ペテン 8:15 AM S20.8.6

重力の雨が降る 時間ときは喉元に杭を打たれ 空の王権を剥奪された太陽は 地図に載らない滝の中 ただ独り 燃ゆ だが 私は露知らぬ 生の歓喜を奏するものを…… おお リズムのズレる悪魔の鼓笛隊 誰かの頭を砕いて一撮ひとつまみ おカネに変えて嗤っている くそまみれた私の手には なみなみとがれた血のさかずき 銀の器の肌の中 逆さまに映る私が止処とめどなくく ああ 崩落した良心の橋よ 世についえた木漏れ日よ あれは あれは一体 何だったのか 安楽椅子人間モンスターが爆弾を抱え 爆弾が思想を呑み込んで 名もなきひとを蹴散らした あの 二十世紀という時代 あれは一体 あれは一体 何だったのか


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