【声劇台本】カーテンコールのその奥に…【女性1不問4】

ゆる男

第1話序章


0:大変長らくお待たせ致しました


0:これから楽しい舞台が始まります


0:最後の最期まで・・・笑い合いましょう


0:皆々様、盛大な拍手でお迎えくださいませ


:拍手





娘:はあ・・・はあ・・・お腹すいた


娘:水も食料も尽きちゃった、私はもうダメかも


娘:このままおばあちゃんに何も出来ないまま餓死して、私が先に死ぬんだ


娘:おばあちゃん・・・病気治せなくてごめんね


0:娘はその場で倒れた


犬:わん!わん!わん!変人発見!僕柴犬(しばけん)!


ロボ:ウィーンガシャ!体も心も深海に染まるかの如く闇に覆われてる僕はロボ


執事:ご主人様、この娘が本日の主役ですね


主:うん。やっと見つけましたよ〜。可愛い小娘さん


0:娘はある秘密の館に運ばれる




娘:・・・ん?


執事:あ、起きたのですね


娘:だ、誰?


執事:顔色が良くなりましたね


執事:私はここの館の執事をしています


娘:執事・・・


娘:ここはどこ?私行かなきゃ行けない場所があるの


執事:おっと、動いちゃ危ないですよ。あなたはあの入り組んだ森で倒れてたのですから


執事:お腹も空いてたでしょう。食堂の方へご案内致します


娘:いらないわ!早く・・・薬を取りに行かなきゃ


執事:薬?


娘:っ!


執事:あ、お待ちなさい!





0:娘は走り出し部屋を出る


犬:わん!わん!変人発見!僕柴犬!


ロボ:ウィーンガシャ!すぐボロが出る。僕はロボ


娘:な、なんなの?犬とロボが喋った?


犬:喋れるわん!一見犬に見えて元々人間、僕柴犬!


ロボ:そう、僕たちはご主人様に使われる漆黒の朧火(おぼろび)僕はロボ


娘:不気味だわ・・・


犬:君は動いて大丈夫なの?体に響くよー?


娘:別にいい、ここから出して


ロボ:そういうわけにもいかないさ、月夜に照らされた瞬間、君の体に潜んでる闇の部分が暴れてしまうぞ


娘:何言ってんのよ・・・


主:おっと〜お目覚めですか?お嬢さん


娘:・・・あなたは?


主:私はこの館の主さ、君が倒れていたからここに連れてきた


娘:ここから出してよ!


主:どうしてだい?君はこんな体になるまで歩き続けた。そろそろ休憩してもいい頃だ


娘:私の何を知ってるの?勝手なこと言わないで!


主:・・・そうだったね〜


主:でも君はやはり休むべきだ。食事を取ろう


娘:いらないってば!行かなきゃいけない所があるって言ってんでしょ!


主:じゃあ1人でその場所に向かってたどり着けるのかい?


娘:・・・それは


主:ゆっくり、焦らない。自分を大事にすることも必要だ


犬:わん!わん!謙虚に堅実に!僕柴犬!


ロボ:ウィーンガシャ!悪魔に呪われた左目がうずく。僕はロボ


主:執事殿、彼女を食堂へご案内を


執事:はい、ご主人様。





主:さあ、好きなだけ食べてくれ


娘:・・・


犬:食べないの?健康大事!僕柴犬!


ロボ:僕達は神に与えられたわずかな灯火(ともしび)だ、至福のひと時を味わおう、僕はロボ


執事:冷めてしまう前に召し上がれ


娘:・・・本当にいいの?


主:うん、私は困ってる人を見捨てれない性格でね、君を助けたいと思ってるんだ


娘:・・・いただきます


娘:おいしい!


執事:嬉しいお言葉です


犬:いい食べっぷりだわん!外見に寄らず!僕柴犬!


ロボ:密かに隠していた欲望が解放されたようだな僕はロボ


主:ようやく元気になってくれたねお嬢さん


主:まだゆっくりしててもいい、宿がないならここに泊まっていきなさい


娘:そ、そんな、悪いよ


主:悪いなんてことはない。君のためさ


主:君はとってもいい子だ、遠慮出来て気も使える


主:人として、大事に育てられた証拠だ


娘:・・・じゃあ、泊まって行くわ


犬:わん!わん!娘さんがお泊まり!それが賢明!僕柴犬!


ロボ:封印が解き放たれる前に、闇に閉じ込めよ


執事:ベッドの用意も致しますね。飲み物とお菓子も置いておきます


娘:そんなに良くしてくれるの?ありがとう!


主:いいんだよ、困った時はお互い様じゃないか


娘:うん!ありがとう!


0:娘は主に少し心を許したようだ


0:優しい主の瞳は何を見ているのか


0:ハッピーエンドのその先に待っているものは何か・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る