく張っていた魔方陣が解けてしまうほどの驚きぷりであった。そんな状況を木々の生い茂った所で鋭い眼光で睨み付けている複数の獣達がいた。

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