陰キャ、ドラゴンと渡り合う(コメント回複合)
ゆきりあ:あああああああああああ!
バルフ:逃げろ! 早く逃げろ‼
みらい:ミ、ミルちゃん‼
リストリア:そいつは攻撃前の溜め時間が最大の弱点だ‼ 機会を窺って逃げろ!
ムーヴァ:頼む頼む頼む頼む! 誰かミルちゃんを助けてくれ!
破壊神:え、マジ? 死ぬの?
ゆきりあ:駄目だ、こっちのアドバイスが聞こえてない‼
がす:マジで河崎チームより強かったのかよ…
リストリア:明らかに格が違うね。俺が助けにいければ…!
バルフ:誰か、誰か! 誰かミルちゃんを助けてくれっ! じゃないと……‼
みらい:あれ?
ファイド:ん?
リース:誰か来てね?
ゆきりあ:さっきの少年‼
ムーヴァ:来てくれたのか霧島君‼
破壊神:いやいや、おまえが来たところで助けられるわけないだろwww
ディストリア:少年! ミルちゃんを頼んだぞ! 今は君だけが、僕らの救世主だ‼ 僕の強い傘は……いま、君が握っている!
みらい:破壊神って奴黙れ! 素直に応援することもできねえのかよ!
リストリア:待て。霧島ってことは、あの人の子どもか……?
バルフ:誰でもいい! 頼むから俺たちのミルちゃんを助けてくれ!
――――――
思っていた通りだった。
ミルは大ピンチに陥っていた。
緊急モンスターに対して尻餅をついているばかりでなく、戦いの最中に剣を落としてしまったのか、肝心の武器がはるか遠くに転がってしまっている。
そして。
「ゴォォォォアアアアアアアアア‼」
対する魔物のほうは、思わず恐怖心を覚えるほどの見てくれだった。
一言で表現するとすれば、
たしかこいつは――
掲示板ではAランクの魔物として知られているが、こいつは通常個体ではなく緊急モンスターだからな。Sランクに分類されるか……もしくはそれをさらに突き抜けるか。仮に河崎チームが勝てなかったとしても、それはなんら不思議なことではなかった。
「グルァァァァァァァァア!」
そしてその紅龍は、いままさに、ミルに向けて獰猛な腕を振り下ろそうとしていた。
対するミルのほうは、恐慌に陥ったまま動く素振りもない。
このままでは――彼女は鋭利な爪に切り裂かれる。
それはもはや火を見るより明らかだった。
「くおおおおおおっ!」
俺は絶叫をあげ、腰に掲げていた剣を右手に取る。
いくら薬草採取だけを目的にしているとはいっても、いつどんな危険に遭遇するかわからないからな。護身用に一本だけ、俺は常に剣を携帯するようにしていた。
ガキン‼
俺の剣と紅龍の爪が激突し、周囲にすさまじい衝突音が鳴った。
「くぅううう……‼」
駄目だ。
かろうじて受け止めることには成功したが、そもそもの膂力が違いすぎる。
このままじゃ押し返され――
――――
戦闘経験につき、新たな《ルール無視》が追加されました。
・薬草リポップ制限時間 無視
★相手の攻撃力 無視
――――
「……え?」
ふと視界に浮かび上がってきた謎の文字列に、俺は心底仰天する。
攻撃力無視?
どうしてこんな文字が浮かびあがってきたのかは謎だが、背に腹は代えられない。
このままじゃ俺はもちろん、背後で尻餅をついているミルでさえ死んでしまう。
――スキル発動! 攻撃力無視‼――
俺が心中でそう唱えた瞬間……なにかが変わった。
さっきまで途方もなく強く押し込まれていた紅龍の力が、一気に感じられなくなったというべきか。まるで赤子にでも押し込まれているかのごとく、いまはたいして力を感じない。
これが攻撃力無視……ということか?
「おおおおおおおっ‼」
絶叫をあげながら、俺は無我夢中で剣を振り払う。
「グオァァァァァァァァァアアア‼」
すると驚くべきことに、紅龍は悲鳴をあげながら後方に吹き飛んでいくのだった。
―――――――――――
お読みくださいましてありがとうございます!
今回は防御系ですが、これからどんどんやばい《ルール無視》を覚えるようになります!
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