第3話 連鎖攻撃とマグマ噴火!

 俺の攻撃のターンになり、魔法大剣マジックグレートソードを出鱈目に振り回すと、運良くその切っ先がわずかにその魔物の体に触れたのである。


 それをヒットしたとは俺は認識していなかったのだが、そこから恐ろしいほどの【連鎖チェイン《chain》】が始まったのだ。


 それは、そのピンクのサイの背中にトンボの羽根がついたような全長1.5メートルほどの魔物のことが可哀想になってくるほどの【連鎖チェイン《chain》】攻撃だった。


 しかもその全てがクリティカルヒット!

 

 俺の背丈ほどもある魔法大剣マジックグレートソードで何度も何度もブッタ斬られたその魔物は微塵みじん切りとなり、紫色の光を一瞬放って消えてしまった。


 そしてその次の瞬間、紫色に輝く宝石が埋め込まれた指輪が中空から落ちてきたのである。


 俺は魔法大剣マジックグレートソードを地面にぶっ刺して、それを両手でキャッチした。


 すると、突然中空にこんな文字が現れたのだ。



 あなたはユニークスキル【連鎖チェイン《chain》】の使用に成功したので関連スキルである

命令系統チェイン・オブ・コマンド《chain of command》】を取得しました。



命令系統チェイン・オブ・コマンド《chain of command》】

 相手が誰からどんな命令を受けているかを知ることができる関連スキル。

 レベルアップするとその命令系統を上まで辿っていったり、その命令をした者の居場所を知ることができるようになる。



 なんかスキルが俺に大国の攻め落としとか異世界制覇的なことをあおってきてないか?



 俺は一瞬そんなことをふと思ってしまった。


 でも、それからすぐに頭をブンブンと左右に振ってその考えをどこかへふっ飛ばした。


 そんな大それたこと俺には絶対に無理だし、似合わない!


 そうだとも!


 絶対にそうだ!


 そう自分に言い聞かせた後で、キーゴンがまだ戦っていることに俺はようやく気がついた。


 キーゴンはあのピンクのサイのようなトンボのような魔物2体を相手に戦っていたはずだ。


 俺がキーゴンの方を見ると、すでにキーゴンは1体を倒し終えていて、もう1体と相対あいたいしてした。


 だが、不思議なことにキーゴンが倒した魔物の亡骸なきがらは消えずにそのままの姿で存在し続けていた。


 それで、なぜだろうと思いながら俺は地面にぶっ刺してした魔法大剣マジックグレートソードを引き抜き、キーゴンに加勢しにいった。


 すると、キーゴンは敵と相対しながら俺にこう言ってきたのだ。


「ルーフェンス様! 横目で見ていましたよ! 素晴らしい戦いっぷりでした! さすがはわれあるじでごさいますね! ルーフェンス様の戦いをまた見たいところですが、この魔物の始末は我にお任せください!」


 キーゴンはそう言い終えると、地面に人差し指をずぼっと差し入れ、



「マグマ 噴火イラプション《magma eruption》! 

・・・・・・蒸発イヴァポレイション《evaporation》!」



 と叫んだ。


 すると、地面から小さなマグマが噴火してピンポイントでそのピンクのサイのようなトンボのような魔物をあっという間に跡形もなく蒸発させてしまった。


 それでさすがに俺がビビってしまっていると、キーゴンがこう言ったのだ。


「主の戦いが本当に素晴らしかったので我も少し本気になってしまいました! 蒸発させてしまったらドロップアイテムは絶対に手に入らないのでこの攻撃はいつもはしないのですが・・・・・・」


「すっ、すごいんだね。キーゴンは・・・・・・」


「そんなことはありませんよ。我は土属性のゴーレムですからこのくらいのことはできますよ!」


「・・・・・・そうなんだ」


「そういえば、主の属性をまだ聞いていなかったですね! 主は何属性なのですか?」


「ええっと・・・・・・」


 なんだったっけ?


 天の声に立て続けにガチャを引かされたからすぐには思い出せなかった。


「ああっ! そうだ! 属性・・・・・・だったような」


「無属性? ・・・・・・その属性は我も聞きたことがありませんね」


「えっ? そうなの?」


「でも、主の属性なのですからきっと素晴らしい属性なのでしょうね!」


「そうだといいんだけど・・・・・・」


 そう言いながらも、『無属性』なんてどう考えてもハズレ属性だろうとこの時俺は思っていたのだ。


 それがこの異世界でも選ばれた数人しか持っていないだとは夢にも思わずに。


 

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第3話も最後まで読んでいただきありがとうございます!


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