第5話 「あぁ思った通りだ…」
僕は家に帰り、自室へとこもった。
僕は部屋へと入った瞬間に叫びそうになった。
こうも上手くいくとは!
そう、僕は幼い頃からずっとだ。ずーっと。
チカが僕に依存するように仕向けていた。
あぁ神にでもなったようだ。
全てが上手くいく。
そう。僕は幼い頃から年齢に見合わない、知能と精神が備わっていた。そんな僕は多くの本から知識を蓄えていたのだ。
政治、言語力、統率力、マインドコントロール、人の動かし方、etc…
僕は多くの本を読んだ。
どんな有名な人を見ても素晴らしいの一言だ。
先人たちには凡人とは違う何かが備わっていた
ただし元来、人間という生き物は異端なものを排除しようという傾向があるようだ。
僕はこの知能を隠した。
そこからは大変だった。周りの人間となるべく同じに見えるようバカみたく振る舞い、普通を演じて見せた。
そんな中、出会ったのがチカだ。
僕に興味を示したのが運の尽きだろう。
僕は僕が知るありったけの知識を使い、行動や思考をコントロールした。
僕はそんな中チカに愛情を持ってしまった。
そこで思いついたのが、依存性を目覚めさせることだ。
だが今まで仕向けた洗脳が邪魔だ。
何かトリガーとなるものがいる。
そんな時に現れたのが黒崎先輩だ。
なんて都合のいい女なんだろう。
彼女は僕が洗脳する訳でもなく勝手に僕に依存してくれた。手間が省けて助かったよ。
先輩が僕に依存し、そして僕も先輩を愛しているかのように見せかけ、チカに少しだけの嫉妬や寂しさという今まで感じたことの無い感情を発生させる。
そうして僕は線はと深い関係だと言うことを示すため、チカがつけてきていることを知りながらも堂々と先輩と熱い抱擁やキスにまで至った
正直な話、先輩は捨て駒だ。
チカが僕を愛してくれさえすればそれでいい
先輩は都合のいい女だ。なんでも僕の言うことを聞くただの奴隷、家畜やペットに等しい。自分の意思を持たせちゃいけない、この関係には上下関係が必要だ。
どちらが上か分からせる必要が今後でてきたな
ちょっとした暴力は致し方ない。
これも躾の一つだよ。
サーカスのライオンだってそうだろ?
ムチを振るわれ、痛いから動く。
そうしてエサという生きるために必要なものを与え完全に支配する。
それを人間にするだけだ。
これからが楽しみだ…
僕の可愛いペット達…
そんなことを考えながら僕は眠りへとついた。
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「どうだい?人の被る仮面が沢山あって、使い分けているという現実を見て」
「意外と普通?それもそうかもね笑」
「君たちも仮面を使い分けて生きているもんね。家族としての仮面、社会人としての仮面、友人としての仮面、恋人としての仮面…沢山あるんじゃないかな?」
「でも」
「仮面を外した人間を君は見たことがあるかい?」
「少なくとも僕は無いね。」
「私は仮面というリミッターが外れた人間がどのような情熱や人の本性を見せてくれるのか、それが気になる。」
「さぁ、これからも楽しませてよ。」
「これからが本番だよ」
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僕は目覚めた。
夢を見たが何を見たか分からない。
そんなことはどうでもいい今日は先輩との約束の日だ。
早く支度しなければ、
そう思い僕は支度を始めた。
約束の時間が刻一刻と迫ってくる。
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