第2話 最初の従者と最初の戦闘!

 3つのユニークスキルの中で最初に俺がその効力を実感したのは【絶対領域インヴァイオラブル・エァリア《inviolable area》】だった。


 それは天の声との対話を終えてからすぐのことだった。


 後ろから何かが付いてくるような気配に気づいたのは!


 振り向くと、黄緑色の身の丈3メートル以上あるゴーレムがこちらをじっと見つめていたのである。



「うわわっ!」

 


 と情けない声を上げながらも俺は戦闘体勢をとった。


 すると、その黄緑色のゴーレムは地面に片ひざをつき、俺に向かってこう言ったのである。



「我があるじ、おたわむれを! 早くわれに主の名をお聞かせください!」


 

 おそらく俺の【絶対領域インヴァイオラブル・エァリア《inviolable area》】(まだごく狭い範囲だったはずだから運命と言ってもいいかもしれない)に初めて侵入してきたのがその黄緑色のゴーレムだったのだろう。



「え? ・・・・・・ああ、俺はルーフェンス・マークス。気楽にルーフェンスと呼んでくれていいよ!」


「では、ルーフェンス様と生涯呼ばせて頂きます!」




 これがのちに俺の国の内政副大臣となるキーゴンとの出会いだった。


 その後も俺はたくさんのゴーレムと出会ってきたが、キーゴンほど誠実で信用にるゴーレムはいなかった。


 今でも時々、キーゴンがそばにいてくれたらと思ってしまうことがある。





「・・・・・・じゃあ、君のことはキーゴンって呼んでもいいかな?」


「キーゴン! 素晴らしい名をくださりありがとうございます! その名に恥じぬようこれからも精進していきたいとぞんじます!」


「なんか硬いなあ」


「主を前にして硬くならない方が変ですよ」


「そういうものかなぁ?」


「そういうものです!」



 そんな会話をしていると、中空に突然こんな文字が現れた。




 あなたはユニークスキル【絶対領域インヴァイオラブル・エァリア《inviolable area》】の使用に成功したので関連スキルである

不可侵権インヴァイオラブル・ライト《inviolable right》】を取得しました。



不可侵権インヴァイオラブル・ライト《inviolable right》】

 何か行動や、自分や他人の体(の一部)や大切な物などを登録しておくとそれを何人なんびとも防ぐ(攻撃する、壊す、盗む)ことができなくなる関連スキル。登録上限数と使用回数(行動成功回数)や範囲(体などの)が決められており、その数や範囲はレベルアップにより増加(拡大)する。




 俺がまだその意味が理解できなくて何度も説明を読み返していると、キーゴンがこう言ってきた。



「どうしたのですか? ルーフェンス様? そんな何もないところを眺めて?」

 

 どうやらこの文字はキーゴンには見えないらしかった。


「・・・・・・いや、なんでもないんだ」


「そうですか。失礼しました!」



 そんなふうに話していたけど、その時の俺たちはまだ本当の意味で打ち解けてはいなかったのだと思う。


 だってユニークスキル【絶対領域インヴァイオラブル・エリア《inviolable area》】の力で無理矢理従者にしてしまっただけなのだから。



 しかし、その後すぐに訪れた2人での戦闘を終えて俺たちはかなり打ち解けることができたのだと思う。




 俺たちが最初に遭遇したはピンクのサイの背中にトンボの羽根がついたような全長1.5メートルほどの魔物3体だった。



「ルーフェンス様、我にお任せください!」



 そう言って、キーゴンは自分だけでその3体の魔物を倒そうとしてくれたのだが、その中の1体がトンボのような背中の羽根で中空に舞い上がり、そのまま俺に向かってきたのである。


 俺は正直かなりビビっていたのだが、背中の魔法大剣マジックグレートソードを抜いて両手で持ち、まずは相手の攻撃に備えた。


 この異世界では向かい合った状態で先に動いた方がまずは攻撃のターンを得ることができるのだとさっき天の声に教えてもらったばかりだった。


 そして、相手の攻撃のターンが終わると必ずこちらの攻撃のターンになるのだ。


 そういうRPGの戦闘のようなシステムがこの異世界ではなぜか採用されていた。


 そのサイとトンボの化け物のような魔物は中空に浮いた状態で俺に角で攻撃してきた。


 俺はそれを魔法大剣マジックグレートソードのバカでかい刀身とうしんでなんとか受けて防いだ。


 それで敵の攻撃のターンは終了したので今度は俺が魔法大剣マジックグレートソードを出鱈目に振り回し攻撃した。


 すると、運良くその切っ先がわずかにその魔物の体に触れたのである。



 それをヒットしたとは俺は認識していなかったのだが、そこから恐ろしいほどの【連鎖チェイン《chain》】が始まったのだ。



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第2話も最後まで読んでいただきありがとうございます!


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