第2話具象
0:そのまま館の部屋で娘は寝ていた
0:何も怪しくはない、楽しい館さ
0:歩き続け、歩き疲れた時は一休みが必要
0:娘はぐっすり寝ていた
執事:お嬢様、起きてください、朝ですよ
娘:・・・ん?
執事:いい朝日ですね、陽の光を浴びましょう
娘:・・・うん
執事:寝ぼけてらっしゃるのですか?
娘:んー
娘:おばあちゃん・・・
執事:おばあちゃん?
娘:どこにいるの・・・おばあちゃん
執事:あなたのおば様などおりませんよ?
娘:・・・はあ
0:娘は二度寝をする
執事:あなたのおば様など・・・
犬:わおーーーん!!!起きるわん!朝だわん!朝から懸垂(けんすい)僕柴犬!
ロボ:ウィーンガシャ!闇が浄化され光が差し込む僕はロボ
犬:わん!わん!けん玉やろう!僕柴犬!
ロボ:紅に染まった眼球だと?僕はロボ
犬:眼球なんて言ってないわん!地雷案件、僕柴犬!
ロボ:紅に染まるより、闇に染まれ、ダークボール!僕はロボ
犬:けん玉投げるな!喧嘩上等、僕柴犬!
執事:騒がしいですよ?お嬢様が寝てらっしゃるのですからお静かに
犬:それはあなたの意見、僕柴犬!
ロボ:己の限界を超えることこそが明日への希望、僕はロボ
娘:んもう・・・うるさい
執事:ほら、お嬢様が起きてしまった
娘:歯磨いていい?
執事:すっかり元気になられましたね、どうぞ、こちらへ
主:おはよー!お嬢さん、気持ちよく寝れたかな?
娘:うん!おかげさまで
主:朝ごはん食べて行くかい?
娘:うん
娘:執事さん、今日もおいしいわ
執事:嬉しいお言葉です。お嬢様
犬:今日は娘さんまた出かけるの?
娘:うん
主:お嬢さんは何が目的でさまよってたんだい?
娘:・・・おばあちゃんが病気なの
主:・・・ほう、おばあ様が
娘:うん、だから、森を抜けた先の街で薬を貰おうかと思って
執事:森を抜けた先・・・あのお薬は
主:私がその薬を作ったのだがお嬢さん、薬欲しいのか?
娘:え・・・?主さんが薬作ってるの?
主:ああ、私が人を助けたいと思ってるのは言うまでもない
主:まさか・・・君が私の薬を求めてたなんて、運命としか言いようがないな
娘:ほんとだね、感謝してもしきれないよ
犬:絶対的な安全圏!僕柴犬!
ロボ:運命に導かれた娘はご主人様という道しるべの元に闇夜に放たれる僕はロボ
主:嬉しい・・・こんなに嬉しいのは久しぶりだ
主:ごめんね、お嬢さん、歳のせいか涙脆くてね
主:君という運命に朝から乾杯しようじゃないか!
娘:うん!
執事:これでお嬢様の目的は達成されましたね
娘:ありがとう!
犬:最高だわん!幸せの権利、僕柴犬!
ロボ:嵐のような人生でも、落ちずに残る花びらの如く、僕はロボ
主:楽しく宴をしようじゃないか!
娘:あっははは!
執事:さあ、ケーキをご用意しました。みんなで食べましょう
娘:おいしいわ!執事さん!最高よ!
執事:そんな、お嬢様のお言葉はいつも私の心を幸せにしてくれます
主:お嬢さん。出会ってくれてありがとう!感謝してもしきれないよ!
主:私たちは君という存在を絶対に忘れないよ!
娘:私だって忘れないわ!あなた達は本当にいい人たちで、私の方こそ感謝よ!
娘:忘れるも何も、ここで出会ったんだからもう私もあなた達の仲間よね!
主:ん?何を言ってるんだい?
娘:・・・え?
主:仲間は私を含め、執事、犬、ロボの4人だけさ
主:君は仲間だとは思っていなかったが・・・
娘:・・・嘘、でしょ?
犬:わん!わん!険悪ムード、僕柴犬!
ロボ:争いはやめてくれ・・・血がうずくんだ・・・
執事:お嬢様はおば様の所に戻ってあげてください
娘:戻るよ・・・戻るけど、またここに戻ることは?
主:ここまでどうやって行くのかわからないだろう?
娘:地図を教えてよ!
主:すまないねぇお嬢さん、この館はただでさえ秘密の館なんだ
主:仲間ではない人には道を教えることは出来ない
娘:そんな・・・私、仲間になれないの?
主:なれない。君はまだ僕の薬を飲んでないからね
娘:何の薬!?何でも飲むよ!
主:本当かい?
執事:しかし、ご主人様、これ以上の仲間は増やせないと・・・
主:まあいいだろう、お嬢さんは特別だ
娘:特・・・別?
娘:じゃあ仲間にしてもらえるの!?
主:もちろん、さあ、この薬を飲んでくれたまえ
娘:うん!パクっ
主:執事よ、お嬢さんを部屋に入れてあげて
執事:かしこまりました
娘:これで・・・仲間になれるんだ
執事:さあ、中に入ってください
0:娘は一つの部屋の扉を開く
0:そこには思いもよらぬ光景が待っていた
0:さあ、物語も終盤だ
0:エンドロールのその先へ
娘:・・・何この部屋?
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